■4月4日(日)(快晴)
東京駅==燕三条駅==吉田駅==巻駅(9:28)==(タクシー3270円)==角田岬駐車場(9:45頃)
桜尾根登山口・・・・・・・灯台コース分岐・・・角田山山頂(12:43頃着/昼食/13:30頃発)・・・・・
展望台(14:20頃)・・・(途中鞍部で待機)・・・角田岬灯台(15:35頃)・・・角田岬駐車場(15:45頃着)
==(タクシー)===巻駅===新潟駅====東京(20:00頃)
新潟県の角田山は花の名山として人気で5年ほど前に一度訪れて以来行く機会がなかったけど、尾瀬仲間が毎年こぞって出かけて
いるのを見ていたので何とか行ってみようと計画していたが、タイミング良く尾瀬仲間のJUNさんから角田山ツアーのお誘いがあり迷わず
参加決定であった。
当日はすこぶる天気の良い快晴。前日は暴風雨だったというのが嘘のようである。
早朝の新幹線で出発、燕三条駅で後続の仲間を待って合流。ここから弥彦線、越後線と乗り継いで最寄り駅の「巻駅」に向かう。
完璧なローカル線で懐かしい扇風機付きの車両であった。弥彦線はこれまた花の名山の弥彦山に行くことの出来る線でいづれはこちら
にも行ってみたいものだ。 途中、吉田駅で乗り換えて越後平野を進むと弥彦山とそこから連なる角田山も見えてきてテンションも上がる?
巻駅に9時28分に到着。タクシーに乗り換えて今回の登山口である角田岬に移動。小型タクシーで3270円であった。
登山口はこれでもかというくらい車が駐まっていてバスも何台かきていてびっくりだ。こんなに入山しているのかっ!! 登山道の混雑の状況が
容易に想像できる・・・。 前日に来ている尾瀬仲間のkazuさんも参加の予定だが到着が後れるので先に出発して欲しいとの連絡があり
準備をしてから歩き出す。 目の前にはそそりたつ灯台コースの尾根が見えている。けっこう険しいルートだけど今回は下山ルートに
使い登りは花の多い桜尾根ルートである。
登山口のあるところまで上ると背後には角田浜が延々と伸び、青々とした日本海、そしてうっすらと佐渡ケ島も見えていてとても気持ちが
よい。海風もソヨソヨと吹いていて天気も上々の登山日よりだ。
登山口に入ろうとするとバスが一台やってきた! おいおい、この人達全員ここから上るのか? なんたるバッドタイミング・・・しかも
登山口前に横付けとは・・・
バスの一行が支度をしている間にさっさと登り出す! 最初は海岸の砂が堆積した登山道だがしだいに土の道に変わると花がポツポツ
と咲いていた。この道は5年前に下ったが上るのは初めてで結構な急勾配でのっけから汗が出てくる・・・。
しばし新芽もない樹林の道を登るとついにオオミスミソウが姿を現した! 白いのや紫色のが点々と咲いている、さらに登るとそこら中に
咲いていて感激! オオミスミソウの時期は例年だと終盤だけど今年は低温が続いた影響でまだまだ綺麗なのが咲いていた。白と紫が
圧倒的に多いけど薄いのやら濃いのやら、たまにピンク色のも咲いていて可愛い!! 皆さん撮影で歩みが遅くなってしまい、そのうち
あのバスの一行が追いついてきた!! かなりの団体のようでこんなのに追われると忙しいので先に行ってもらうことにした。
荒らしのような一行が去るとほっと一息で、ゆっくり撮影できる。でも、日帰りなのであまり時間もないので適当に撮影しては
歩くという繰り返しだ。 標高も半分くらいまできて一旦なだらかな尾根道になる。このあたりからカタクリも咲き出してオオミスミソウの
競演も見ることが出来た。本来ならカタクリの方が多い時期だけど遅れているようでまだつぼみも多かった。
30分くらい遅れるというkazu夫妻はもう着いて登ってきている筈だけどなかなか追いついこなかった。撮影かな? これだけ咲いてると
撮りたくなるものね。
カタクリやオオミスミソウ以外には、ショウジョウバカマ、キクバオウレン、スミレサイシン、ミチノクエンゴサク、ナガハシスミレ、エゾアオイスミレ
シュンランなどなど、春の花を見ることが出来た。白いカタクリもあるとは聞くがなかなか見つからない。。。
再び急な尾根道を登るとこのあたりはカタクリロードであった。前日の雨でちょっとヌタっているので足下には気をつかうが予想よりは
