■9月27日(土)(曇り時々晴れ)
新宿前夜発(23:00頃)===夜行バス直通===沢渡着(翌朝5:00頃)
沢渡(5:30頃発)==シャトルバス==上高地BT(6:00頃着)
上高地BT(6:10頃)・・・・明神(6:55)・・・・徳沢園(7:35頃)・・・・横尾(8:25頃/休憩)・・・・
槍沢ロッジ(9:55/昼食/10:30発)・・・・ハバ平(11:00頃)・・・・天狗原分岐(12:30頃)・・・・
天狗池(13:30頃/休憩)・・・・横尾尾根のコル(14:35頃/休憩)・・・・・稜線分岐(15:45頃)・・・・
南岳山頂(16:07頃)・・・・南岳小屋(16:20頃着)
※夕方、獅子鼻へ散歩あり。
昨年初めて涸沢に行き穂高の峰を間近に見て今年は稜線に上がるぞ! と考えていた。 でも尾瀬も気になるのでなかなか機会もなく小屋泊まりなら
できるだけ空いてる時期がよいな〜 とか北穂高もよいな〜と計画する程度だったけど急遽南岳に行こうと話しが持ち上がりあっさり決定! 山の知り
合いの良く行くところでいつかは行きたいと思っていたのだ! でも平日はなかなか休めないので土日の1泊というちょっとキツイ日程となってしまった。
出発数日前から雪化粧になるぞ! と南岳小屋主人の坂本さんがHPで騒いでいた。さらに紅葉もいいらしい! 混むかな?
雪景色はいいけど凍るといやだし、積雪がなければ役にはたたないと思いつつも念のためアイゼンを追加。お守り的な感じもあるかな(^^;)?
今回はマイカーはやめて夜行直通バスで出発である。
前夜23時に新宿を出発して高速と一般道をガンガン飛ばす。基本的に熟睡は困難なので少しでも仮眠出来ればラッキーかな?
翌朝5時過ぎに沢渡に到着。ここで低公害バスに乗り換えて上高地に向かった。
宿泊する南岳小屋のブログを携帯で見ると「雪は降りませでした騒いでごめんなさい」と書き込みが(^_^;) あららら降らなかったのね。。
釜トンネルを抜け一年ぶりの上高地だ! 焼岳が見え、大正池にくると稜線までスッキリの穂高連峰が見えてきた! おお〜 ええな〜! 早朝から
ガスもかからないのも珍しいな〜 今日は天気は安定しそうだ!
上高地バスターミナルに6時過ぎに到着。予定よりちょっと遅い…
さすがにひんやりしてるけど寒いってほどでもない。 予め作成してあった登山届けをポンっとポストに入れトイレを済ませて、さぁ〜行ってみましょ〜(^-^)/ と歩きだした。
梓川添いを歩き河童橋、メモ変わりに撮影。岳沢はやんわり色づいてはいるけど紅葉はまだまだのようだ。
ここからはとにかくサクサク歩く! 第一目標の槍沢ロッジに10時には到着出来ないと稜線到達が厳しくなるのだ! 地図時間で歩くと約5時間!
6時15分発だからかなり難しい…いつもは最初から下げている一眼カメラはザックに仕舞い気合いを入れてガシガシと歩いた。 幸い花も無い時期なので
誘惑は乏しく助かった(^_^;) 途中手頃な木の根元にアイゼンをデポした。ペット一本分くらいは軽くなったかな?
あっという間に明神を通過、さらにガシガシ歩いて徳沢に到着。時間は7時半。なかなかいいペースだ! 徳沢のテント場の芝が気持ち良さげで寝ころび
たくなる(^-^) しかしここも通過して新村橋、お猿はいませんね〜
快調に歩いてゆくと青空も見えきてちょっと暑い… やがて屏風岩が見えてきて梓川の上流には表銀座の山が見えてくる。 そして北穂高もチラッと
見えて塩爺を思い出す。一度しか会ったことはないけどみんなの塩爺って存在だよね。
やがて吊り橋が見えてくると横尾に到着だ。ここまで2時間強、我々にしてはかなりのハイペースだ。流石にちょっと休憩である。周りの紅葉はまだまだ
のようだ。 橋の袂の木もまだ緑色… 昨年晩秋に来たときは一晩で散ったっけ・・・。
よっしゃ出発するか! ザックを背負い歩き出す。槍沢ロッジまであと1時間半くらいで着けるかな? とにかくいくべっ!!
横尾に沢山いた人たちはほとんど涸沢に向かう感じかな? こっちのルートはほんとうに人が少ない。おかげで歩きやすい。
沢沿いの道をどんどこと進む。 道も狭くなり多少のアップダウンもあるけど快調である。 木漏れ日の中を歩きやがて槍見河原に到着。槍の先が見えて
感激だ! 昨年はここまで散歩に来たんだよね〜 でも今回は更に奥を目指すのだ! ここからは未知の領域である!
ガシガシと歩くが同じような道でちょっとウンザリ… やがて一の俣の橋、さらに二の俣の橋と出てきてちょっと変化があり飽きも和らいだ・・・
どのくらい歩いただろうか? 突然人工物が見えて槍沢ロッジまであと少しの小さな看板があった! おお〜あと少しか! でもここから石段の坂道に
なりちょっと疲れた… しかし樹林の合間に建物が見えてやっと槍沢ロッジに到着である! 時間は9時55分! おお!やりました頑張りました(^-^)/
これで遅くない時間帯には南岳に着ける公算が出来たので早めのお昼である。 メニューは簡単なカップ麺。お湯を沸かす間にロッジで稜線の情報を聞くと
やはり雪はないそうだ。
このあたりの小屋は基本的に予約不要だけど礼儀もあるので南岳小屋に電話してみる。10回くらいコールしてやっと出た… 宿泊する旨を伝えると、
「掛け間違いですよ!」とぶっきらぼうな答えが… 慌てて謝り電話を切る… ??? 押し間違えたかな? 受付で番号を確認するが合っているようだ。
再度掛けるとワンコールで出た! 南岳小屋ですと返事があった。 早速、「これから伺います〜4時までには着きます」と伝えた。 男の人だけど妙に
明るい口調だった。噂のもっさん(※)かな??(^_^;) ※南岳小屋主の坂本さん
今思えば、10時頃は南岳小屋っておやつの時間だそうだから、もしかしたらなかなか出なかったのかも???
