山歩きヘロヘロ日誌
2014年6月27〜28日 北岳
登山日 | 2014年6月27日(金)〜28日(土) |
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ル ー ト |
【前夜に出発】 三鷹駅===高尾山口駅(22:00頃/22:10頃発)==(Kazuさん号)==芦安・市営駐車場 ※車中泊。
■6月27日(金)(曇りのち小雨)
※少し休憩後、稜線沿いなど散策。
■6月28日(土)(曇り時々雨)
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同行者 | てばまる、kazuさん(山行は途中まで) |
【前夜に出発】
■6月27日(金)(曇りのち小雨)
芦安・市営駐車場(4:55頃発)==(タクシー)==広河原(5:50頃着)・・・広河原山荘(6:15頃/朝食)
※少し休憩後、稜線沿いなど散策。
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南アルプスの北岳(3193m)の山頂付近に咲くというキタダケソウを見たいと兼ねてから思っていたが、なかなか実現せず昨年やっと計画した
ものの悪天候で断念・・・ ならば今年はと計画。過去3度キタダケソウを見に登っている尾瀬仲間のkazuさんと同行することになった。
やはり何度も登っている人と行くのは安心感がある。なにせ北岳に登るのさえ初めてでそのアプローチも長く急な残雪歩きに岩場、落石と
不安な事ばかりである・・・ 予定では金曜日〜日曜日の2泊で余裕のある行程だったが土日の天気が良くないので金曜土曜の1泊に変更。ギリギリまで天気予報を見てから 決行と決まった!!
木曜日の夜、高尾山口駅でkazuさんと合流し中央高速で一路甲府方面を目指す・・・。談笑しながら走るとあっというまに甲府盆地に入り
一般道に降りて芦安温泉に向かう。電車とバスだとそれなりにかかるけど車で来ると意外と近いのにはびっくりだ。
芦安から先はマイカー規制の為乗り換えることになるが北岳方面や甲斐駒仙丈ケ岳方面のバスやタクシーもここから出ているので中継地でも
ある。駐車場にはすでに何台も停車しているが平日なのでとても少ない。土日はもっと凄いことになるとのことだ。
明日はいよいよ北岳、アプローチも長いのでしっかり仮眠しておきたいので早めに就寝となった。
明るくなると余計に仮眠していた人が起き始めてパタンパタンと寝ている状態ではなくなってしまった。結局、記憶がない時間は1時間も なかったかもしれない・・・完全に寝不足だ・・・こんな状態で登れるのか不安いっぱい・・・
夜叉神峠登山口のゲートが空くのが5時半、まだ出ないはずのタクシーが4時には早々とやってきてお客を集め始めた・・・ 平日で人も
少なく8〜9人集まらないと出発しないので後れを取ると6時のバスまで出発できなくなりそうなので、バタバタと準備をして乗り場へ・・・
くねくねとした道をぐんぐん標高を上げながら登ってゆく・・・雲は多いが天気は大丈夫そうな空模様だ。眠くてウトウトするが寝付けないのが
わたしの性格・・・(+o+) 爺さんドライバーはこのジャンボタクシーも初めてのようで空調が冷房になっていてとても寒かった・・・おまけに
トンネルでもライトが点灯してるのかわからないまま走っていて乗客から指摘されていた(^^;)大丈夫かこの爺い!!
結局ゲートを少しはやめて開放したものの40分くらい待たされた感じだ・・・やれやれ・・・
狭い南アルプス林道をひたすら走る・・・トンネルも多く、大雨のたびに崩れたりする難所の道のようだ。
広河原には立派なインフォメーションセンターの入った建物があった。夏場の週末ならごった返すのだろうけど今日は平日でもありとても 静かだ。ここからは北岳や鳳凰三山へも登れるので降り立った登山者は身支度を整えるとどんどんと出発していく・・・
さすがにヒンヤリとして肌寒い・・・ ここで朝食してもいいけどこの先の広河原山荘で食べましょうとkazuさん推奨ということで移動する。 広河原山荘は森の中に立つ雰囲気のある山小屋だ。テントは場もあるのでここを基地にする登山者も多いみたいだ。 山荘で登山届を提出。とりあえずシャリバテしないように朝食を頂いた。
ドキドキとワクワクが入り混じりながらヒンヤリとした針葉樹の森をいきなり登る・・・ 少し苔むした林床がいい感じでのっけから 紅いランがないかと探してしまう・・・。
初めてのルートだし最初から飛ばすとバテるのでかなりゆっくりと歩き進んだ・・・。
つねに左手に沢の音が聞こえ大樺沢沿いを登る感じだ。沢の上部は雪渓なのでそこから溶け出す融雪水が豪快に流れ下っていた。
尾瀬でたとえれば尾瀬沼から燧ケ岳まで標高差約800mなのでそれの倍だ! うーん登りきれるだろうか・・・なにより高山病が心配だ・・・。 kazuさんもこのところ普段からふくらはぎの調子がよくないとの不安を口にしていた。
先行グループも先に出て間が開いたのでこちらも出発。
さらに登ってゆくと紫色の花が目に留まる、タカネグンナイフウロだ! 少し進むと道端にカモシカの白骨化した死骸が(T-T) 冬の間に
生き倒れたのだろうか? 南無〜 と、その近くにまたしたもタカネグンナイフウロとちょっと違うのも咲いている! 何とミヤマハナシノブ
であった! どちらも初めて見る花だけど特にミヤマハナシノブは南アルプスと北アルプスの清水岳にしかない希少種である。この時期には
まだ咲かないようでkazuさんも初めてみたそうだ。
しばらく進むと樹林を抜け沢沿いに歩く感じなる、そして急傾斜の沢が崩壊したようなところを渡る、このあたりはこういった場所が多い
みたいで流されてもいいような橋が随所にかけられている。
そろそろ、仮設の橋ですよとkazuさんの案内通り、ゴウゴウと流れる沢にパイプの橋が見えてきた。なるほどこれがレポにもある橋ね。このあたり
からも北岳が見えるそうだけど生憎のガスである。稜線は晴れ撮ることに期待しよう!