乾いていたので助かった。こんな斜面でヌルヌルだと大変である。
カタクリはあまり撮る気がしないので適当に撮りながら急登を進む。 時間も12時近くで下ってくる登山者も多い。
再び緩い尾根道に出て杉林を進む、このあたりもほんとはカタクリロードだけどまだつぼみだらけで1週間後が見頃だろう? でも日当たりの良い
斜面には一面にカタクリが咲いていて流石に角田山らしい光景であった。
三度、急な斜面に取りつきあえぎながらも花を見る目はフル稼働して登ってゆくと、道も緩くなり明るい尾根道だ。しばし進むと
灯台コースや五ケ峠コースの合流地点に到着。ここから山頂はもう間近である! しかし木道はドロドロ、その脇もドロドロでここに
きて一気に靴が汚れてしまった・・・。
滑らないように慎重に進むと広い角田山山頂に到着である。 お疲れ様〜 開山祭の影響もあり山頂は大勢の登山者がシートを広げて
休憩中だった。前回来たときは閑散としていたのを考えるとこの5年でさらに知名度が上昇したみたいだ。
われわれも山頂に近いところにシートを広げて後続のkazu夫妻を待つがなかなか現れない、携帯メールを確認すると何とメールが
入っていて、足が痛くなったので下山しましたの連絡であった!! ありゃりゃ・・・ せっかく会えると思ったのでちょっと
残念だけどシーズン始めに無理してはいけないので仕方ないかな・・・。
そんなわけで、5人だけで少しのビールで乾杯して昼食である。
それにしても青空はずーと続いていて心地よい春の日差しだ。 おにぎりや持ち寄ったお菓子や駅で買ってきチマキなどを食べながら
談笑〜
そうこうしているうちにツアー客も下山に動き出した。団体ツアーが移動すると急に静かになった感じだ(^^;)
さて、我々も下りますか〜 とシートをたたんで出発である。
しばし来た道を戻り分岐から灯台コースを進む。途中広場を抜けて五か峠ルート分岐を過ぎると急激な下り道だ!!
階段状になっているけど段差が大きくてガクンガクンと下るのでなかなか疲れる。 しかもドロドロ・・・。
膝に悪い階段をひたすら慎重に下ると一気に標高も下がる。すると何もなかった上部とは違いカタクリの花も咲き出していた。このあたりからは
カタクリロードになるのだ。ただこちらのルートはオオミスミソウは少ないのが寂しい。まあ、散々撮影したのでいいのだけどね・・・。
でもやはりここもカタクリはそれほどの群落にはなってなくて遅くなっているようだ。
ゆるい尾根道を花を探しながら進む。前に来たときはギフチョウも見られたけど今回は1匹も見ることがなかった、まだちょっと時期が
早いのだろうか?
足下には目立たないコシノカンアオイも地味に咲いている。コシノコバイモもあるそうだけど見つからない・・・後で調べたら五か峠ルート
で見ることが出来るそうだ。
するとけたたましくサイレンの音が聞こえてきて山の麓にやってきているようだ。なにか怪我人でも出たのだろうか?
何度か急下降を繰り返してゆくと眼下に急峻な尾根と白い灯台、そして日本海、佐渡島が見渡せる展望ポイントに到着。素晴らしい
景色である!! 尾根道には沢山の人が歩いているのが見える、さっきの団体だろうか?
展望ポイントで記念撮影をして急峻な尾根道を下る!!
かなりの急勾配なのでちょっと緊張してしまうが、ストックは使わずにガンガンと下る。他の皆さんはストック利用である。本当は
使うのが安全なんだけどね・・・。
この灯台コースは素晴らしい展望を見ながらの上り下りなので爽快なのだけど傾斜がきついので大変である。
後ろからくる登山者もいるし立ち止まって撮影するのもままならないのでひたすら下る感じだ。
土の道からちょっと岩場の道になるころ再びサイレンの音がしてきた! やっぱりなにかあったようだ・・・。
ややゴツゴツした道を慎重に下ってゆくと、菊地さんがちょっと痙攣したようである。 少し休みつつ歩いてゆくと急に前方で登山者達が
立ち止まっていた。 話によるとこの先で怪我人がいて救急隊が治療中とのこと骨が折れて自力下山が出来ないのでヘリがくるから待機してくれとの
ことである。やはりさっきのサイレンはこのことだったのだ!!
