山歩きヘロヘロ日誌
2014年8月2〜3日 夏の北岳 百花繚乱!
登山日 | 2014年8月2日(土)〜3日(日) |
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ル ー ト |
■8月2日(土)(曇り時々雨のち晴れ)
■8月3日(日)(晴れのち曇り)
肩の小屋(5:40頃発)・・・両俣小屋分岐(6:15頃/休憩)・・・北岳山頂(6:50頃着/休憩)・・・
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同行者 | てばまる |
■8月2日(土)(曇り時々雨のち晴れ)
東京・三鷹駅(5:58)==(JR)==甲府駅(8:10着/9:00頃発)==(路線バス)==
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兼ねてからの憧れだったキタダケソウを初めて見てから1か月。やはりもう一つの固有種であるタカネマンテマも見ない事にはと思い、計画をする。 しかし、登山口の広河原への最短ルートである芦安からの林道が土砂崩れなど崩落の危険があるとのことで夜叉神峠より先は8月一杯通行止めになって しまった。幸い奈良田側からのルートは使えるということで臨時バス(午前往路2便、午後復路2便)も出ているようだ。ただ甲府駅からのバスだと3時間ほどかかるうえ便数も極端に 少ないのでちょっと迷ったもののとにかく行ってみようと決定。
早朝の普通電車で甲府駅に到着。北岳や甲斐駒千丈あたりに行く人も同じなのでバス停は大行列となっていた。それでも、距離が長いので確実に座れる
ように増便が出てこのときは4〜5台であった。それにして尾瀬とは違うのはみんなザックが大きい! 小屋泊でも大荷物だ。
狭い道をくねくねとどんどん走ってゆく。基本的に作業用の道ということでトンネルも1台分のスペースしかない。それなのに大型のトラックが対向
したりするので、ちょっとヒヤヒヤものだ。早川の対岸の山腹には芦安からの林道が走っているがどのあたりが崩落したのかはわからなかった。
歩きはじめから雨具のお世話になるとは・・・ 吊り橋を渡り広河原山荘で登山届を提出。数日前に単独男性が遭難して未だに見つかってないので
その情報を求める手配書が張られていた。どこかに滑落したのだろうか?
雨降る中、ゆっくりと登山道を進む・・・ それほど寒くもないけど雨具を着込んでるといっきに蒸し暑くなり汗が噴き出てくる・・・ しっかり水分休憩してから再び歩き出した・・・。
雪解けも加速しているようで沢の水の音が凄い! 山側から流れ出す沢も水量が豊富である。タカネグンナイフウロやミヤマハナシノブ、タマガワホトトギスなどが
ポツポツと咲いているが雨で垂れていてちょっと絵にならない・・・。 橋の袂ですこし休憩してから歩き出す。ここからはちょっと傾斜も増しキツイところである。今回はテントも担いでるので6月のときのような軽快さは なくやはりキツイ・・・ きついけど花は点々と咲いていて、センジュガンピやキツリフネ、ジャコウソウ、ミヤマキンポウゲなどまあまあ花は多い。
小腹も空いたのでお菓子などを食べて小休止・・・。ここまでくると下ってくる登山者もポツポツと見かけるようになった。
しばらく、低い樹木の下を進むが、沢の音が近づくと河原に飛び出た! 雪渓とバットレスが良く見える! うーんいいね〜! 草むらにはミヤマハナシノブが
あちこちに咲いていた、タカネグンナイフウロも多いけど雨で花が垂れてしまっているので今一つだ。明日晴れれば乾いて綺麗に撮れるかな? 予報では
日中は晴れ予報だったが果たして?