橋を渡り上流に向かって左岸の道を進むが、こちらも小さな流れが横切っていたりと野趣たっぷりなルートだ。花も多くヒロハコンロンソウ、タチカメバソウ、
何とかハコベ、マイズルソウ、ツマトリソウなど尾瀬でも馴染みのある野草が咲いていた。
そんなところに下ってくる高校生の団体!! ちょっと避けてると先に行ってくださいと道を譲られる
が、辛い道を譲られてもね〜 しかも、長い!!コンニチハコンニチハの連続攻撃に2人ともグッタリしてしまう・・・ フウフウいいながら
進むが、疲れてきたので広いところで休憩して、先に下ってもらうことにした・・・。
結局この団体100人以上であった・・・ 尾瀬でもそうだけどもう少し別けて行動させてほしいものだ。
やっといなくなったので、再び歩き出すが、kazuさんの様子がおかしい、ちょっとふくらはぎにピリピリきているみたいだ。
それでもゆっくりと進んでいくと、何年か前に大崩壊した斜面が見えてきた。あれのお蔭で一時大樺沢は通れなかった時期があったそうだ。
いくつかの小沢を渡り進んでいると、突然、後方のkazuさんの「あっ!」という声が! 振り向くとうずくまっていた・・・ 痙攣がきた
みたいだ・・・ かなり痛そう・・・ やはりふくらはぎのようである・・・
ふぅ〜 急に単独になって足取りは重い・・・
無事に下山できるだろうかと心配になりながらもゆっくりゆっくりと登ると、綺麗な声のコマドリが鳴いていた。けっこう近いところに
とまっていたので望遠レンズで撮影する。
ほどなくすると沢に飛び出て、むむ? もう一度パイプの橋を渡るようだ。再び右岸に入り沢沿いの道を進む・・・。このあたりから
ポツポツとキバナノコマノツメが咲き始めていた。
こちらの道も段差があるがどんどん進むと、ついに雪渓が見えてきた!! いよいよか〜 と暫くは夏道を進むが、雪渓の方が歩きやすそうなので
雪渓を進むことにした。前方の山は相変わらず先はガスで見えない・・・。 稜線は見えないけど両側にせり出す急峻な山肌が近くなってくるのは判る。
するとガスがサーと引いて薄れていく・・・ 雪渓のかなり奥の方も見えてきた! 点々と人が登っているのも見えている。さらに、ガスが
薄れると北岳の稜線が見えてるぅぅぅ! やはり稜線は晴れてるのか? 俄然やる気も出てくる!
再び歩きだし、二俣出会に到着〜 ふぅ〜 標識のあたりは雪も消えて岩も出ているので休憩には丁度いい。振りかえれば随分上がってきた
のがよくわかる。向こうの山並みは鳳凰三山のようだけど稜線は雲でよくわからない・・・。 久しぶりに10本アイゼンを装着!! とにかく今回のルートではこの大雪渓の上部とその先のはしごが一番の難所と思っているので気を抜かずに 行きたい!!
天気も回復傾向なのか青空の見えてる時間も増えると雪渓が眩しいが、サングラスはつけずに登った。しばらくは緩い斜面だけどジグザグに登った ほうが楽なので意識的にルートを決めて登ってゆく・・・ 雪質はほどよい感じで6本爪でも問題ない感じだった。ただ所々にはクラストした 堅い部分があるのでそういうところは滑るので避けるようにする。
暫く登っていると、ふいに動くものが!? 何と落石だ! 音もなくバウンドしながら転げてくる石ころはハンドボールくらいあるだろうか?