カップ麺をズズズっと食べてロッジの100円コーヒーをすすってちょっとくつろいだ。
電話事件もあって30分も留まってしまったけどいよいよ出発である!
ここからは本格的に標高を上げながらの道のりなので気合いを入れ直すっ!! よしっ行くぜっ!!
ロッジ横手からは槍が小さく見えていて気分も高鳴る。
石を敷き詰めた道をどんどん登ると小屋スタッフ? が石を敷き直していた。見ると赤沢山の崖が一部崩れて山道まで達していた。いつ崩れたのだろう?
さらに緩やかに登ってゆくとあっさりババ平に到着。ここはテント場である。昔はここに槍沢小屋が建っていたそうだけど石積みの建物がその残骸?
それにしても意外と狭くてびっくり。でも水は美味しかった。 石室もあるけど使えるのかな? ここからは槍は見えないのが惜しい・・・!
ちょっと足休めしてから再び歩き出す。砂を敷き詰めたような緩やかな道を進む。いくつもの小さな沢が槍沢に落ちていた。この沢も大昔は氷河だったのが
容易に想像出来る地形だ! 対岸の横尾尾根は紅葉の名所でもあるらしい。そこを幾筋かの滝が流れ落ちていた。
沢はゆるやかに蛇行して山道は沿うように延びている。 小一時間ほど進むと東鎌尾根の水俣乗越に通じる分岐を通過する。このあたりは大曲と呼ばれる
ところらしい。道は次第に斜度を上げてきていた。そして目の前には槍沢上部、その上に大喰岳の稜線が見える!! おお〜!
すると槍沢ロッジで休んでいた外人部隊は遥か上を歩いているのが見える! 早っっ! やっぱり外人は歩幅も違うし体力も違うんだな〜と妙に関心・・・
道は更に急になり、かなりしんどい! 夏なら汗だくだろうけどヒンヤリした空気なので額に滲む程度で済むのがありがたい。
花は少ないけどミヤマアキノキリンソウやヤマハハコ、何とかトリカブト、何とかアザミが咲いている。オヤマリンドウは花が終わっていて蕾のような
状態で残っていた。
「食べる酸素」などを補給しながらどんどん登るとついに外人部隊を追い抜いた! ていうか休んでたから追い抜いただけなんだけどね(^_^;)
その部隊を随分引き離したところで我々も休憩だ。 水分や糖分を補給する。振り返ればずいぶん登ってきたことがわかる景色になっていた! 見上げれば
来た道の風景と同じくらい遠い所に稜線がみえる・・・(*_*) ヤレヤレまだまだ先だな・・・。 でもあの途中あたりから沢を横切るはずである。
休んでいると外人部隊がズンズンと追い抜いて行った・・・ どこへ行くのかな〜?
十分休んだので我々も歩き出す! 東鎌尾根の山肌が聳えて立ちはだかるようでなんだかカッコイい!!
しかし、こんなとこテント装備で登るのはかなりつらいだろうな〜 登る人は相当な体力の持ち主でないと・・・ 1人用テントなら持ち上げれるかな?
遠くを見れば人が集まってる場所が見える? どうやらアソコが天狗原分岐のようだ! 外人部隊も居てしばらく休んでからまっすぐ登っていったので
やはり槍に行くようだな!
それから暫くして、やっとのことで分岐に到着した! 見上げれば槍までジグザグの急坂が続いてきつそうだ!
分岐から沢を横切るように進むけど水は見えない。 厚く堆積した岩くずの下を流れているようだ。
ここも石を敷き詰めたように整備されているので歩きやすい。
程なく進むと突然槍ヶ岳が顔を見せた! おお!! 槍じゃぁ〜カッコイい(^O^)/ 更に
進むと紅葉したナナカマドが帯状に広がっていた! 遠くから見えていたのはこれだったのだな! ナナカマドと槍ヶ岳のビューポイントでパンフレットや
ポスターに必ずといって良いほど使われる有名な場所である。 尾瀬で言えば下の大堀の水芭蕉群落だ。
最盛期ではないものの大半のナナカマドが紅葉して綺麗だ! 願わくば青空が欲しいな〜! いつのまにか高曇りになっていた。
とっても綺麗なところなので夢中で写真してしまいました。 ちょっと時間ロスかな? まあいいか、せっかく来たんだし…
ナナカマド帯を抜けて登り。ツバメ岩下のガレ場の道をどんどんと登る。高度が上がり槍沢や分岐が遥か下になっていた。槍も根元の方から見えるように
大きい! その槍に向かうジグザグ道を歩いている人が見えていた。外人部隊はどこまで行ったかな?
下にいたときは沢の対岸に見えていた巨大な壁、ツバメ岩の直下にやってきた。沢山の石が崩れてきているような状態であまり長居はしたくない場所で
ある。 やがて樹林帯に入りしばらく登る。
樹林帯は短くそこを抜けると岩岩地帯に突入〜 遥か稜線まで続いているようだ。 背後のツバメ岩が大きい!
程なく進むと視界が広がり眼下に池が!? おお〜あれが噂の天狗池か! 意外と小さいな… 道のようなそうでないような道を下る。途中ミヤマリンドウが
咲いていた! こんな時期でも咲くなんだな〜 遅くまで雪渓がある影響かな?