雪渓を下る人もいるけど、よく見ると夏道が出ているようでそこを下ってくる人もいた。アイゼンがあれば途中まで雪渓の方が楽かもしれないなぁ。 このまま北岳山荘に行くという考えもちょっと思ったけど、やはり無理は出来ないというかけっこういっぱいっぱいだ(^^;) 試しに雪渓に降りて歩いてみる・・・むむむ! 堅い! 6月時より雪が締まっている。これでは急斜面ではアイゼンがないと危険だろう・・・ やはり 予定通り今日は御池泊まりだな・・・!!。
分岐付近もいろいろ花があり、ミヤマハナシノブはけっこう多い。シモツケソウやタカネシオガマも咲いていた。ここで標高2200mだから咲いていても
不思議ではないが、まだまだ稜線は上の方、3000mの山の高さを実感させてくれる。すでに至仏山と同じ標高だ!! 針葉樹林帯のルートへ入るが、こんなところにタカネナデシコが点々と咲いていてびっくりだ。普通稜線の草地に咲くものだが・・・ 苔むした林床は 何かランがあるのではと、前回も探したけどまたキョロキョロしてしまう。1か月もたてば植生もガラリと変わるしね。カニコウモリもやたらに多くて 目立っていたけど、撮影しにくいのであまり撮る気にはなれない・・・(^^;)
どんどんと歩いてゆくと、少し人の声がしてくる! 到着かな? 次第に明るくなってくると、広場に飛び出た。白根御池に到着である。何とか16時までには着けたようだ、ふぅ〜 左の斜面は草すべりだ、6月は まだ雪があったけどすっかり緑だ、そこから次々と下ってくる。かなり急だなぁ〜 明日は夜中にここを登るのだ!!
御池は雪も消えてるけどあまり綺麗な水ではない・・・ その周りは幾分草地になっている広場でテントがいくつも張られていた。 小屋の前はすでに
いっぱいで張れないので、ちょっとゴロゴロしてるけど水っぽくもないのでとりあえずここに設営だ。 ひとまず、水汲みと受付をすべく小屋の方へ。
沢山の登山者がいてとても賑やかだ。テントは1泊500円。水は沢水が豊富なので無料である。しかも天然水!! 稜線は滅菌処理しているので
美味しくないらしいので、ここでテントを張るのは水には不自由しないのはありがたい。トイレも水洗ですこぶる綺麗だった。
すると草すべりを下ってくる一向が、よく見ると人が背負われていた。下まで来ると背負われた人は足首にギブスをつけられていた。どうやら骨折して
小屋の人だろうか背負って降りてきたみたいだ。凄いな〜! その後ろの人は負傷者にロープをつけて確保している。一向は小屋の中に入っていった
今夜は泊まるのだろうか。
かなり汗をかいたので多めに水をとりちょっと横になる。雨は相変わらず降っているので周辺散歩というわけにはいかない。と、雷鳴が1発! それ以上
鳴らなかったので安堵安堵・・・
明日は0時には起きないといけないので早めに夕食して早寝だな。
スタッフは周りのテントの人にも畳むように促していた。
やがて、負傷者を背負った人がまた草滑りを登ってゆく、どうやら途中でピックアップするようだ。なんであんなところで? 池の周りは小石が多いので
それが飛ぶと危険ということらしい。なるほど!
騒ぎをききつけた小屋の客も出てくる。小雨も降り続く中ヘリがくるのを待つがなかなかやってこない。甲府の県警ヘリらしいのでそんなに時間が
かかるとは思えないけど・・・ 上空のガスはまったくないので視界良好! 鳳凰三山上空の雲が少し焼け始める、そんなころやっとバラバラと音かしてきた!
大樺沢側からふいに姿を現した大型のヘリが上空をホバリングしながらゆっくりと負傷者がとスタッフが待つ上空へ移動。離れているのでテント場まで風はほとんど
こない感じだ。隊員が地上に下降して負傷者を抱きかかえてヘリに収容した。早い! さすがに訓練されてるなぁ〜と関心である。
このときの救助の事はメディア記事にも出てました。東京在住の方だそうです。
それにしても、夕食時にこの騒ぎですっかりあたりは薄暗くなっていた。早く寝たかったのに・・・
小屋は満室で夕食も3回にわけていただいていたようだ、この日は稜線の小屋も200%だとあとで知った。さすがに大人気の北岳である。
トイレに行ってから戻ってくると山頂に三日月が沈んでゆく。星もポツポツと見えていた。夜中に星空が出るといいのだけど・・・
さーて、いまからだと5時間くらいしか寝れないけど、とにかく早寝である。 星が出てれば撮影してから登山開始だな。晴れてくれますように!!