これでも直撃すれば大けがの元だ。 上の人が「落石〜!」と叫ぶので僕も下の人に向かって「落石〜!!」と声をかけた。
サーとガスが切れるとバットレスが目の前に聳える!!! スゲ〜!!
しかし先はまだ長い・・・ そして斜度もどんどん厳しくなってきて足取りも重い・・・ 少し脹脛も突っ張る気がする、ここで痙攣しては
まずいので安定のいいところで何度も休憩を繰り返す。そのたびに、単独の熟年登山者と抜きつぬかれつになっていた(^^;)
斜面は急だけと凍ってないので下まで滑落することはないように思えたけど、あの石たちにぶつかると大けがしそうである。
やがて八本歯のコルあたりが視認できるようになる! うーん、もう少しかな? と思ったけど、どうもまだ左の雪渓を登らないといけない
感じに見える・・・ しかも急斜面!! かなり疲れてきてるので勘弁してほしいけど行くしかない・・・とゆっくりゆっくりと登る・・・
もうこの上は雪はないと聞いているのでアイゼンを外してザックにしまった。そして休憩〜 しかし、いよいよ噂に聞くハシゴ地獄である。
いちおう雪渓は越えたよとkazuさんにメールをする。11時か・・・ペース的にはどうなのかよく判らないけどコルまで上がればお昼かな?
かなり傾斜のあるハシゴだし足置きの悪い丸太で疲れた足にはかなり辛い・・・ それでも、よいしょよいしょと登る。と、目の前にバットレス
が聳えて素晴らしい!! 圧巻だ!! 少しガスが巻いているのがまたいい感じ〜! さっきのオヤジは姿も見えず、一気に登ってしまったみたいだ、スゲェ〜!
そしてkazuさん、今夜は芦安に泊まるとのことで明日下山するのを待ってくれるとのことである、いやいや何だか申し訳ない気持ちでいっぱい であった・・・。ありがとうございますぅ〜
酸欠にならないように深呼吸をしながら登ると標識が見える! おお〜あれがコルだな!! と、ひたすら登ってゆく・・・
足元の岩場にはクモマナズナやミヤマキンバイなど高山植物が咲いていた。いよいよ稜線の花々が楽しめそうだなぁ〜ここを上がればキタダケソウが
待っているのだ!! ちょっと興奮しそうになるが、ちょうどお昼時間なのでここで昼食である。幸い風もなくときおり日差しもあり穏やかだ。
ここで標高は2880m、それなりに空気も薄くなるが一番の難所を越えたという安堵感からか昼食もバクバクと食べてしまいもう少し欲しいくらい
な食欲だった(^^;) 崖下には白い花が沢山咲いている、まさかキタダケソウ? でも望遠レンズで見てみるとハクサンイチゲだった。残念・・・
すると、すごい音が響き渡る! パンッ! ガラガラガラ・・・ そして人の声が? もしかして誰か落ちたのかと思いヒヤリとしたが、どうやら
大きい岩が割れて崩れた音だったようだ。大樺沢の方へ落ちたようである。恐ろしいかぁぁぁ・・・
尾根なので両側切り立ってはいるものの足場はハシゴ以外もしっかりしているので不安要素は無い。ただただ登る辛さだけだ(^^;) 辛いけど 高山植物がそこらじゅうに咲いているので気が紛れて良い。咲いたばかりのツガザクラが可愛い。キバナシャクナゲもどんどん増える感じである。 夏のならシロバナタカネビランジも咲くのだろうな〜そのころにも来てみたいものだ。
ハシゴはそれほど続かずすぐに岩屑地帯に入る。登山道がはっきりしないけど赤や黄色のペンキ印があるのでそれを頼りに進む。相変わらず 山頂の方はガスで見え隠れしてるし展望もイマイチだ。もう富士山とかも見えても可笑しくないのだけどその方面は雲だらけ・・・
が、気持ちを落ち着かせるため? 一息入れる(^^;) すると山頂から数人の方々が下ってきた。話せばみなさんキタダケソウを初めて見にきた
そうである。1人は単独、のこり2人は熟年の方と若い方で親子だそうだ。
一服していよいよトラバースへ入る・・・ 暫くはハクサンイチゲなどが目についていたが、すぐに白い花を見つけた! キタダケソウだっ(^-^)/
ついに憧れのキタダケソウを目の前にしている!! うーん、これがそうなのか〜と予習はばっちりなのですぐに判った。すぐ横にハクサンイチゲも
咲いるけどまったく葉が違うので間違うことはない・・・でもさきほどの人たちは、半信半疑で見ていたので、判別の仕方をレクチャーして
しまいました。わたしも初めて見るのですけど、なのにレクチャーするってどういうこと??(^^;)
思わぬサプライズで気を良くしてさらに進むが、ほとんとにキタダケソウだらけって感じ、これだけあると有難味が薄れる・・・それでも
新鮮そうなのをみつけては撮影しまくり〜 ときおりガスがきれて青空も見える。ただ、最後まで間ノ岳など山々を背景に撮りたれなかったのが
残念である。また来年来いってことかな??
