山歩きヘロヘロ日誌

2007年9月8日(土)〜9日(日) 涸沢デビュー★

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登 山 日2007年9月8日(土)〜9日(日)
ル ー ト ■9月7日(金) 新宿より夜行バス「さわやか信州号」で出発===
■9月8日(土)(曇り時々小雨のち晴れ)
 沢渡(05:30頃)==(シャトルバス)==上高地バスターミナル(5:55頃着)・・・・
 河童橋・・・・明神会館(07:05頃)・・・・徳沢園(7:55頃・休憩)・・・・横尾(8:55頃着・大休憩)・・・・
 本谷橋(10:38頃・休憩)・・・・・・涸沢ヒュッテ(12:35頃着・大休憩)・・・・涸沢小屋(13:45頃着/周辺散策)【泊】
 
■9月9日(日)(晴れのち曇り)
 涸沢小屋(6:35発)・・・・・・・本谷橋(7:45頃・休憩)・・・・横尾(8:45頃着)・・・・槍見河原(9:25頃)・・・・
 横尾(10:20頃・休憩)・・・・徳沢園(11:35頃・休憩)・・・・明神橋・・・・嘉門次小屋(12:30頃)・・・梓川西岸道・・・
 河童橋(13:20頃・昼食)・・・・上高地バスターミナル(14:00発)==路線バス==新島々==松本駅==帰京
登 山 者てばまる、meaさん
 
 

■9月8日(土)(曇り時々小雨のち晴れ)
 沢渡(05:30頃)==(シャトルバス)==上高地バスターミナル(5:55頃着)・・・・
 河童橋・・・・明神会館(07:05頃)・・・・徳沢園(7:55頃・休憩)・・・・横尾(8:55頃着・大休憩)・・・・
 本谷橋(10:38頃・休憩)・・・・・・涸沢ヒュッテ(12:35頃着・大休憩)・・・・涸沢小屋(13:45頃着/周辺散策)【泊】


 「山と渓谷」「ヤマケイJOY」「岳人」「岳人別冊」などなど山に関する雑誌には必ず掲載される穂高、槍。随分と前から 気になる山域であったがなかなか行く機会が得られず、また行こうとすると台風がきたりして中止。 雑誌に掲載される写真や穂高好きさん たちのサイトのレポなどを見てはため息をついていたが、遂に決行することとなった。とはいっても今回は1泊しか出来ないので穂高を眺める涸沢泊まりである。 それでも、初めての涸沢、どんな感動を見せてくれるのだろうか、ワクワクである。
 しかし、直前に台風接近!! なかなか動かない台風にヤキモキしたが、なんとか出発前に通り過ぎてくれた。台風の影響で道路などに影響はないか心配 であったがそれも大丈夫そうである。
 
 今回は、さわやか信州号の夜行バスを使うことになっている。関東から楽々運んでくれるので便利で人気がある。
 出発は新宿都庁駐車場。尾瀬のバスもここから出るのでお馴染みの場所である。今夜は尾瀬に行く人は少ないよだが、人気の上高地行きは2台体制だった。受付を済ませて乗り込む。 23時過ぎバスは出発した!!
 
沢渡からシャトルバスで上高地に向かう。
 座った場所が悪かったのか、バスの運転が悪いのか、はたまた期待と不安なのかなかなか寝付くことが出来なかった・・・。
 バスは高速道路や国道などをひた走り、午前5時過ぎ沢渡に到着である。まだ規制中なのでここから低公害車のシャトルバスに乗り換えるのだ。マイカーも沢渡にある駐車場に置いて バスやタクシーに乗り換えることになっている。 
 既にまわりは明るくなっていて雲は多いが青空が見え少し朝焼けも始まっていた。予報どおり台風一過が期待できそうだ!! 
 