池は大小の岩で囲まれている。ここは晩夏の頃まで残雪がのこるので池が見られるのは夏の終わりから秋にかけての僅かな期間中だけの幻の池なのだ。
池に映る逆さ槍が有名なところでもあり来てみたかった場所である。周辺の紅葉もいい感じだけど青空がないのが惜しいな〜(-.-)
ザックを下ろしコーヒーを飲みながらしばらくまったりする。 はぁ〜 ええとこやな〜 槍も見えるしね…
このあたりから氷河公園というところのようだ! 見渡す限り岩だらけ! でもナナカマドなどが帯状に生えて、ちょうど紅葉が最盛期のようで綺麗だ!
さっきまで休んでいた素敵な帽子の単独女性も出発したことだし我々も出発である。この先に痩せ尾根の道がありこのコースの最大の難所が待ち構えているのだ!
ドキドキ・・・
岩の間や上をペンキ印の通りに歩くので安心だけど印がないとちょっと大変だな…。
先行している女性を抜き、さらに先行していたおじさんも抜いてどんどんと登る。すると上から団体がゾロゾロ降りてきて、「どうぞ登って下さい」 と
道を空けてもらったけど、疲れてるときは有り難迷惑なのよね…(+_+) 誰がこんなルール作ったんでしょ…
登る途中も槍ヶ岳がずっと見えているので爽快である。 振り返ればずいぶん上がってきたもので天狗池は遥か下… 岩だらけの氷河公園が見渡せる!
次第に近づく稜線が眼前に横たわる!! そしてもうひとがんばりすると主稜線に続く尾根に出た! 横尾尾根のコルである。 足下から広がる本谷の
斜面、その先に屏風岩が聳え、前穂高の険しい稜線、そして北穂高、南岳と続いて見えていた! しゅごいなぁ〜 本谷の紅葉も始まったようで所々色付いていた。
相変わらず高曇りだけどこのままならいい感じに焼けるかもしれんな〜☆
少し休憩しているあいだに素敵な帽子の女性が抜いてゆき、少し遅れて男性がやってきた。男性は良くくるそうで今回も南岳一泊だそうだ。写真目的だそうである。
以前、5時過ぎて小屋に到着していきなりお説教されたそうで今回は頑張りたいと言っていた(^^;)
尾瀬の小屋だと遅くに着いても先ずは「お疲れ様」と労う慣例があるけど流石に遭難の危険が高いアルプスではそうはいかないのかもね…
我々も遅くならないうちに着かねばと出発である。 いちおう4時くらいには着きますと電話で伝えてあるが・・・果たして?
しかしここからが難所で急な痩せ尾根を上らないといけないのだ! 事前に 「そこに穂高があるから♪」 という馴染みのサイトでルート写真を見て
状況はわかっているけどやはり不安はある・・・ 一眼デジを再びザックに仕舞い岩登りモードに移り歩き出す・・・。
ぐんぐんと岩の合間を登る。 ルートはしっかりしてるが小石とかも多いので滑ったり落石させたりしないように慎重に登る。
途中、相棒が岩に頭をぶつけるアクシデントがあってちょっとヒヤリとした! 本人は結構痛がっていた… ☆が飛んだそうだ! 幸い大きく腫れる
こともなかったけどちょっと傷が出来てしまった…
きつい道だけどどんどん高度が稼げる! すると岩に1人づつ通れと書かれた場所にやってきた、そして垂直のハシゴが登場である! おお〜 これが
そうか! 2段階になっていて背後は本谷に切れ落ちた崖っぷちだ! コワっ!
まさに断崖絶壁で落ちたらただでは済まない! そんな恐怖感があるので最初の一歩は緊張してしまう。 ほとんど垂直なのでザックが引っ張られる感覚が
あるのが気分的にはよろしくない…(+_+)
しっかし雪降らなくて良かったな〜 ここは滑るよな… と思いながら慎重に登った。 最後の手すりの片方は雪の影響かぐにゃりと曲がっていた。狭い
踊場から下を覗き相棒が登ってくるのを確認してからもう一段を登る。 こちらも垂直に近いハシゴだ! 登る途中で下を見るとかなりの高度感でちょっと
怖かった…
登り切るとちょっと余裕も出て登ってくる相棒をパチリと撮影!
ハシゴから少し歩くといよいよクサリ場だ! 馴染みのサイトのレポで予備知識はあったけどやはり急斜面だ! 果たして登れるのか? 相棒と顔を
見合わせてから取り付いた!
取り付いて気づいた!! あれ? 意外と大丈夫かも? 足がかり手がかりはしっかりあるしクサリは特に使わなくても大丈夫! クサリを繋ぐ鉄の
棒だけ手がかりに利用しながらサクサク慎重に登った。 もちろん三点支持は基本姿勢だ。 下に小石を落とさないようにすすむ。 予想よりクサリ場が
長いので緊張感は続くけど・・・大丈夫みたい。
時々振り返り相棒を確認するけどやっぱり急斜面だよね… ゾクってするね(-.-)
少し緩やかになったと思うと突如尾根にたどり着いた! ふぅ〜 無事クリアー(^-^)/ 続いて相棒も到着でクリアー(^-^)/ 振り返り登ってきた
斜面を見下ろした。 下りの方が怖そうやな… 雪が無くてほんまに良かったな〜!
緩やかになった尾根をしばらく歩くと風が強くなってきた! すると標識が見えて稜線分岐に到着だ! 飛騨側は雲が入り雲海になっていた! 凄い!