7月の中旬になればもっと咲きそろい素晴らしいことだろうな〜 キタダケキンポウゲ、キタダケトリカブトなど固有種も
多いので是非その季節にも来てみたいと思った。
さきほどの3名は先の方へ行ってしまったようだ。まだ13時なので急ぐ必要もないしゆっくりと撮影をしながらトラバースを進む。kazuさんが
言ってた大岩のあたりだろうか定かではないけど、そのあたりにくると間ノ岳が見えそうになってきたのでしばらく待機するが結局駄目であった。
明日の午前中は天気はいい予報のはずなのでもう一度トラバース経由で山頂でもいいかもね。と思案する・・・。
雪渓を楽々通過してどんどんと進む、結局トラバースは予想より道もしっかりしてるので安心であった。 しかし、時折見えていた青空も次第に見えなくなり再びガスが山頂付近を覆う。それでも、前方遥かに北岳山荘の屋根がチラチラと見えていた。 もう少しかな?
岩岩の道に出ると稜線下と稜線上に別れているがどちらを行っても山荘には付ける、ちょっと迷って稜線上ルートに決定。
雪に足をとられながらも下り、山荘に到着。ふぅ〜 尾瀬の小屋とは違い入口はあまり開放的ではないのぉ・・・ 風対策かちょっと重たい
扉をあけると玄関ロビーだった。廊下には雑然と荷物やポリ容器が並んでいた。いかにも小屋明け直後って感じだ、
受付の兄ちゃんの対応はなかなか良く、受付もテキパキとしてくれた。ガラガラに空いてるかと思ったけど、何と数十名の団体が入ってるとの
ことで食事は朝夕とも2回目になってしまった。あてがわれた部屋もほぼ満員のようだ。むーん・・・。宿代は8700円とやはり増税されている。
寝る布団はすでに決まっていて番号で別れているので好きな場所というわけにはいかないが仕方なかろう。すでに受付している人もいるはず だけど散歩にでもいったのだろうか? ふと時計を見るとまだ14時半だった・・・ちょっと早く着き過ぎたかな?
荷物を置き、しばし皆さんと談笑する。親子は北岳2回目だそうだ。後で判ったけどこの親子のお父さんは76歳だそうである。わたしもその年齢で
アルプスに登れる体力を維持したいものだ。 単独の方もこの時期は初めてでキタダケソウがあんなに咲いてるとはとびっくりしていた。
今年は雪が多く雪解けも遅れたので一斉に咲いたのであれだけの群生を見ることが出来たのだろうと、とてもタイミングよくこれたのだと
実感した。それなのにkazuさんが敗退になるとは・・・ おおそうだ、着いたことをメールしなくてはとスマホを見ると部屋でも電波が届いている
ようだ!でもなかなか送受信してくれない・・・外じゃなきゃダメかな?
すると耳寄りな情報を親子から聞く、来る途中でライチョウを見たというではないか! え? 稜線にはいなかったな〜とよくよく聞くと下の
道ということだ。あわわ、そっか〜下の道か・・・ 写真を見せてもらうが岩の上に乗っているまだ羽が生え変わり途中のオスのライチョウだ!