 少し待ってやってきたシャトルバスに乗り込んで出発である! 細い山岳道路をひたすら走ると坂巻温泉を通過して釜トンネルに突入〜! ここをくぐるのは実に12年ぶり である。過去に一度だけ上高地を訪れて以来だ。 緩い上り坂、しかもカーブしているのでスピードを落として進んだ。
 やがてトンネルを抜けると視界が大きく広がる!! 直ぐに見えてきた景色は大正池であった。おお〜! まだ陽は差し込んでなくて水面を覆う朝霧が幻想的で下車して 撮影したい衝動に駆られてしまった。
上高地バスターミナル。12年ぶりである。ターミナルの後方の山が印象的。
 焼岳も見える筈だが雲に覆われているようだ。やがて帝国ホテル前を通過してほどなくして終点の上高地バスターミナルに到着である。6時10分。少し遅れたかな?  一番のバスとあってかターミナルは人は少ない。でもタクシーで来た人たちがすでに沢山いたりして賑やかである。以前の記憶はほとんどないが、ターミナルに覆い被さるような 山々は健在であった! 
 
 トイレを済ませて、登山届けを出す。BOXは既に満杯状態で押し込んだ。こんなに入山してるのかな〜? 
 持ってきたおにぎりなどを頂いて朝食である。 続々と入ってくるバス、ターミナルはどんどん人が増えてきた。先は急がないが長居は無用ということで出立することとなった。
久しぶりに見る「生」河童橋。
 
 久しぶりに来たのでいくつかに別れた道に迷いそうになるが、とりあえず河童橋と書かれた標識方向に歩く。ひんやりとした森林を抜けるとほどなくして梓川が見え、あっけなく河童橋に到着!  あれれ? こんなに近かったっけ? 遠い昔の記憶はあてにはならないな・・・
 久しぶりに見る河童橋、岳沢の方向に奥穂高の峰が見えるはずだが・・・なんで曇ってるの? 空はどんよりとした曇り空、時々霧雨が降っていた。おいおい台風一過はどうなったんだ?   なんだか釈然としないが、山の朝の天気はこんなもん、そのうち晴れてくるだろうと思いつつ歩き出した。
 
 
 明神までは行ったことがあるが、今歩いているこの道。。。ほとんど記憶になかった(^^;) 少し歩くと、ビジターセンター、テント場も見えてくる。小梨平あたりだろうか、木の上に 蠢く物を発見!! なんとお猿さんであった! しかも、あちこち木の枝に座っていて、毛繕いしているやつもいる。前来たときは見なかったけど、早朝だからいるのだろうか? 目を 合わせるなと相棒に言われるが、カメラマンの血が無意識にカメラを向けてしまった(^^;) でもブレていた・・・(-_-)
時々太陽が顔を出すが長続きはしなかった・・・。木の上に沢山の猿がいました。このあたり梓川で運ばれてきた白い砂利が多いです。
 森林内で一番咲いていたのはサラシナショウマだ。尾瀬でも見掛けるがこんなに咲いているのは初めてである。またミヤマトリカブトやアキノキリンソウなども咲いていた。
時々小雨が降ってくるが長くは降らず、時には朝陽が顔を出し森に眩しい日差しが差し込む。晴れるのか雨なのか? よくわからない天気になりそうだ!? 
 地図では1時間だが50分ほどで明神館に到着した。とくに疲れてもないのでスルーしてそのまま進む。観光目的の人はほとんどここで休み明神池の方に進むので観光客と登山者の分岐点 でもある場所だ。でも、中には徳沢や横尾まで足を伸ばす観光客もいるようだ。
 このあたりから梓川沿いに景観がよくなるはずなのだが、山々は低い雲に覆われて展望が無い・・・ やはり回復の見込みはなさそうだ・・・ただ雲は速く動いているのでこれ以上崩れる ことはなさそうである。
単調な林道をひたすら歩く・・・紫色のノコンギクはけっこう可愛い。梓川の向こううの山は雲に隠されていた。
 穂高好きさんのレポでよく見ていた景色を見ながらどんどんと進む。時折咲いてる花に癒されるがそれほど咲いてはいないので結構な早足で歩いた。ときおり明神岳の山肌が見え隠れして岩肌がカッコイイ!!  上の方まで見えるといいのだけどなぁぁ〜 比較的平坦な道だが、同じような景色が繰り返されて、ちょっと飽きてくる。。。こんな道を3時間、往きは勢いでなんとかなるが、ヘトヘトの帰りでは ほんとに飽き飽きしてきそうである。初めての我々でもちょっと閉口になってしまう。尾瀬で言えば大清水〜一ノ瀬だろうか? でもあれは1時間弱だけどここは3時間である(+_+)
 