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■8月3日(日)(晴れのち曇り)
※起きがけにちょっと星空撮影。
肩の小屋(5:40頃発)・・・両俣小屋分岐(6:15頃/休憩)・・・北岳山頂(6:50頃着/休憩)・・・
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地面がややボコボコしてるのでなかなか寝付けなかったがそのうちに寝たようで、気が付くと23時、外を見るとうす雲はあるものの星空が広がっている
ではないですか!! 天の川も何とか見えている!! うーん、悩ましいけど、もう少し寝ておこうと再びシュラフに潜り込む・・・。
いろいろアングルを変えたりして30分くらいも撮影してしまった。
さーて、そろそろ登るかな〜 草すべりから小太郎尾根まで2時間半くらいだ。そこから肩の小屋まで30分ほど。小太郎尾根で星空があれば少し撮影
出来るかな。とにかく空気も薄くなる標高だし初めてのルートで夜道なのでゆっくり行こうと決めた。
始めはゆるゆるとした道を登ってゆく。昨日負傷者をピックアップしたと思われる地点。なかなかのいい景色。向こう側の鳳凰三山のシルエットと星空が
いい感じだ。
でもここでこれだけ風があるってことは稜線は強風かも? そうなると日の出撮影は寒そうだな・・・。
地図を確認すると半分くらいまで来ているようだ。ほお、意外と登ってたのね・・・ かなり頻繁に足を止めているけど確実に標高は稼いでいたようだ。
このぶんだとあと1時間くらいで稜線に出るかな。
と、相棒からLINEが届いた、ここまでくると電波が繋がるようだ。ちなみに御池はドコモだけ繋がる。
そうして、やっと右俣分岐の標識までやってきた。ふぅ〜ここまでくればあとはもうひと踏ん張りだ。 星空もまだまだ健在! 大樺沢の向こうの稜線に
なにやらシルエットが飛び出ていた? もしかして富士山かな? でもあんなに大きく見えるかな〜? とちょっと半信半疑・・・
再び歩き出す、このあたりは雪消えが遅かったのでお花畑になっているようで、シナノキンバイ、ハクサンイチゲ、イブキトラノオ、ハクサンフウロ
などなど沢山の花が咲いているようだ。帰りも草すべり決定だな!
小太郎尾根分岐の標識までやってくる、やはり風はあるけど思っていたほどでもない。そして、さっきのシルエットはやはり富士山だとここではっきりと
判った。中腹あたりに見える光は小屋の灯りだろう。あちらでも今頃は御来光狙いで長蛇の列が続いていることだろうな。 こちらは稜線に1人だ。北岳もシルエットで
見えているし、目の前に鳳凰三山、甲斐駒ヶ岳、仙丈ケ岳と360度見えている。ただやはり上層の雲は多く、星空は鳳凰三山側だけであった。
出発から2時間くらいで登ってきたようでまだ2時半だ。それじゃあ、星空撮影ですな〜と 三脚を立てて撮影する。 撮影するとことのほか下界の光を
拾うようで雲に反射している。鳳凰三山の向こう側は甲府盆地の光だろう。富士山の手前は河口湖かな? 甲斐駒ヶ岳の向こうは松本や諏訪の待ち灯りが
見え、伊那側の光も多いようだ。
暫くすると仙丈ケ岳の方も星が見えてきたが諏訪か松本市内の灯りが明るい! とりあえず撮影してみるとなんと北アルプスが映って槍ヶ岳も確認
できた。
30分ほども撮影しただろうか? さて、ゆっくり進みますか〜 とりあえず肩の小屋を目指して歩き出すことに・・・。
3時も過ぎると東の方がうっすらと明るくなってきていた。これだけ標高が高いとその白みの状態でも結構周りが良く見えてくる。