ひとまず、電波の良いところでkazuさんと相方にメールを入れた。
下の道はテント場と繋がっているのでテント場を視察がてら進む。テント場は階段状になってるようで一番端なら居ながらにして星空や富士山
を見ることが出来そうである! ここまで一式運び上げられるかどうか未知数だけど夏の小屋は大混雑なのでテントで来ないとですな。
小雨がぱらつく中を進むがいきなり雪渓の上を歩く・・・ そうして進むと普通の道になりホッとした。はてさてどこらへんにライチョウが
いたのだろう? 詳細に聞いて来ればよかったな〜と思いつつ視界の悪い中をキョロキョロするがなかなか見つからない。もうどこかに
移動したのだろうか? たまにちょろちょろしてるのはイワヒバリだ。
ときおり雨も強まるので引き返そうかと思いつつもフラフラと進んでゆく・・・ すると、ひらけた場所に網で囲われたところが、そこには
ハクサンイチゲやなんとキタダケソウも咲いていた。自生なのか移植なのか? あとで判ったがここのも自生だそうで、以前に保護のための
ネットをすると言ってたのはここだったようだ。
ライチョウの方もはた迷惑なのか、少しずつ遠ざかるように移動していた。そこへ、単独男性が通りかかる、ライチョウですよ〜と二人で 撮影してると、さすがに嫌気がさしたのか、いきなりグゲッと鳴いて飛んで行った! おお〜ライチョウの飛ぶ姿を見れるとはラッキー! でも 撮影は出来なかった・・。
ライチョウもいなくなったので来た道を急ぎ足で引き返す・・・
小屋に到着するがまだ16時・・・夕飯は18時45分が2回目なのである。もうすこし散歩するかと、稜線に出て中白根方面へとぼとぼと
歩いてみた。
振り向けば伊那側も雲が切れて南アルプスの貴婦人と言われる仙丈ケ岳も山頂は隠れてるけど見えていた。
しかし再びガスが優勢になり少し風も出てきて寒くなってきたのでひとまず小屋に戻ることにした・・・ ちょっと薄着過ぎたようだ・・・寒〜
増えたのは若者2人組と単独男性、これで7名でほぼいっぱいである。 皆さん布団敷いてたので僕も敷いてちょっと横になる。2人の若者も平日休暇をとりやってきたそうだ。 ちょっと頭痛がする高山病か? でもゾクゾクするし風邪か? どちらか判らないのでとりあえずノーシンを飲んだ。解熱効果も高く山では 風邪薬より便利である。
そういえば、その筋では有名な野草ハンターのfu-coさんも北岳に来ているとブログに書いてあった、どこに泊まっているのだろう? 以前奥多摩でチラっと見かけただけで顔を覚えてない(^^;)
やがて1回目の食事の時間がきたようで館内放送がされていた。あ〜2回目はまだまだだ・・・お腹がグーとかなってる。
談笑したりして時間をつぶしてるとやっと2回目の時間がやってきたのでみなさんで移動〜すると声をかけてくる方が! 何とfu-coさん
だった! 山荘でしたのね、しかもとなりの部屋だという。しかも女性2人だけだそうだけど一緒に来た人とは違うそうで、相方はテント泊
だそうである。モーリさんという女性でこんど海外遠征するので足慣らしだそうだ。スゲ〜 まったく年齢はずっと上なのにこの時代の方々の
パワフルさには脱帽である・・・。
kazuさんのレポにはかならずサバの味噌煮が映っていたけど今回はカレイの煮つけだった。仕入れが変わったのかな? 尾瀬ほどではないけど けっこうおかずも多くて美味しかった。味噌汁もなかなかいいお出しでした。しかしこんな山小屋で何故煮魚オンリーなのか不明だ(^^;) 食事のときにはスタッフからお知らせをするのが恒例のようで、天候の事などの情報が聞けた。明日は午前中は曇りで午後は雨で雷の可能性も あるとのことで早めに行動、下山を薦めていた。いちおう事前の予報どおりかな? 朝方は晴れて日の出が見られることを期待したい。出来たら 星空も・・・。
小屋には専用の談話室は無くて食堂が兼用になっているようだ。でも殆どの人は集まることもないようで部屋に寛ぐ感じ。でも知らない人どおしの 相部屋だと食事後はすぐに寝ちゃう場合が多くなるが、農鳥岳部屋もすでに皆さん寝る体制になっていた・・・まだ19時半・・・流石に寝るには 早すぎるんだけど、ただし、ここは20時消灯になっているのでまあ仕方ないか・・・
時間まで外で下界とメールしたりしてから部屋に戻り、星空が出てくれることを期待して就寝となった・・・
といっても、なかなか寝付けない(^^;) 夕方より眠気は消えていたので余計だ・・・ しかも隣人たちはあっという間に寝てしまいイビキが
うるさい・・・ 最悪なことに今回は耳栓を忘れてきてしまった・・・むーん、このままでは寝不足に・・・
それでも何とか寝ようと努力するものの顔が間近まで寄ってきて溜まりかねて起きる!! 時間はまだ21時半だった・・・
しかしこのままでは寝れないので、部屋には中二階があり誰もいないはずだ、布団もあったので、よし!そこで寝ちゃおうということで静かに
移動する。案の定布団はいっぱい! 混雑時はここも使うのだろう。
てなことで、やっと落ち着いて就寝となった・・・
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■6月28日(土)(曇りの時々雨)