氷壁の宿で有名な徳沢園。周辺にはサラシナショウマが群落を作っていた。
 流れの強い徳沢の川を渡ると平坦な森に出る、奥の方に小屋が見えたので行ってみると、徳沢ロッジであった。サラシナショウマの群落を見ながら小径を進み広いテント場を過ぎると徳沢園が 見えてきた! ほうほう、ここが有名な徳沢園か〜! 氷壁の宿として一躍全国区?の山小屋である。 細かい話しだが、地図では明神館や徳沢園は「H(ホテル)」のマークになっているが 横尾山荘は山小屋のマークで、徳沢園はホテル認定なのかとちょっと驚いてしまう。
パノラマコースに通じる新村橋。
 
 このあたりで標高1560m。既に尾瀬沼より高いことになるが、そうとは感じないのは周りの山がまだまだ遙かに高いせいだろう・・・。徳沢園では少し食べ物を食べてから出発することに なった。直ぐ近くの小川はすこぶる透き通っていて美しい! そのままでも十分に飲めそうな感じだ!! 
 
 薄暗い森の中を少し歩くと、新村橋に到着だ! おお〜これも穂高好きさんのレポでよく出てくる橋やな〜! 橋を渡るとパノラマコースに続くわけやね。天気がよければ下山はパノラマ コースを予定しているがこの天気回復するだろうか? 
 
 梓川の川幅も徐々に狭くなり前穂の山腹が迫るように見えてきて随分奥まできたな〜と実感してしまう。でもまだ行程的には半分くらいだ。
 さらに歩いて一気に川幅が狭くなると横尾谷の視界がどーんと広がり、屏風岩や横尾尾根、遙かに西岳あたりが見える!筈だが、雲で何も見えなかった・・・(T_T) しかも小雨が降ったり やんだり・・・(T_T) ん〜初めての山なのにこの天気はちょっと・・・。でも、景色は新鮮なので気力はあまり落ちないのが不思議だ。
あの山は屏風岩に続く山だと思うけど・・・?大きなアザミ。可憐な白い花のセンジュガンピ。
 道々にポツポツと咲くのはセンジュガンピというナデシコの仲間だ。夏の花だそうだがまだ咲いていたのには驚き! また、巨大なアザミもあるがちょっと名前が定かではない、ホタルブクロや ゴマナ、紫色のノコンギク、アキノキリンソウなど結構咲いていて気持ちが和む。
 
 やがて大きな建物が見えてくると横尾に到着だ! 時間にして約2時間半。なかなかいいペースで歩いてきた感じである。
 横尾山荘の前には大きな吊り橋! 横尾大橋である。これもレポで見たことがあるぞ〜! 初めてなのに親近感が出てくるのは不思議だ。その橋の向こうには屏風岩が聳えるはずなのだが ほとんど雲に覆われている。それでも、岩肌が見え隠れし標高の高さを感じさせられる。晴れていれば素晴らしい景観だろうな〜!
横尾山荘に到着。これが横尾大橋!! 橋の向こうに屏風岩が見えるはずなだけど・・・
 多くの登山客が山荘周辺で休憩を取っていた。ここから涸沢組と槍ヶ岳組に分かれる分岐点、中継点なのだ。このあたりはもう登山者の世界である。
 相変わらず小雨は降るが強くはない。小屋の中ではカップ麺が飛ぶように売れていて、なんだか食べたくなったので昼食にはまだ随分と速いが食べることにした。1個350円ナリ。山で 食べるカップ麺はなんでこんなに美味しいのだろう? よくよく考えるとやはり程良い塩気のせいなのかもしれない。因みに日清のカップヌードルは低温でもしっかり戻るので夏山冬山では 一番使いやすいヌードルである。
 ふと見ると壁に山荘の今年の営業は10月10日までとなっていた。今年は修繕工事をするようで早仕舞のようだ。
 meaさんは最近集め出した手ぬぐいやバンダナを物色していて、僕も吊られて買ってしまった(^^;) 
 