北側には稜線が続き槍ヶ岳が聳えてカッコイい! そして南岳! そこに見えるのだけどまだ更に登るようだ! しかも冷たい風が吹きつけている。
寒いのでゆっくり景色を見る暇もなく歩きだす・・・でも耐えきれずにカッパを上半身だけ着込んだ。あったけ〜(*^-^*)
でも顔は冷たい… ザクザクとザレた道を登ってゆくと南岳の山頂だ! やった〜☆ そそそそして眼前に北穂高がドーンと鎮座しているぅぅ〜(^O^)/
スッゲェ〜! マエホ〜! オクホ〜! キャー!!
更に、笠が岳、常念岳、槍ヶ岳に白馬方面、富士山に八ヶ岳、南アルプス! 素晴らしい展望だ! うっひょ〜て感じだ! 憧れていたこの光景に
2人とも感無量であった。 特に相棒は北穂高には感激の様子!
そして眼下には赤い屋根の南岳小屋が見えていた。 そこに向かってザレた道をザリザリと下って遂に南岳小屋に登場である! キタ〜☆☆
これが噂の南岳小屋か〜! 併設のテント場には数張りのテントがあった。 発電用だろうか? 風車が勢いよく回転している。
さっそく中に入ると玉砂利の敷かれた喫煙室兼自炊場、その奥に受付や売店のある部屋がありストーブが焚かれていて温かかった。
受付にはメガネをかけた男性がいる。先に着ていたおばちゃんが受付していた。 こちらも「電話をした池田です」と名前を告げると判った
ようでニコリとしていた。 電話に出たのはこの人のようだな。でもどうしたことかテントの申し込みカードを出そうとして、「あ。宿泊でしたね!」
と慌てて引っ込めた・・・(^^;)
改めて宿泊カードに記入する。 念のため個室は空いてるかどうか聞くと小屋閉め間近なのでもう倉庫変わりにしてしまったということだ。 なるほどね!
と妙に納得してしまった。
その後、部屋に案内して貰う。 「穂高」の部屋である。部屋は二段ベッドになっていて既に布団が敷かれていた。今日は多いのですか?と訪ねると
今のところ20数名だそうで1人1枚の布団で寝られそうだ! ちょっと安心である。最終的には25名であった。
布団は噂のブレスサーモで人から出る水蒸気を熱に換えて温かくなる素材が使われている。また暑いときは布団を裏返せば涼しくなるという優れものである。
相棒は今の人が小屋主の坂本さんだよと言う。南岳好きさんのサイト写真では小さいのでよく判らなかったけど雰囲気的にそんな感じである。そうか
あれが噂の「もっさんか〜」 無愛想だと聞いていたけどニコニコしているなぁ〜(^-^)
とりあえず寒いので着替えてダウンを着てロビーに降りた。 泊まり客が暖炉のそばでくつろいでいる。外は相変わらず強風で散歩するのも億劫になる。
売店にはセルフサービスの飲み物があったのでさっそくいただく。コーヒーも良かったけどホットカルピスをチョイスした。 壁にディスプレイされた
オリジナルTシャツ。相棒はこれを買うのが目的だそうで何色にしようか迷っていた。 手ぬぐいも欲しいそうだ。手ぬぐいのデザインは南岳好きのお友達
が考えたそうでシャツにもあしらわれている。
夕食まであまり時間はないけどせっかくなので外に出てみることにした。 入り口から出ると強い風が寒い! テントは5張りくらいかな? フライシートが
バタバタと鳴っていた。寒そう〜 夕方間際の太陽があたりを照らしている。獅子鼻に行こうかと思ったけど食事の時間も近いので小屋に引き返した。
小屋に入るとタイミング良く食事の用意が出来ました〜の放送があったのでさっそく食堂へ。 山小屋では珍しく畳みに座って食べるスタイルだった。
メニューはオムレツ、エビチリ、ツクネ?、杏仁豆腐とけっこう豪華! お腹も空いていたのでバクバクと食べてしまった。美味しゅうございました。
食べている途中で外にいた人が帰ってきた、雲海が光ってたよ〜と羨ましい光景を見たようだ!
でも焼ける本番はこれからの筈なので撮影の準備していそいそと外に飛び出した。他の人もカメラを持ち出す。
事前情報で夕方は獅子鼻が良いということなので小屋裏の高台に上がる。冷たい風が吹いている!
登ると目の前に北穂高が聳えて凄い光景だ! 雲海の光は終わっていたが笠ヶ岳に沈む夕陽が輝いていた!! おお〜!! うつくすい〜!!
初めての場所なのでベストポジションがイマイチ判らないのでウロウロしながら撮影していると空に赤身が差してきた! いよいよ始まるか!?
次第に雲が茜色に染まってゆく。
やがて笠ヶ岳の山頂を中心に放射状に夕焼け色に染まっていた! どうやったらこんな風に染まるのだろう? という
くらい珍しい現象だ! 他の人たちも綺麗だね〜とか言いながら見たり写したりしていた。 僕も写していたけど、もっと空一面に焼けると予想して
いたのでそんなにバシバシとは撮らなかったのだが、夕焼けは次第に褪せていってしまった。。。あれ?
上空の焼けは終わり地平線だけ染まる様子を暫く眺めていた・・・ 北穂の滝谷もほんのりと赤くなっていたが次第に褪せて冷たい岩肌になって
ゆく・・・ 山々の色も褪せて夕闇が迫ってきているのがよく判る。
見ていた人たちも引き上げたので、われわれも惜しむように小屋に向かった・・・
小屋の東側にある常念平に行こうかと思ったけど寒いので小屋に引き上げた。明日の朝は常念平で撮影だな!