※早朝撮影は雨天のため無し。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
はっと目覚めると0時過ぎ。短い時間だけど熟睡できたみたい。 外が気になるので、1階へ降りて外を見るが、あややまだガスガス、しかも小雨が降っていたので星は駄目である。しかたない・・・。
次に起きたのは2時半、やはり星は駄目であった・・・ あとは日の出狙いだけど厳しい感じだ・・・
ウダウダしていたけど早出の客もゴソゴソ動き始めたようで寝られない。日の出は4時半くらいだから、急に晴れ上がることを期待してカメラを持ち 雨具を着込んで稜線まで移動してみた。
ザザザ〜 東からの風が強い! ときおり小雨もまじり待機するのも大変だ。ガスが切れる気配もないが次第に明るくなり日の出の時間もとおに過ぎて
しまった・・・駄目だこりゃ・・・ と諦めて小屋に戻る・・・。
ロビーにはfu-coさんも出てきていた。朝の食事も2回目で遅いってことで食べずに出発するとのことだ、そこへ相方のモーリさんもやって来た。
長身で山屋って感じであった。
部屋に戻り寛ぐ、朝食も2回目なので親子らと談笑しつつ時間をつぶした。
朝食のニューはいたってシンプル。ただkazuさんのレポにもあったサバの塩焼きはしっかりとあった。 この時もスタッフからの話があり、昨日の予報とはうってかわって一日中雨模様だと言われた・・・ ただ明日は晴れるとのこと。うーん、 もう1泊すれば青空とキタダケソウも撮れそうだけど・・・ 今日一日停滞するのも疲れるしさらに混雑するのでやっぱり下山だな・・・。
朝食後、受付にカメラバックが届いてないか聞くが届いてないそうだ。まあ稜線の小屋に落し物を届ける人はいないだろうし、大きなカメラ
でもないので拾った人はお持ち帰りしちゃうだろうからちょっと厳しいかもしれないけど、いちおう各小屋には聞いて回りたい。
雨の中を歩くことになるので完全雨装備に変更〜 カメラレンズも防滴仕様を持ってきておいたので正解だった。それにしても3000mの 山で風雨の中を歩く羽目になるとは・・・ 無事に下山したいものだ・・・
ほとんど出立して小屋は閑散としている。お世話になりました〜と小屋主さんらしい人に挨拶をして小屋を出た。
雪渓を抜け進むと例の保護ネットのところ、もしかしたらライチョウがいるかも?? とガスの中を凝視しながら歩くと・・・おお!居ました! 昨日と同じようなところだけど、登山道にかなり近いところにおります!! しかもいい具合にガスが晴れてスッキリと見えてる! 近いので 望遠レンズにしなくても撮れるのがありがたい! 驚かさないように近づいて撮影する。高山植物も咲いてるのでいい感じだ。 警戒心は薄いけどやはり近づくとゆっくりと移動してしまう。それでもバッと逃げることはない。後から来た人にライチョウいますよ〜と 教える。逃げないのでもっと撮っていたいけど先も急ぐので、またね〜(^-^)/とその場を後にした・・・。
歩きにくい岩屑の道を進むとトラバース道と稜線への分岐点に到着。ここから昨日と同じトラバース道へ進む。まだ時間も早く八本歯から
来る人もいなてので貸切状態だ。風は意外と弱くて幸い霧雨のような感じになっていた。そして薄日が! もしかしたら山頂に行くと雲海に
なって晴れてる? 期待しちゃおう(^-^)/
一晩降り続いた雨で花はみんなしっとりと濡れて花弁などもくっついているので撮影にはイマイチだ。キタダケソウも例外ではない。濡れて
少し半透明な感じのもある。そんな中に今にも落ちそうな雫のある花びらがあっていい感じだ。マクロレンズに変えたいけどまだ雨降りなので
仕方ない今のレンズでとりあえず撮影した。
まずは吊り尾根分岐に向かって登る。標高は3000mを越えてるし当たり前だけど登るたびに標高は上がる、高山病にならない
ように意識的に深呼吸したりしながら登った。
このルートにもキタダケソウは多く咲いていてちょっとびっくりだ、トラバースが一番多いと思っていたのでここにこれだけの群生があるとは
想像してなかった。しかもけっこう新鮮なものが多く頭花が緑色である。
撮影しながら登っていると熟年夫婦が下ってきた。トラバースのキタダケソウを肩の小屋から見に来たそうだ。やはりトラバースのが有名らしい。
そのあとに来た単独男性も同じだった。
相変わらず山頂はガスで見えない、というか周りはガスガスで展望なし・・・ うーん、少しでも見えてくれるといいのだけど・・・
高度に体も多少は慣れているせいか比較的足取りは軽かった。中二階で熟睡出来たのも功を奏したようだ。
山頂への道はさすがに岩岩でストックは無い方が登りやすい。時折吹き付ける風もそんなに冷たくなく暖かな感じだ。
どのくらい進んだだろうか? 平らなところに出たかと思うと標識が見えた! ついに北岳山頂に到着である!やったね(^-^)/ でも展望は
無し・・・(+o+) ときおり薄日が見えるけどガスが晴れる気配がない。。。それでも、15分ほど待機してみたが、駄目であった・・・うーん、ここで展望が ないのはやはり寂しい限りだ・・・ そういえば初赤岳もガスガスで何も見えなかったな〜 山頂からメールしようかと思ったがうまく送受信できない ので諦めた・・・このあたりの電波はどこからきてるのだろう? 広河原は圏外なので奈良田あたりからの電波か?