後ろからは続々と団体が連なってきて狭くて危険な尾根の上に待機せざるえない状況はかなり危険である。場合によっては違う怪我人も
でかねない・・・。でも、菊地さんの痙攣はこの通行止めのおかけで休憩出来たのですっかり治ったそうだ。
なかなかヘリはやってこなかったが、15分くらいしてようやくやってきた。尾根の窪んだところで発煙筒が炊かれて合図をおくる
レスキュー隊員。 爆音を轟かせて迫るヘリが一気に緊張感が漂う。 近づいたヘリから隊員が2名スルスルと降りると再びヘリは上昇して
旋回しながら待機。 怪我人を特殊な担架に乗せてつり上げるようだ。 その様子を見たいが余り後続が詰めてくるのでちょっと危険だ!!
やがて、再び合図が送られるとヘリが近づいてきた。 ロープを下げると担架にセットし隊員が抱えて吊り上げられる! 隊員は担架が
回転しないようにする役目をしているのだ。テレビなどで山岳救助の様子を見ることがあるけどその様子が目の前で起きているのが
凄いと思った。 それにしても下は断崖絶壁、もしロープが切れれば・・・などと不吉なことも想像したけど無事にヘリに収容された。最後に
残った隊員がヘリに吊り上げられて爆音とともにヘリは去っていった。
やっと動き出して尾根道を進む。登山道脇には下から登ってきたレスキューや警察の方々がいて気をつけて下ってくださいと声をかけて
いた。替わりに、登山者はご苦労様でしたと労いの言葉をかけていた。なかなか微笑ましい光景である。 すると怪我人の同行者と思われる
グループがいた。他の登山者が話をしていたのを聞くと怪我した人は足の靱帯を切ったようなことを言ってたが後日新聞発表では68歳女性、
左大腿骨折だったそうだ。さぞ痛かったことだろう・・・
窪地から一登りすると再び灯台が見えてくる。尾根道にはヤブツバキが沢山咲いていた。でも後続がどんどんと来るので撮影出来ず
である。再び急な尾根道をどんどんと下る・・・ このあたりにはキバナイカリソウが多いのだけどまだ咲いていないようだ。
海や灯台がどんどん近づいてきて、最後の下りを過ぎると角田岬灯台に到着である。ふぅ〜ここまでくれば怖い斜面も終わりだ。振り返れば
下ってきた急峻な尾根道が見え、続々と登山者が下ってきていた。
灯台の展望台に移動。全員無事に下って来られた。お疲れ様〜!! 海風がとても心地よい。すっかり陽も傾いて夕方間近だ。通行止めの
ハプニングで30分以上遅れてしまいシャトルバスには間に合わなかった。
灯台からちょっと急な階段をしばし下ると駐車場に到着である。まだ消防車や救急車が待機して隊員が無線で連絡を取り合っていた。これだけ
人が連なるとまた事故になりかねないので待機しているのだろう。
ずっと我慢していたトイレを済ませて心から一安心である(^^;)
朝は満杯だった駐車場もすっかり少なくなっていた。kazuさんたちはもう高速で帰宅中との連絡であった。
携帯でタクシーを呼びしばし飲み物などを飲んで休憩だ。 すると、レスキューに抱えらてやってくる登山者1名。新たな怪我人かな? その人は
団体ツアーのバスに乗ったようだ。
15分ほどしてやってきたタクシー2台に分乗して一路巻駅へ・・・。
巻駅から越後線で新潟へ移動し、新幹線に乗りこんだ。 車窓からは角田山や弥彦山がシルエットになって見えていた。次第に落ちてゆく
夕陽を見ながら帰路に着いたのであります。
5年ぶりの角田山。素晴らしい天気の下、オオミスミソウやカタクリをいっぱい堪能できて良かったです。そして楽しい尾瀬仲間さんと
歩けたことも良い想い出になりました。 来年は弥彦あたりにも行ってみたいな〜と暮れゆく景色を見ながら想ったのであります。
参加のみなさんお疲れ様でした。そしてありがとうございました。
おしまい・・・。
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