さらに岩場を登ると平らな道でほどなくして肩の小屋の灯りも見えてきて無事到着だ! ちょっと安堵した。 伊那側にもテントがいくつも 並んでいる。さらに進むと小屋の前でライトが沢山うごめいていた(^^;) 皆さんテントの方? いやそうでもないようですでに山頂に向かって 登っている人もいるようだ。御来光を山頂でみようという人々が状況を確かめに出てきているみたいだ。風はそれほどでもないものの早朝特有のガスが 山頂を覆っている。
そのテントもほとんど灯りがついて御来光待ちのようである。
まだ時間は3時半過ぎ。日の出まで1時間くらいあるので山頂まで行けないこともないけど、この先が苦しいのだ。それに人が多いと三脚も立てられない
のでここからの方が安全かなということでやはり肩の小屋で待つことにした。
6月に泊まった北岳山荘がまあまあ近代的で天井も高かったけど、こちらは天井が低い。複雑な造りで増築を繰り返したのがよく判る感じだ。敷き布団が無く 毛布数枚で寝るスタイルだそうで、最初からすし詰め前提の寝床らしい。故にけっこう評判は悪い・・・(^^;)
あまり長居も悪いので10分ほどでまた外に出る。すると東の方の地平線が少しオレンジ色になってきていた。日の出も近そうだ! 外人の泊り客も多く英語や中国語が聞こえている。特に中国人は喋りがうるさいので直ぐにわかる! 次第にベンチ周りの人も増えてきて賑やかだ。 鳳凰三山の向こう側、たぶん秩父や奥武蔵の山だと思うけどそのあたりの地平線が特に明るいので太陽はあのあたりから出そうだった。
まわりの山もどんどんと見えていて美しい! 富士山も雲海の上に聳えている。八ヶ岳、甲斐駒、仙丈ケ岳〜
人が減ったので西側も見ると、なにやら影が? おお! あれはもしかして北岳の陰では? ヤマレコでそんな写真を見たばかりなので、それにそっくり だ! 山頂から出なくても影北岳が見えるとはラッキーだ! でも、気づく人はほとんどいなかった・・・。
ひとしきり撮影してお腹も空いたので、朝食である。持参した菓子パンをパクパクと頂いた。出来たら暖かいコーヒーでもあればいいけど、バーナーは
置いてきちゃった・・・ 小屋はまだ売ってないみたいだ・・・。
すでにテントを撤収する人も多く間ノ岳や農鳥方面へ縦走かな? さてさて食べたし陽も上ったのでお花の撮影しながら山頂を目指しますか〜 と歩き出すが、
テント場のお花畑が気になるので少し降りて撮影する。すると、キタダケソウが2輪咲いていた! 噂には聞いてたけど移植されたものだ。若干花びらが
いびつだけど葉っぱは紛れもなくキタダケソウだった。
小屋を後に山頂目指して歩き出すが、他にも大勢の登山者が向かっているし日の出を見終わった人がゾロゾロと下ってくるのでちょっとした渋滞ができて
いたりする。まあ、こちらは花を撮りながらなのでゆっくりでもOKだ。
岩岩な場所だけど人気の山だけあって足元はしっかりしている。それでも、一歩間違うと滑落して致死に至ったり、骨折したりしやすい岩場なのでそれ なりの技術は必須である。また、標高が高いと水分補給も重要になる、水分が少ないと血がドロドロになって酸欠、高山病の原因になるのでこまめに水分や 糖分補給は必要だ。
いやいやそれにしても花が多くてなかなか足が進まない・・・ どうしても立ったり座ったりしてるので、疲れやすくなってるようだ。
ひゅーふーと歩き、両俣小屋分岐に到着。ここはいくぶん平らになっていて休憩ポイントに最適。周りにはチョウノスケソウの大群落など他の花も多く、
まだオヤマノエンドウも咲いていてちょっとしたお花畑だ。
少し休憩してから、再び歩き出す。上空の雲は多いものの東からの日差しはけっこう強い。西側からは風が吹いていて時折ガスが通過してゆく。それでも、
まだまだ天気は良くて展望は最高だ! 遠く間ノ岳や塩見岳など南アルプス南部の山々も見えていた。ほとんどが3000mというのだから凄い!