寝るにはまだ早いのでロビーでしばらくくつろぐ、もう寝る準備に入っている人たちもいる。3000mの夜は尾瀬より早いようだ。
コーヒーを飲みながらまったりとくつろぐ。 実は坂本さんたちスタッフにとお土産を持ってきたのだけど肝心の坂本さんは忙しそうに動き回って
いてなかなか渡す機会がみつからなかった。出来れば直接渡したいのだけど。。 しばらく様子を伺っていたけど、無理そうなで呼び鈴を押して出て
きた別の男性スタッフに渡すことにした。 ついでにシャツと手ぬぐいを購入する。 相棒はピンク色のシャツ、僕はブルーのシャツにした。 購入後、
徐にお土産を差し出し坂本さんに宜しくお伝え下さいと伝言した。
部屋に戻りちょっと荷物の整理をしていると坂本さんが何かの用事で上がってきた。すると我々を見てお土産頂いたそうで、ありがとうございます。と
お礼を言われた(^-^) 直接渡してないのにどうして我々だと判ったんだろ? とりあえず、これで顔は覚えてもらったかな??
他の部屋の皆さんは既に寝ている人もいていびきが聞こえてくる。談話室で喋っている人もいるけど、星も出てないので我々も寝ることにした。
洗面の蛇口は凍結のため使えなくなっていたので昔懐かしい水タンクを使った。 因みに小屋のトイレはオガクズのバイオトイレで綺麗だった。 大雪山の
避難小屋みたいに用足しの後は自転車を漕げなんてこともなくスイッチで自動撹拌してくれるので楽々だ。
寝る前に小屋の外に出てみる。ゴウゴウと風が吹いていた。テントは寝れないだろうな〜 星は出てない・・・
部屋に戻り布団に潜り込み就寝となった。まだ時間は7時半なんだけどね・・・。
明日は晴れることを期待だな! 日中の疲れもありあっというまに熟睡してしまった・・・Zzzzz・・・・
ハッと目を覚ますとまだ22時半・・・ 風は相変わらず吹いている。トイレに行くと建物が揺れているのがよくわかる。かなりの強風である。
窓から外を覗くとなんと星空が広がっていた! 昴やおうし座、ぎょしゃ座といった冬の星座が見えている。撮影したい気持ちがいっぱいだけどこの
風では無理なので諦めた。このまま晴れなら翌朝の朝焼け前に少し撮影出来るかな?
再び布団に潜り込んだ・・・。
■9月28日(日)(曇り)
※早朝、常念平、獅子鼻の散歩あり。
南岳小屋(7:20頃発)・・・・南岳・・・稜線天狗原分岐(7:58頃)・・・・横尾尾根のコル(8:45頃/休憩)・・・・
天狗池(9:35頃/休憩/9:55頃)・・・・天狗原分岐(10:35頃)・・・・ババ平(11:30/休憩)・・・・
槍沢ロッジ(11:50頃/休憩)・・・・横尾(13:10頃/昼食/13:35頃)・・・・徳沢・・・・明神(15:10頃/休憩)・・・・
河童橋(16:15頃/休憩)・・・・上高地BT(16:35頃)
上高地BT===優雅にタクシー===松本駅===長野駅===高崎===東京
発熱布団のおかげで快適睡眠である。3時半くらいに目が覚めると外はまだゴーゴーと強い風が吹いていた。
昨夜遅くには星空か見えていたのに今朝は薄曇りのようでポツポツと見える程度。このまま風はおさまらないのかもしれないな・・・ 尾瀬ならこの時間には
写真班はみなさん起きているのだけど山岳の人たちはまだまだ睡眠時間のようである。 風もあるし外に出ても寒いのでもう一度布団に潜り込んだ。 ふぅ〜
温かいにゃ〜(*^^*)
ちょっとうとうとしたかな〜? 4時半過ぎに再び目を覚ました。 まだ風は吹いている・・・ でも東の水平線はうっすらと明るくなってきているので夜明け
は間近だ。 相棒を起こして外に出る準備をする。大半の人はまだ寝ているようだ。 小屋のスタッフは起きているようで厨房に明かりが灯っていた。
1階に下り外に出てみる。風がけっこう強い! 発電用?のプロペラがガンガン回っていた。テントはほとんど明かりかついていて起きているようだ。さすがに
一晩中強い風では熟睡も出来なかっただろうな・・・ 気温も0℃に近いしこの時期の稜線テントは大変である。 飛騨側には相変わらず雲が入ったままだ。
獅子鼻は風がまともにくるのでやはり常念平の方へ行ってみることにした。 薄暗いのでライトで足下を照らしながら進む。 小屋からわずか2分ほどで到着。
聞いてはいたけどここからの眺めも絶品である!! 南岳の東斜面沿いに槍ヶ岳が見え、北穂高や穂高山塊がどーんと聳えている!! 大キレットも見えるし、
下は本谷。そして名前のとおり常念岳が正面に見える絶好の場所である。 ん〜これはしゅごい場所だ!! 常念岳のはるか向こうには浅間山が見えてそのあたりが
赤く染まり始めていた。 あのあたりから日の出になるのだろうか?
見渡せば八ヶ岳、南アルプス、富士山も遠望出来る。水平線沿いは雲が切れているようでオレンジ色に染まっていた。美しい光景だ!!
常念平の先の方はさすがに風があるので岩の陰に隠れカメラをセットして焼けてくるのを待つ。そうしているとほかの泊まり客もポツポツとやってくる。獅子鼻にも
人が上がっていたけどやはりこちらが日の出ポイントだと知ってるようであっというまに10人くらい並んでしまった。
次第に常念岳の上あたりが次第に焼け始める。よしよしいいぞ〜と見ていたがあまり広がってこないようだ。太陽方向に雲が多すぎるのだろう・・・。昨夕の
ように綺麗に焼けることもなくしかも日の出は判らなかった・・・残念だ・・・。 しばらく眺めていたけどそろそろ朝食の時間なので引き返すことにした。
ほとんどの人はすでに帰って居なかった・・・。
小屋に着くと東の空の雲間に太陽がぼんやりと出ているのを確認! あんなところまで昇ってたのね・・・
荷物を置いて食堂に入り温かい食事をいただく。 尾瀬でもそうだけどこちらでも「朝の鮭」は定番のようですね〜 あと厚焼き卵も。大きな梅干しがまるごと
あるのはちょっとびっくりだけどクエン酸効果はあるので理にかなったメニューである。
食事を終え、さっそく下山の準備のための荷物整理だ。下山とはいえ上高地までかなり時間がかかるので早めに出発しないといけないので1泊ではゆっくり
出来ないのが難点だな・・・。
他の客もガサガサと支度をして、早い人は出発していった。キレットでも超えるのかな?