横尾大橋を渡る。
 小雨は降り続くがいよいよ涸沢に向けて本格的に山の中を歩くコースとなるのでここからは更にウキウキワクワク度が上がる! 明神あたりで抜き去った数十名の団体が先に歩き出してしまったので 少し遅れて出発となった。この団体、我々と同じ涸沢小屋に宿泊だそうで、ちょっと賑やかになりそうだ!!(-_-)
 
 合羽を着ると暑いのでスパッツとザックカバーだけつけて歩き出す。横尾大橋は近くで見るとさらに大きく見える。尾瀬では冬場は橋板を外すがこのあたりではどうするのだろう? かなりしっかり はめ込まれているので外さないのかもしれないな・・・。 橋から槍沢から流れくる沢を眺める。この上流に槍ヶ岳があるんだな〜とちょっとしみじみである。いづれは極めたい山の一つだ!
 橋を渡りきると整地された林道をゆるゆると歩く。林道は横尾谷に吸い込まれてゆくように伸びているが、ほとんどアップダウンもなく緩やかで歩きやすい。それでも両岸に聳える屏風岩と横尾尾根がある ので横尾までの道とはちょっと趣向が違うのが実感出来る。道は川沿いを歩き緩やかに登っているようだ。雲で判らないが谷の奥には北穂が見えている筈だ! いつしか小雨はほとんど降らなくなり 雲が谷を湧き上がってゆく。道中にもいろいろな花が咲いていたりしてそれほど飽きることはなかった。途中、先行した団体をまた抜いてしまった・・・。
アキノキリンソウオヤマボクチホタルブクロ
 
 やがて、沢の音が一段と大きくなってくる、屏風岩もすぐそこにそびえ立つようになってくると本谷橋に到着だ! 地図で見ると奥に北穂が見える筈だが、雲で判らない・・・。  とりあえず小休止ということでザックを下ろした。いつもこれだけの水量なのか、はたまた雨の影響なのか? かなりの流れになっていた。そこに団体がやってきた。流石に狭く休めないので早速橋を渡り出す。 かなり細い橋なのに隙間をあけることなくどんどんと渡ってゆく! もしワイヤーが切れたりしたらとんでもない惨事になりそうで見ている方が怖い! リーダーはちゃんと分断して渡らすべきであろう!
 団体は渡りきった河原にで休憩するようだ。よし! このスキに先を急ぐか!! と出発する。 橋はことのほかよく揺れて揺れの反動でよろけそうになるが、楽しいいい〜(^-^)
本谷沢橋を渡ります。結構揺れまするるる・・・沢の奥に北穂が見える筈なのですが・・・。
 橋を渡りきり、団体を横目に歩き進んだ。この橋からは本格的な山道となり急な登りもあると地図に記載されている。 するとその通りに、いきなり急登が始まるが、よく整備された道なのでそれほどでもない感じだ。
 