ということで花や景色を楽しみながらゆっくり歩いて、山頂への最後の登り!! ちょっと足場が悪いけど、ゆっくりと上ってゆくと、北岳山頂に到着だ!!
今年2回目〜(^-^)/ 流石に残雪はすっかり無くなっていた。お地蔵さんに巻かれていたバンダナとサングラスも無くなっていた。風で飛んだか、
誰かが外したのか? でもお供えの小銭が沢山置いてあった。
さっきは見えていた間ノ岳も雲が掛かりはじめている。富士山側の雲も増えてやはり下り坂なのかな?
北岳山荘側への下り道も相変わらず花は多くて面白い! ハハコヨモギ、ムカゴナズナ、コケモモもまだ咲いてるし、少し下った6月は残雪が残って
いたあたりはキバナノコマノツメも沢山咲いていた。イワカガミやハクサンイチゲ、シナノキンバイなどなどお花畑だ! しかしここを下ってしまうと
また登り返すのが辛いだろうな〜 そのくらい急傾斜な尾根道がズーと北岳山荘まで続いている。ココから見ると山荘はずいぶん下の方だ! そこから間ノ岳や
農鳥への縦走路が続いていて何だかカッコいい!! いづれは間ノ岳まで行ってみたいものだ。
登ってくる人は息も絶え絶えで苦しそう・・・ テントの装備の人はやっと歩いているって感じだ。やっぱりここまで上げるのはかなりの脚力と体力が
必要なのだと実感する。
ゆっくりゆっくりと下ると、ガスがばーと湧いてきた! するとブロッケンだ!と叫んでいるグループが! 吊尾根分岐まで降りると、ガスのスクリーンに
虹が出てブロッケン現象が見えていた。なんだ久しぶりにみたなぁ〜と何枚も撮影してしまった(^^;)
迷いつつもずいぶん下がってしまった。北岳側の崖を見るがビランジらしいものは無いようだ。駄目かなこりゃ? と振り返るとなんとキタダケトリカブトが
咲いていた。個体数も少ないとはいうがけっこうまとまっていた。咲くのはもう少し先だと思っていたけど、ここのは早いようだ。これは来て正解かな!
そんなわけでゆっくりゆっくりと吊尾根分岐まで引き返した。そして、再び山頂への登り・・・かなりの急斜面の道だ・・・ うーん仕方ないけど登らないと・・・
とえっちらおっちらと登る・・・。
すると上からやかましい集団が! 中国人グループだ。なんであんなに声がでかいのか・・・ 男の方はすれ違っても何にも
挨拶しなかったけど最後尾の女性は日本語で挨拶してくれた。ガイドさんかも?
ふり向くと間ノ岳への縦走路がところどころ雲がかかり「点と記」に出てきたような山岳風景になっていた! かっこいい〜!! 後から 登ってきていた人も振り返って、イイネ〜と呟いていた。尾瀬では味わえない山岳風景。ちょっと病みつきになりそうだ。
バリエーションルートを通りつつ、崖側を覗いたり諦めきれないタカネビランジも探すが結局最後まで見つからなかった。山頂部は少ないのかも・・・。
まだまだ登ってくる人もいる時間帯、でもこちらは下山しなきゃ・・・ 少しお菓子などを頂いてから出発!