小屋のあちこちを写真に撮り玄関に移動。 出発前にちょっとブレイクだ。 ドリップコーヒーをいただいた。 スタッフは後片付けなどで忙しそうに動いていた。
とくにご主人坂本さんは、よぉー働いてます(^-^)
次々と出発するお客さんたち、玄関でのんびりしているのは我々と極僅かな人だけである(^^;) 昨夜買ったTシャツを着込んで記念撮影もしてみた。
テントの人たちは強風で撤収もままならないので荷物を玄関口に入れて整理していた。その玄関口には折れ曲がったはしごが掛けられていた。キレットか
どこかのハシゴだったのだろう。 登ってもいいよと張り紙があったけどやめておきました(^^;)
名残惜しいけどそろそろ出発の時間である。タイミング良く受付に出てきた男のスタッフに声をかけてお世話になりました〜と挨拶をしていると奥から
坂本さんが出てきたので、お世話になりました〜とご挨拶★ 今朝もやっぱりニコニコ顔のもっさん(坂本さん)でした。
玄関を出ると風はまだまだ吹き続けている・・・ 風に押されるように歩いて荷物を風陰に置く。 最後に獅子鼻からの眺めを楽しもうという魂胆だ。
ザクザクと登ってゆく。 獅子鼻の本谷側の突端から大キレットを見ると数人の人が北穂に向かっていた。もうあんなところまで行ったんだな〜 慣れてる
人はすごいな〜!!
キレットの本谷側の斜面は紅葉していい感じだ。その先はガレ場が続き北穂池があるそうだけど確認は出来ない。でも窪んでいるところにオレンジ色の人影を発見!
まさか遭難者? とは違うようだ歩いている。散歩だろうか? バリエーションルートと聞いているのでよほどの塾達者だろうけど、なんでこんな朝早くに
あんなところにいるんやろ? ん〜??
飛騨側に移動して笠ヶ岳を眺める・・・ キレット入り口まで行こうと思った相棒だが風も強くて足が進まなかったと嘆いていた・・・ 僕も覗きたかったけど、
危ないことはやめておこうと諦めた・・・。 軟弱ものですから〜(^^;)
小屋に戻りザックを背負い、いよいよ下山である。ふと見ると小屋の横に「キレット日和指数」なるものが張ってあった。これが最近始めたというヤツだな! 今日の指数は
レベル3になっている。風もあるので無理して渡らなくてもいいんじゃない? というレベルだそうだ。
強風の中、ザクザクザクと南岳を登る。何度も振り返り小屋や北穂を眺めた。
山頂でちょっとてぬぐい撮影などやって名残を惜しんだ・・・。
もっさんまたね〜! 見えなくなる南岳小屋、そして北穂、滝谷・・・
飛騨側斜面下には南岳新道が見えていた。けっこう険しい道のりだと聞くけど、1回くらいは行ってみたいかな〜? そのさらに下には赤い屋根が見えている、
槍平小屋かな?
南岳も雷鳥やオコジョがいる場所だけど、今日はいないな〜 風が強いから出てこないのかな? ちょっと前に南岳山頂でオコジョを見たという人たちもいる
のにな〜 雷鳥は保護色だからちょっと見逃しているかもしれないな・・・ 目を凝らしてよーく見ながら歩いたけど結局見つからなかった・・・。
稜線天狗原分岐に到着。1人のおっさんが先に天狗原に下っていった。いよいよこの先がちょっと怖いのよね・・・ くさり場とハシゴは最初の試練である。
その前にこの景色を楽しんでおこう〜! 稜線沿いに槍ヶ岳が美しい! そこから続く東鎌尾根も綺麗な稜線だ。一昨年MIURA夫妻が歩いた場所だよね。
昨日よりは明るい空だけど高曇りは変わらない、しかも午後からは下り坂と予報が出ていた。 まあ降る前には辿り着けるでしょう・・・。 すると外人が何人か
槍の方からやってきた! れれれ? あれは昨日見た外人部隊ではないですかっ!? いったい何時に出発したのだろう? 槍も登ったのだろうな〜すごいやつらだ。
しかも外人部隊は南岳の方へ歩いていった。まさかキレット超え? それとも獅子鼻まで散歩? よくわからないけど、少なくとも上高地まで我々を追い越しては
ないのでキレットを超えて北穂泊まりか涸沢泊まりだろうな〜 縦走やんけ・・・!
まあ他の人のことはおいといて我々は下りますか〜!! 相棒を先頭に歩き出す。 最初はゆるい痩せ尾根・・・ そしてすぐにクサリ場になり急斜面だ!