急坂?を登る・・・。本谷沢が見えてきた。 
クロクモソウやがて沢沿いを歩くようになる。
 しばし、喘ぎながら急坂を上ると次第に緩い登りになってくる。ガレ場のような斜面もあり面白い道だ。相変わらず山々はガスに包まれているので展望はほとんどないが、それでも雲間に見え隠れする 見たことのない山にときめいたりする、あれはなんの山だろ? もしかしたら北穂? 南岳? なんだかわからないけど楽しい。
 やがて谷の向こうに川の流れが見えてくる、あれが本谷沢のようだ! あの沢を辿ると大キレットがあるのかな? 
 道ばたに咲いている茶色い小さな花はクロクモソウである。あちこちに群落が出来ていた。屏風岩の直下をどんどんと歩きやがて水の流れが見えてくると沢沿いの道を進む、目の前の視界が開けている ような感じかだが雲が多くて先が見えない、この沢が涸沢のようだ。
 このあたりから高山植物が沢山目に付くようになる。クチバシシオガマ、チングルマ、ミヤマアキノキリンソウ、アオノツガザクラ、エゾシオガマ などなど夏の花だがまだ咲いていてくれた。遅くまで残雪の残る場所ならではの光景だな。
ツートンの花色が特徴的な、クチバシシオガマ。エゾシオガマアオノツガザクラ
 どんどんと沢沿いに進み標高を上げてゆく、そして、ナナカマドの群落帯に来てふと振り向くと屏風岩が雲間から顔を出していた!! おお!! 同時に次第に周りの雲もとれ始める。一際尖った山は? もしかしたらあれが北穂だろか!? 地図を見ると方向的に間違いなさそうである!! おおお〜! 北穂じゃぁぁ〜! 
振り返ると屏風岩が見えていた!! 雲が多いけど北穂で〜す。涸沢ヒュッテに向けて更に登る。
 涸沢ヒュッテと涸沢小屋の分岐付近で先行の登山者が休んでいて、その方と少し雑談しながら景色を楽しんだ。
 
涸沢ヒュッテ〜!北穂がみえてるぅぅぅぅ〜(*^o^*)
 まずはヒュッテに行くべ〜と歩き出す。今までの疲れもなくなった感じで足取りは軽い。左手に前穂の前衛山が聳えている。低木のトンネルをくぐると建物が見えてきて更に進むと涸沢ヒュッテに 到着である! 着いた〜! そして、目の前には北穂、奥穂高、吊り尾根が雲に隠れながらも見えていた!! ふぉぉぉ〜!! 写真やテレビでしか見たことのなかった光景が目の前に広がっている!! 
涸沢ヒュッテ名物のおでんと生ビール。すっかり雲消えた屏風の尾根。
 とりあえずテラスにゆきベンチにザックを下ろした。雨が降ったあとのようでテーブルやベンチに水が溜まっている。 meaさんがおでんおでんと言うので早速買いに行くことに。そう、ヒュッテの名物は おでんなのだ! いろいろ具はあるので迷うが、ふとメニューを見ると「生ビールおでんセット」というのがあったのでこれを頼むことにした。二人とも普段はあまり飲まないので1セットだけ。出てきた セットはおでんもそれなりに入っているのでおやつ程度に食べるには丁度良さそうだ。 ベンチに戻ると小屋主さんが自ら濡れたテーブルをふいてくれていた。ありがたいことです。
 そて、グビグビ・・・っと生ビールを頂く。ん〜旨い! 喉が渇いていたこともあり結構一気に飲めてしまう。おでんも味が染みて美味しい! 一食の代わりにもっと食べたい感じだ。 
 
 一時見えていた穂高の峰峰も再び雲に隠れてしまう・・・でも、雲の動きは早いので回復の兆しはあるようだ・・・?
 北穂の麓に見える赤い屋根の小屋が今夜泊まる涸沢小屋である。ヒュッテの下にはテント場があり、今日は少ないようでポツポツだが、多いときはテント村になるのだから涸沢の人気が高いことが 伺える。一度テントでも来てみたいものだな。
ヒュッテに隣接しているテント場。吹き流しの向こうには北穂。今夜泊まる涸沢小屋が見えている。
 テラスに立つ吹き流しがヒラヒラとはためいているが風は強くはない。雲はどんどんと流れ時々青空も出てきて回復傾向だ。明日は晴れると良いな・・・
 奥穂高に登るザイテングラートをポツポツと登る人が見えている、いいな〜! 今回は1泊しかできないので涸沢泊まりと決めてきたが、到着した時間を考えるとややギリギリだが稜線までも 行けそうである。まぁ、最初からあまり無理はしないほうが良いけど次回は1泊で登る計画もやりたいな。
 