さてそろそろ下山かなと思ったら、肩の小屋側から登ってきたオヤジにシャッター押してくださいと頼まれたのでパシャっと撮影。暫くすると
オヤジも肩の小屋へ下って行ったので、オイラも行きますか〜と下山開始。
もしかしたら晴れるかもと何度もふりかえりながら下ってゆく。足場がしっかりしているところもあれば、急な岩場もある。ただガスで見えないので
高度感がまるでない・・・。せっかくの3200mの高度感を味わえないのはいささかつまらない・・・これも次回への宿題か・・・
ときおり伊奈側の山がうっすらと見えてるが仙丈ケ岳は見えなかった。 しばらく下った両俣小屋分岐のところでさきほどのオヤジが地図を見て何やら思案中。なんだろうと近づくと、北岳山荘はどちらでしょう? はい〜?? てっきり肩の小屋から山頂ハントして引き返してるのだと思っていのでこの質問には驚いた。「まったく反対側ですよ」と教えるとビックリしていた。 オヤジはトボトボとまたまた山頂へむけて戻っていった。山荘に泊まるならまあいい運動ですが・・・どうなんでしょ(^^;) このガスガスではちょっとした勘違いが道迷いに繋がるのでほんとに要注意だ。
さすがに人の声がこだましてちょっと賑やかだ。どんどんと下って行って、肩の小屋に到着〜。 なるほど写真と同じだ(^^;) 外トイレは 解体工事中で新しくなるみたいだ。工事関係者用の詰所だろうかかまぼこ型のテントが張られていた。 テント場には一つもテントは無かった。風も強いので早々に撤収か?
とりあえず、カメラバックの事を聞きに中に入る。ここも薄暗い小屋だ・・・ スタッフ?に聞くけどやはりここにも届いてなかった。もし
あるとすれば下の広河原山荘かインフォメーションセンターだろうと教えてもらった。とりあえず、白根御池にも寄ってみるか・・・
ちょっとお腹も空いてきたのでおやつを食べ水分を補給するが、風が強くてゆっくりしていられないので、食べたら早々に出発である。
ここからは小太郎尾根を歩いて草すべりの方へ下るルートだ。それなりに急峻な岩場を下る、ここは登るときはちょっと大変そう!? でも岩の上を
歩くのではなく、細い道がクネクネとあるのでクライマー技術は不要だ。
こちら側は風もなく快適・・・ ズンズンと歩いてゆくと雪渓が見えてきた。ハイマツのところに標識がありここが小太郎尾根分岐のようだ。 あとはここを一気に下るだけか! と雪の上をどんどん歩くとあれれ、なんか違うなぁ〜と振り返ると尾根とは直角に下るトレースがあった! おお〜 間違えるとこだった・・・(^^;) もうちょっと印を置いてほしいものだ。
トレース沿いに進むと草すべり上部の草原やダケカンバの斜面になった。なるほどこういうところか!
結局、右俣ルートに決定して下り始めた・・・ けっこう段差のあるルートで下るにしたがって傾斜も強くなる。うーん、ここは登りには
使いたくないな〜 でも花はけっこう多くて、シナノキンバイ、ミヤマキンポウゲ、マイズルソウ、サンカヨウ。そしてキバナノコマノツメは
かなりの群生になっていた。コマノツメの果実に毛があるのはアカイシキバナノコマノツメと区別しているので果実がないかと下りながらこまめに
探すが見つからない・・・もう少し遅く来ないと駄目みたいだ。夏に来られれば確認したいな。
ズンズンとくだる、背丈の低いダケカンバ帯、ところどころ剥げたような斜面はシカによる食害の跡のようだ。ここまで綺麗に食べられて
しまうと植生も無茶苦茶になる。
どこからか子供の鳴き声が聞こえたりする?でもこれはサルの鳴き声のようだ、このあたりも群れがいるときいてるのでたぶんそれだろう。サルも
植物を食い荒らすのでシカ同様対策が急務になっている。
ふいに白いものが見えて、右俣の雪渓に飛び出た!! おお〜 ここまできましたか〜 この雪渓を下ると昨日登った左俣、そして二俣出会で ある。 ここにきて、賑やかに登ってくる若者と熟年のグループが登ってきた。やっと沢山の登山客に会えた感じだ。天気悪いので出足が遅いのかもな〜。
しばらく下ると雪渓の上を下るようになった。アイゼン付けるのは面倒なのでそのままザクザクと踵でくだってゆくと、カンカンと何かを作る
人たちが? どうやら二俣で仮設トイレを作っている人たちのようだ。
11時過ぎに二俣に到着! ふぅ〜 ここまで来ましたか〜 すっかりお腹も空いたので、サプリメントフードを頂く。