でも上から見ると足を置く場所がよーく見えていて、あれ? もしかして下りの方が怖く無い? 足がかりがしっかりしているルートなのでこれは楽である。
クサリは勿論使わないけど鉄の棒は下りも使わせていただきました(^^;)
高度感もいつのまにやら慣れてしまったのかちょっと楽しい・・・ 相棒もサクサクと下りていて難なくハシゴまでやってきた。 足を置くところは濡れていたり
凍ってたりすると怖いだろうけど今日は乾いているのでここもサクサクと下って、ハイっ怖いところはおしまい・・・
その先もそれなりに狭い道だけど小石とかでスリップしないように下れば大丈夫であった。風景など眺める余裕もあり写真もバシバシと撮ってしまった(^^;)
先に下ったおじちゃんはあっという間に見えなくなって遙か下を歩いていた。慣れてるね〜 見上げるとポツポツと人が下ってくるのも見えている。槍のほうから
縦走してきた連中みたいだな。
見下ろす本谷の紅葉は昨日より色づいた感じがするな。 本番はもっとすごいんだろうな〜見てみたいな〜
槍が岳側の氷河公園の岩くずの斜面もすごい! 昨日より光があるので陰が出来てより立体的に見えるのだ。 もっさんたちが野球場と呼ぶ窪みはあのあたりかな?
残雪のころもちょっと来てみたい気がするな。
痩せ尾根から大きな岩岩帯に入るとほどなくして横尾尾根のコルに到着である。 こちら側は風もないので厚着していると暑い暑い・・・ 人の来ない間に
ささっとアンダーを脱いだりして着替えた。
本谷や屏風岩の紅葉は昨日より少し進んでいるようにも見える。午前中の光の加減かな??
それなりに休憩して氷河公園を下る・・・。 こちら側の紅葉もやはり進んでいるように見えるし色に艶がある。
今日も槍ヶ岳は雲一つかからずすっきりと見えてかっこいい! ナナカマドの紅葉との対比は格別にすばらしく何度となく足を止めては撮影する。同じように
通る人もカメラを向けていた。 すでに登ってくる人もいて槍沢ロッジ泊まりの人かテントかな?
どんどんと下り天狗池近くまでやってきた。ふと見ると天狗池から少し離れたところに小さい池を発見! こんなところにもあるんだ〜! 昨日は気づかなかったな・・・。
天狗池の方は何人か休憩しているので空いている小さい池に移動してザックをおろした。 「小天狗池」とでも命名しようか? こっちの池にもしっか槍が逆さに
映っていた。
小屋でもらってきたお湯でお茶をいただく。アンドーナツとハニードーナツもいただいた。個人的には堅めのアンドーナツの方が好きだな〜
あまり時間はないけどオリジナルタオルで記念撮影とかしたりしてから出発である。
本家の天狗池をちょっと眺めてから丘を登る。 ツバメ岩を仰ぎ見ながら巻くように下ってゆく・・・。 名前からして夏にはイワツバメが営巣するのだろうな? でも今は
なーんにも気配がない・・・。
ガレ場に出ると例の紅葉帯が目にとまる! 何人かの登山者がカメラを向けて撮影しているようだ。
途中の岩でちょっとお馬鹿撮影をしてから再び歩き下ってゆく。 すると向こうから腰をかがめたおばあちゃんが登ってくるではないですか! どうみても
70〜80歳のおばあちゃん! その前後にいるのは付き添いの方かな? おばあちゃんは黙々と登ってゆく・・・どこまでいくのだろう? まさか南岳?
天狗池で往復かもしれないけど、それにしてもあの歳ですごいです!! 若い頃にゃガンガン登っていたんだろうな〜 オイラも歳とっても山登れる体を維持
したいものだな。
紅葉帯に到着してちょっと本格的に撮影する。 高曇りで青空がないのがどうにも惜しいけど滅多に来れない場所なのでいろんなアングルで撮影してみた。
道から離れて少し下るとまた一段といい感じだ! 後からきたカメラマンがどんな風に撮れましたか?と聞くのでモニターを見せる。別段感想も言わず、
「なるほどね」と一言だけ。 お気に召さなかったのか、綺麗に撮れてて悔しかったのか・・・(^^;) ちなみにこの人は中判カメラで撮っていた。
ズリズリと写しながら下るうちに登るのが面倒になり紅葉帯の隙間から横断して登山道に戻った。
この槍沢で数日後に南岳小屋の坂本さんが撮影した写真が こちら にあります。数日で劇的に変わるのが凄いです!!
天狗原分岐にたどり着くと今度は段差のある砂の道をひたすら下る。 あのおばあちゃんはすでに見えなくなっているので天狗池にたどり着いたようだな。
とくに写すものも無いけど、この谷の両側が紅葉すればさぞかし綺麗だろうな〜と容易に想像できる。そんな頃に来てみたいけど相当混みそうだ・・・。
高曇りはちょっとずつ雲に厚みがでてきているようで、午後から下り坂の予報は本当のようだ。
ガンガンと下り振り返れば、ツバメ岩はかなり上方になっていた。槍もすでに見えなくなり、去りゆく感じが色濃く、ちょっと寂しい気分だ・・・やはり
1泊ではだめだな・・・来年は2泊で来たい! とそう思った。
大曲を過ぎるとちょっと道も緩やかになる。やがてババ平に到着。 昨日よりテントが多いな。 ペットに水を補給し、ちょっと休憩してから再び歩き出す。
昨日作業していたスタッフが今日も石を敷き詰める作業をしていた。ご苦労様です。 自然の石をうまく併せて敷いてゆくのはかなり大変な作業である。
やがて木立の合間に再び槍の穂先が見えてくると槍沢ロッジに到着だ。
お昼は横尾のラーメンと決めていたのでここでは休憩と荷物整理をしてシャリバテを防ぐ意味でちょっとお菓子などを食べた。100円コーヒーを飲もうと
思ったけど、ポットが置かれてなかった。サービス時間は終わったのかな?
さーて、行きますか〜 しばらく山も見えなくなるので一眼デジはザックに仕舞い込みサクサクと歩く。
12時は過ぎているけどけっこう登山者が登ってくる。この時間だと稜線は無理なので槍沢ロッジに1泊するのだろうな。みなさん高齢者で時間に余裕のある
人ばかりだ。平日に歩けるなんてとっても羨ましいっっ!!