 1時間ちかくのんびりと過ごして涸沢小屋に向かうことにした。先ほど分岐のところにいた初老の方が絵を描いていて小屋主さんと話をしていた。
 ヒュツテから少し下るとテント場になりそこを横切るように道は延びている。石を敷き詰めた道でやや歩きにくい。カールの底から今度はどんどんと登るようになり北穂が目の前に迫ってくる。ミヤマシシウド やトリカブト、タデの仲間が咲いていてちょっとしたお花畑を見ながら登ると涸沢小屋に到着である。赤い屋根、広いテラスの特徴的な山小屋であった。テラスからは 雄大な穂高が展望出来て、涸沢カールを一望に出来る。
テント場から横尾谷方向。涸沢小屋への道はちょっとした勾配である。涸沢小屋のテラス。
 とりあえず受付をする。HPで見た女性が受け付けしていた。混み混みで寝るのは嫌だったのでちょっと高いが個室を頼んであった。涸沢小屋には個室は2部屋だけで人気がある。僕たちは 屏風岩が見える部屋をチョイスできた。部屋チャージは9000円で普通に泊まる料金を合わせると1人あたり13500円とかなり高いが、快適に寝られるなら安いものかな・・? この日は例の団体が泊まるので 結果的には個室は正解だったようだ。ヒュッテの方が空いていたらしい・・・。
 
涸沢ヒュッテに荷揚げするヘリコプター。涸沢小屋にもヘリがやってきた! 目の前なのでかなりの迫力!!
 個室の部屋は「光」。窓からは屏風岩や前穂の前衛峰も見えてなかなか展望は良い! もうひとつの個室からは前穂や吊り尾根も見えるそうだが、更に高値である。
 少し休んでいると、ヘリコプターの音が響いてきた! 遭難か? と思ったが、どうやら荷揚げのようだ。ヒュッテのところに何度かやってきては下ろしてゆく。そして何かゴミ?を吊り下げて再び帰って ゆくのを繰り返していた。こっちにも来るのかな? と期待していたら、やってきた!! すんごい騒音であるが目の前にヘリポートがあるのでかなり迫力である!! ヘリは東邦航空であった。
 この日、穂高周辺の山では一斉に荷揚げが行われたそうだ。台風の影響で何日も飛べなくてやっと飛んだとのことで、夕方薄暗くなるまで何度もヘリが飛来していた。
 
 まだ陽は高いので散策に出ることに。。。まずはテラスに出てコーヒーを頂く。可愛いカップに入った美味しいコーヒーだ。このカップ売店で売ってましたがやや高いので購入は見送り(^^;) 
 まだガスは多いが青空も見え稜線も見えている。 コーヒーを飲み終わるとちょっと北穂の登山道を登ってみた、北穂谷は高山植物の群落が広がっているようで、花数は少ないがいろいろ咲いていて 楽しめた。いづれはこの登山道を登って北穂に行きたいものだな〜!! 
高山植物のイラストが描かれたコーヒーカップ。テラスから前穂の峰峰、相変わらずガスが多いです。北穂への道。 
ハクサンフウログンナイフウロミヤマアキノキリンソウ。上高地あたりにあるものよりこじんまりしている。 
ミヤマトリカブトタテヤマアザミミソガワソウ
 その足で涸沢カールまで下ってみる。まだ少し雪が残っていて久しぶりに雪に触れた感じだ。この雪渓は直ぐには消えそうにないのでもしかしたらこのまま冬になるのかもしれないな、その雪渓の奥には 吊り尾根があった。
雪渓の上で佇むワタシ。涸沢ヒュッテでコーシーを頂く。たっぷり入ってお得です!
 
 テント場は来たときより増えていた。緑色のテントは貸しテントのようだ。借りることが出来ればテント泊も楽になるのでありがたいサービスである。ちなみに毛布やシュラフも貸し出されているようだ。
 ヒュッテのテラスも賑わっていた、といっても満員というほどでもなく、タイミング良く空いたテーブルに陣取った。そして、またまたコーヒーを頂く。ヒュッテのコーヒーは大きなカップにたっぷりと 入っていて値段の割にお得である。味も秀逸! 薄暗くなる涸沢、雲が多いので夕焼けはちょっと期待出来ないが、この光景を見ているだけでも幸せだ。
涸沢小屋の夕食。豚テキはまいう〜
 まったりと過ごしたあと涸沢小屋に引き返した。
 