東側はすっかりガスが巻いてるけど西側はまだ展望がある。風も弱く前回よりは快適である。下り道でも目は花を探してるので、なかなかスローペースだ(^^;)
両俣小屋分岐でちょっと休憩、同時に辿りついたガイドツアーのご一行も休憩になった。ここがピークですか?と尋ねる人もいたり、偽ピークを見て もうすぐですね。という人も。。。若いガイド人は、「北岳はそんなに甘くはないです。」とやんわりと否定した(^^;) 参加の熟年者たちはかなりお疲れ モードのようだけど、時間的に白根御池から登ってきたのだろう。
さらに今度は重装備の学生が・・・これは明らかに登山部(^^;) テント場には見覚えのある大型テントが張られていた。御池にいた学生かもしれない
肩の小屋では大屋根の修理が行われていたり、トイレの新設をやっていたりと、そのための工事関係者用の宿泊テント、資材などがあり雑然としている。
さてさて、下山しますか〜! ときおり見える伊那側の景色を見ながらサクサクと下る。難所岩場では重装備の学生が疲れ果てて座り込んでいた。少し
足が吊ったようである。 やがて小太郎尾根分岐の広い砂利場が見えてきた。沢山の人が休憩しているようだ。
休憩しているとご老人の方がやってきた。若者と話してるのを聞くと何と76歳だそうだ!! これから小太郎山を往復するといい、一目散に駆け下りて いった!! 走ってるよあの爺さん!! もう何度も北岳に登ってる感じだけど健脚だな〜 疾風のごとく駆けてゆきガスで見えなくなった・・・。
さてこちらはノロノロ運転で下りますか〜 と歩き出す。
そんなお花たちを見ながら下ると、例のシカ避け網沿いを進むようになる。そうして、右俣分岐。このあたりでキバナノコマノツメの果実を観察。すると
毛の生えたものがあった! ほうほう、これがそうか! 果実に微毛があるものをアカイシキバナノコマノツメと区別されている。今回はこれの確認も
したかったので、見れて良かった。
再びガシガシと下りはじめる。段差も大きくなかなか膝に来るハードな道だ・・・ 登ってくる人も活き絶え絶えって感じで、よくも夜中に2時間ほどで
登りきったなぁ〜と思ってしまった。
半分くらい下るとミヤマハナシノブも咲いていたりする。昨日は濡れたのしか撮れなかったので乾いたのを撮れるのは嬉しい。そして下の方には御池が
見えて、自分のテントも見えてきた! テント村はなくなりポツンと自分のだけだった。なんだか目立つなあ〜(^^;)
クガイソウ、オサギリソウ、タカネナデシコ、ヒメコゴメグサ、エゾウサギギク、シモツケソウ、マルバダケブキ、タカネグンナイフウロ、と花が尽きる
ことがない!! ほんとに花好きにはたまらない山だなぁ〜 これは毎年のリピータになってしまいそうな予感がする。
そうしてかなり足もお疲れで、微妙に指が吊りそうになる頃、ヘリのピックアップポイントに出てきた。もう御池は目前だ!