槍沢沿いの道をどんどこ歩く、それなりに足も疲れているのでときおり蹴躓いたりしていた(^^;) 槍見河原手前あたりで前をゆく夫婦を抜く、余裕で抜い
たかとおもったが、次の瞬間、踏んだ石ころがグラリと動いてスッポーんと体が宙に浮いてしまった。そのまま地面に激突!? しかし間近で手をついて助かった・・・
あぶね〜(-.-;) 直ぐさま後ろを振り向いて夫婦のリアクションを確認してしまった(^^;) びっくりした顔してたな〜(^^;) びっくりしたのはこっちなんだけどね・・・
その後、何事もなかったようにスタスタ歩いた・・・ 幸い擦り傷だけで済んだ。
槍見河原で最後の槍ヶ岳を見て、また来るからね〜と手を振った。
しばらく歩くと南岳が見える場所にやってきてしばし眺めてから出発。また来年かな〜(^^)/
さらに歩き薄日も消えてどんより雲が増えてくる。 横尾の気配も近くなりラーメンラーメンと呟きながら歩くと程なく横尾に到着した。お疲れさん〜
横尾はそれなりに人が集まりにぎわっている。涸沢からの下山者と槍からの下山者が合流してくるので賑やかだ。
予定通り、ラーメンだ!! 徳沢のラーメンも考えたけど昨年の苦い思い出があるので確実な横尾のラーメンになったのだ。
お腹も空いていたのでズズズズっと一気に食べた感じだ。スープもほとんど飲んでしまう勢い(^^;) ふぁ〜満腹!!
少し腹休憩〜 でも天気も怪しいしまだ上高地まで長いのでのんびりはしてられない、いちおう3時30分の長野行きのバスに予約しているけどすでに1時半、
まず無理なのでこの時点で諦めて路線バスかタクシーで下ることにした。
槍沢ロッジあたりから常に前の方を歩いていたオヤジヘルメット隊が出発したので我々も出発だ。
お菓子とか食べて軽くなってるはずのザックだけど重く感じる。 巨大案内図のあたりから北穂を遠望してから本格的に歩き出す。ザクザクと平坦な道は
かなりつまらない。 しかも横尾で「気合い電池」が切れたので足取りも重い、とりあえず相棒がいるのでお喋りしながらどんどん歩いた。
明神岳の前峰はまだ雲はかかっていないけど、振り返る槍沢奥の上空にはレンズ雲が出て天候の悪化を実感出来る。夕方には降り出すかもね・・・。
新村橋を過ぎ徳沢でちょっと休憩してすぐに出発! とりあず明神まで行ってコーヒーでもしましょうということで歩き出す。
明神まではそれなりにアップダウンがあり足も重くてゲンナリだった。涸沢のときより疲れた感じ。さすがにこの距離歩いて1泊ではちゃんと休まら
ないってことだね。 足が上がってないのでちょっとした石でけつまずいたりしてしまう・・・(^^;)(^^;)
なんだかんだと肩も痛くなる頃、明神に到着だ。 とりあえず明神館の食堂に入りコーヒーとホットココアを注文してほっこり暖まった。ふぃ〜
天候もいまいちになってきたので人も少なく静かである。
温まったところで出発! ここからはさすがに観光客が多くてトロトロ歩いていた。 それを縫うように進み、途中でアイゼンを回収〜!! 盗られずに
ありました(^-^) アイゼンを加えるとズッシリと重くなってしまった。たかだか400gなんだけどね・・・ 疲れてるから重く感じるのだ・・・。
ガンガン歩き、そろそろ上高地かと思われる樹林帯にくると猿の鳴き声が響いていた。ボスが群れを呼んでるようだ。 どこにいるのかと目をこらして
歩くと薄暗い林床の中に数匹確認! すると前方の道をおさるの軍団が堂々と歩いてきた!!! 人が近くを通っても逃げようともせず、目を合わせると
やばそうなのでうつむき加減にスタスタ歩き、すれ違うこと2回。さらに突然笹藪の中から数匹飛び出てきてちょっとびっくり!! こんなに近くに寄って
くるのかいな〜! 日光の猿と違って物を盗りに来ないだけ可愛いものか? でも集団で現れるとちょっと怖いな・・・。
なんとか軍団から遠ざかり小梨平キャンプ場に到着。 梓川の方へ向かい穂高を眺めた。 雲はかかってないけどどんよりとした雲が上空を覆っている。
今にも降り出しそうだ・・・。 そのまま梓川沿いを歩くと正面に焼岳が見える。こちらは雲がかかり始めていた。
やがて賑やかな声がしだすと河童橋に到着である。お疲れさま〜〜〜〜★
橋の袂の売店でちょっとくつろぎ穂高を眺めて今回の登山の締めくくりとなった。
このあと、バスターミナルでタクシーに乗り新島々に向かったが、12000円で松本まで行くよ〜と言うので島々で乗り換えるの面倒だし乗せて行ってもらう
ことになった。2人で6000円はちょっと高いかな? ま、今回は初めての南岳の達成感でいっぱいだったしそんなにもったいないとは思わなかったのでちょっと
贅沢して帰路についたのでした。
でも疲れに追い打ちをかけたの長野からの新幹線!!。 信号トラブルとやらでで随分遅れていして満員で座れなくて東京まで立ちだったのでこれは山歩き
より疲れました(+_+)
初めての南岳、穂高界隈の稜線に立つのも初めてで正直夕方まで上れるのかと心配だったけど意外と歩けるものだとわかりました。3000mからの展望も
すばらしく、槍沢の紅葉と、間近でみる槍ヶ岳、氷河公園、北穂、奥穂、なにもかも新鮮ですばらしかったです。でもやっぱり1泊では短いので来年は
是非2泊で行きたいと思いました。
おしまい・・・