 部屋に戻り暫しくつろぐと夕食の時間となり食堂へ移動する。既にあの団体が着席していて賑やかだ。メニューはなんと豚テキ! これには驚いたが、非常に美味しかった! やや塩辛い感じもするが 山歩きで疲れた体には丁度よい塩加減かな? けっこうなボリュームなのでお腹いっぱいである。
 
 食後は再びヒュッテの方に下ることにした。夕景の撮影である! 雲が多いが、もしかしたら少し焼けるかもしれないと期待して出掛けた。
 
 ヒュッテのテラスは相変わらず賑やかで夕暮れの穂高を眺めながら一杯やる人が多い。焼けることを願いながら夕暮れの涸沢を眺める。奥穂の小屋や涸沢小屋の灯りがほんのりと灯っている。 涸沢岳あたりの稜線がやや色づく・・・。まだガスが漂うのでそのガスと尖った峰峰の絡み具合がなかなかグッドである!! 一際尖った山は涸沢槍でカッコイイ!! 
影ってしまった屏風の尾根と青い空が対照的だ!夕暮れ迫る奥穂〜涸沢岳〜北穂の稜線。涸沢槍がカッコイイ!!
 峰に囲まれた涸沢はどんどんと薄暗くなってゆく。やはり焼ける事もなく夕闇が迫ってきたので小屋に戻ることになった。今夜は星は見えるだろうか? 夜半まで雲に覆われていても夜中には満天の 星になることが多々あるので期待したいところだ。
 
 
 次第に闇に覆われる涸沢と穂高の峰峰、ヒュッテの灯りがやけに明るく場違いな明るさだが、万が一の遭難者や暗くなって辿り着く登山者に灯りを見せることで勇気と安堵感を与えるための灯りだろうと 勝手に想像してしまうが、尾瀬でも目映いほどのライトを灯している宿があるが案外想像は当たっているかもしれないな?
 部屋でウダウダと過ごして9時前には就寝である。星はまだ見えてなかった・・・。
 
 
 疲れもあって直ぐに寝てしまったようだが、ハッと11時過ぎに目が覚めた。そして外を見ると・・・満天の星が輝いているではないか!! おお〜 と一気に目が覚める!! とりあえず外に出てみようと テラスにゆくと峰峰の上空にはまさしく満天の星空!! 横尾谷の方には霧が溜まっているがそれ以外は見事に晴れていた! 天の川もくっきりだ! こうしちゃいらねぞ〜と部屋に戻って撮影の準備を 整える、meaさんにも声を掛けるが眠さに負けいるようだ・・・こんな素晴らしい星空なのに・・・ 仕方ないので一人で繰り出した。
穂高の稜線の上空に満天の星空が広がる!! 美しい〜!!!
 テラスで少し撮影してから北穂と一緒に撮りたいなと思いテント場まで 下ってみる。サンダルできてしまい歩きにくいのを後悔するがそんなことよりも撮影である! その一心で辿り着いたテント場。みんな寝てる・・・もったいない! 大声で星が綺麗だよ〜と叫びたくなってしまった(^^;)
 それくらい素晴らしい星空である。こういう光景を何度も想像していたのに初日で見られるなんて、しかも昼間の天候からは嘘のように晴れ渡っている。超広角レンズを使ってどんどん撮ってゆく。長時間撮影は デジタルでは厳しいので高感度、短時間で星を点に撮影するスタイルだ。
 撮りながらも満天の星空を眺めるが、谷の霧が湧き上がってきているようで、次第に視界が消えてゆく。。。う〜ん、また曇るのか? 涸沢小屋のテラスなら霧の上になるかも? と小屋に戻ることにした。 蹴躓きながらテラスに戻るが、霧はどんどん湧き上がる、更に稜線の上にもガスが湧き上がってきていた。む〜ん、駄目か・・・ 暫く薄く星が見えていたがやがて何も見えなくなってしまったので。部屋に戻った。
 雲に覆われたとはいえ、あの満天の星空は瞼にやきつくほどに素晴らしいものだった。なんとかもう少し撮影したいものだが・・・。
 
 
 