片づけていると小屋のスタッフがやってきて池の傍らに座り読書? 休憩時間のようだ。スタッフはなかなか下山出来ないので自由時間もこういう
使い方しかできないのだろうな・・・山小屋の仕事は一見面白そうだけど、他の山に行く自由が利かなくなるので、そうとうな覚悟も必要だろう。まあ
この山だけにいれればいいという人なら凄く楽しいだろうけど・・・
撤収も完了〜 お昼も過ぎてるし、またまたカレーでも食べましょうと小屋へ移動する。
出てきたカレーをゆっくりと頂く。前回とちょっと味が違うようだけど気のせいか? 味噌汁がつくのはやはりありがたい。 食べてると、続々と学生キャンパーがやってくる、しっかり先生付きで、いろいろ指示が飛んでいた。 食べ終わり、相棒へのお土産を購入。そして、小屋周辺をちょっと探索。小屋前のテント場は2段になっていて樹林下にも張れるようになっていたが、 ここからは北岳が良く見えないので、やはり池の周りが良さそうだ。虫もそんなにいなかったので満天の星空が見えるしこのテント場のロケーションとしては 最高だろう。 まだ時間はちょっと早い気がするけど、広河原で並んだりすることを考えると早めがいいかな・・・ということでいよいよ下山だ!! 大樺沢をまた下ろうかと思ったが、見聞も必要だろうと樹林のルートを下ることにした。花は少なそうだけど時短にはなる。
すぐに下るのかと思ったら登っていた・・・オイオイ!! 樹林帯の道は花も少ないものの、あまり見かけないセリバシオガマやマルバノイチヤクソウ、さらに下ると沢沿いにシモツケソウ、ミヤマハナシノブも 少しだけど咲いていて意外と花もあるんだな〜。
まだかまだかと思いつつ下るが急な下りは続く・・・
ここから20分くらいで広河原だ、うまくタクシーが出ていれば奈良田までいって温泉も出来るかな? まあ入らなくても平気だけど・・・
ゆっくり休憩してから出発! と立とうとしたら膝が笑った。ワハハハハ! ガクンと体制が崩れてしまった(^^;) 流石にお疲れのようだす。。。
3人を追い抜いて下ると広河原に到着〜〜 そういえばコインシャワーが・・・ でも故障中とかで使えなかった。残念・・・ それにしてもテント場は
満員御礼で凄い数だ! 大型ばかりなので学生だろう。肩の小屋にいた学生たちのものかもしれないな? まあ日帰りでも夕方には戻ってくれるだろうか。
時間は14時50分! タクシーもあったけど、よくよく考えると甲府行のバス乗り場とタクシー乗り場はかなり離れていて、よほど空いてないと
乗せてもらえないという情報があった。公共の温泉もそこにあるので、場合によっては立ち席か? うーん、それは嫌なので、バス待ちだな。次は15時40分。でも
これは奈良田行き・・・ 試しに甲府までのチケットを買おうとしたら、15時40分には乗れないとのこと。そ、そうなんですか!? どうやら甲府行の
場合は広河原〜奈良田、奈良田〜甲府のセット券限定になるようだ。そのかわり優先的にの次のバスに乗ることが出来そうで、マイカーの人が奈良田から
広河原まで乗る場合、立席もあるけど、甲府から来た人は必ず座れるという特典がある。そういえば、昨日はマイクロバスも優先的に割り当てられたな。
すでに並んでいる人もいたのでとりあえずザックを置いて順番を確保して、ウロウロ散策・・・ そのうち15時40分のバスが出発。結構な満員。 その後も北沢峠からのバスもやってきて人が増えたが、係員の案内で奈良田行の人と甲府まで行く人のバス停を指示してくれたのでほとんどの人は 奈良田行きに並んでいた。甲府行の人は20名くらい。
そして嬉しい案内が、このまま甲府まで乗り換えなしで行きます! ラッキー(^-^)/
途中、別登山口にいたクライマー数人と奈良田で拾った数人を乗せて甲府へ向かった。
往路と同じく道の駅でトイレ休憩を入れてひたすら2時間走り続け、すっかり暗くなった、19時半ころ甲府駅に到着。少し早めに着いたので、特急かいじに乗り
帰路についたのでした〜
今年2回目の北岳、しかも初のテント泊。もともとこの時期に行こうかとは思ってたけど、天気の心配もあり前日になってやっと決定! 予報外の初日の 雨にも祟られたけど、なんとか無事に下山できた。そして、最大の目的だったタカネマンテマとの対面! 不思議な形の花に感激。おまけに素晴らしい御来光と 大展望、星空にも恵まれ、ちょっとキツイ日程ではあったけど充実した夏の北岳でした。来年はなんとか稜線でテント泊をしてもっといろんな花たちを 堪能したいと思った。 ただ、樹林ルートは余程のことがないかぎりもう使うことはあるまい(^^;)
おしまい・・・
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