先に来て座っていた人に途中にバック落ちてませんでしたかと聞くが見当たらなかったという。下から来た人にも尋ねるが判らなかったという。
さてどうするか、天気のせいか電波は圏外・・・ このまま下るとシャリバテしそうなので、やはり白根御池に行って食事がてらバックのことを
聞こうということで、地図では30分の横道を歩き始めた…
雨はやや本降りで被ってる帽子もグッショリだ、流石に防滴レンズも少し結露して曇ってしまい撮影しても白っぽくなってしまうのであまり撮る気が
しないので先を急いだ・・・。
雨はさらに強まり完全に本降り! 真新しい小屋の軒下には沢山の登山者が雨宿りしていた。韓国人のグループもいて超絶煩く自炊している。
とにかくお腹が減ったので名物だという「御池カレー」を頂くことにした。尾瀬沼ヒュッテ並に綺麗な館内に入り食堂でカレーを頂く。 お腹も空いてたのでバクツク!まいう〜(^-^) 何とお味噌汁もついていてこれで800円はお得だ! さらに、開山祭ということで甘酒がサービス された。いや〜この甘さは癒されますな〜 たた正直なところカレーは尾瀬の原の小屋カレーが良いかな(^^;) それにしても、外はザンザンと雨が降り、このままここに泊まってしまいたいくらいな感じだ(^^;) でも、帰らねば・・・
宿泊していた団体が樹林帯コースで下山するようだ。おばちゃんばかりでとても元気・・・
さーて、一気に下りましょう〜 下まで長いけどアイゼンはいらないでしょう〜とザクザクと下りだす・・・。
何人かの人が登ってくるけど、この時間だと白根御池泊かな? あそこにテントを張って1泊、山頂付近ピストンで下山するのもひとつの手だな。
でも御池のテント場は荷揚げが楽なので夏場は激混みになるのが難点だ。でも夜行バスが使えずJRとバスで来る場合は有効だろう。
再びガシガシと下り、もうひとつの仮設橋を渡る。タカネグンナイフウロが咲いてるけどすっかり雨で垂れていて写真にならないので通過・・・。
そこを過ぎるとまたまたズンズン、ガシガシと下ってゆく・・・
再び歩き出して、ゆるゆると下る・・・
そのまま、中に入り受付に聞く・・・ 届いてなかった・・・ うーん、あとはインフォメーションセンターだけである。
吊り橋を渡りほどなくしてスタート地点のバス停があるところに到着した。時間は14時15分。なかなかいいペースかな? 20分のバスが
停まってるけど出来たら荷物が大きいのでタクシーで帰りたい。
受付に行って恐る恐る聞く・・・・ 来てるよ〜! ええええ!! やった〜!
スタッフ曰く、こんな高価な物どうしようかと思いましたよ〜(^^;) そして、27日に拾った人が肩の小屋泊まりでもしかしたら泊まってるかと思って荷揚げしたけど全員に 聞くわけにもいかず、小屋に置いておくよりココに持ち込んだ方が落とした人も取に来やすいだろうと いうことで再び持って下山してくれたそうだ。 いや〜日本人てほんとにいいな〜と思った。こうして高価な物も帰ってくることがあるのですから。 届けてくれた人には本人に代わって感謝感激でございます。ありがとうございました。m(-_-)m ちなみにカメラの総額は20万くらいだったそうだ! ひえ〜〜\(◎o◎)/!
受付にお礼を行って外に出た。
後で気づいたのだけど、この日は午前中に開山祭があり裳もお蕎麦が振る舞われたそうだ! 知ってればダッシュで・・・
無理ですね、そんなトレランの方みたいに降りれません・・・(^^;)
ここは自販機くらいしかない。お腹も空いたので持参のお菓子を少し食べながら時間をつぶす・・・ しかし待てど
暮らせどなかなか下山者は来ない・・・ 早い人は既に帰ってしまったようだ。むーん・・・
そしてやっと8人集まったが結局15時半まで待ってから出発となった。ケチ!
芦安に着いて、待っていたkazuさんにカメラ見つかったよ〜と見せると満面の笑みを浮かべていた。 その後、温泉で汗を流して帰路についたのでした〜
こうして、初めての北岳と憧れだったキタダケソウを見ることが出来て、怪我もなく無事に下山。同行のkazuさんの脱落という
アクシデントもあったものの、何とか目的は達成できたし、ライチョウやオコジョのサプライズもあったので思い出深い初北岳となりました。 おしまい・・・ |