■9月9日(日)(晴れのち曇り)
 涸沢小屋(6:35発)・・・・・・・本谷橋(7:45頃・休憩)・・・・横尾(8:45頃着)・・・・槍見河原(9:25頃)・・・・
 横尾(10:20頃・休憩)・・・・徳沢園(11:35頃・休憩)・・・・明神橋・・・・嘉門次小屋(12:30頃)・・・梓川西岸道・・・
 河童橋(13:20頃・昼食)・・・・上高地バスターミナル(14:00発)==路線バス==新島々==松本駅==帰京


 少しうとうとしていたら、ガサガサとmeaさんが起き出して窓から外を見ようとしたので「星出てないよ〜」というと、「出てるよ〜」と言ってまた寝てしまった・・・。 ほんとかな〜?と 覗くと再び満天の星空になっていた!! おお! 慌ててテラスに出てみると、雲やガスはほとんどなくなり安定した星空である!! こりゃ〜いかんとばかりに部屋に戻りカメラを抱える、 meaさんに見に行こう〜! というが、やはり眠気に負けているようだ・・・ う〜ん。もったいない。。。
ミヤマシシウドと星空。真ん中あたりに集まっている星は「すばる」です。
 
 テラスから暫く撮影していると、星のざわめきを聞いたのか何人かの宿泊者が出てきて感嘆の声をあげていた。
 薄い雲もときどき流れてくるがすぐに消えてしまう、僅かに風があるので夜露も降らない星空撮影には絶好のコンディションだ。 やはりテント場まで下りて撮影したいと思ったが、その前に もう一度、誘いをかけてみようと部屋に戻った。 こんな機会はなかなか訪れないからな〜 声を掛けて起こして誘うが、やはり寝たいようである・・・。ん〜仕方ないな〜 
 テラスから再びテント場に下り、撮影を開始する。最初に来たときより天気は安定しているようだ。北穂の山頂にポツンと灯りが見える小屋の灯りだろうか? 撮影しながら眺めていると 流星がひゅ〜と1つ流れた!! 暫くしてまたまた流れた!! 暗いので写真には写ってないが満天の星空と流れ星のオマケ付き。ほんとにうっとり状態で眠気も吹っ飛んでしまった。
 午前1時過ぎまで存分に撮影して小屋に戻ることになった。登る途中、ミヤマシシウドが夜空にスクっと聳えてなんともいえない光景で思わず撮影してしまった。テラスでまた少し眺めて から、寝るか〜 と部屋に戻った。
 
 
 午前4時頃、目が覚める。外を見ると東の空がほんのりと青くなり夜明けが近いことが判る。そして屏風の尾根の上に三日月と金星が揃って輝いていた。なんて綺麗なんだろう〜!!  そして前穂の上にはオリオン座が鎮座している! ふぉぉ〜!! 美しい!  meaさんも起きてきて、最後のチャンスとばがりに見に行くよ〜! と促す。たっぷり寝たせいもあってか 今度は出掛ける支度を始めた。よしよし。
屏風の尾根の上空には地球照を抱いた三日月と金星が輝く!! 前穂の峰峰とオリオン座。
 テラスに出るとすでに何人かの人が眺めていた。そしてカールには点々と灯りが灯り移動している。既に登り始めているようだ。ザイテングラートにも灯りが見えていた。まだ暗い峰峰だが その稜線はしっかり見えている。そしてその上には闇が薄らいだとはいえまだ沢山の星達が輝いていた。オリオン座は一際明るく存在感がある。
 
 天気は安定して雲一つ無かった、もしかしたらモルゲンロートが見えるかもしれないぞ〜と期待が大きく膨らむ。 どんどん白み初めて星は消え稜線がうっすらと明るくなってきたので テント場まで下りて見よう〜と歩き出す。その途中、横尾谷の向こうの稜線が見える、常念岳だろうか? その上空が薄くオレンジ色に染まり初めていた。
 テント場はみんな起き出してガサガサとしている。出立の準備をするもの食事をつくるものと慌ただしい感じだ。少し外れた場所にカメラをセットして夜明けを待つ。北穂のテラス?に 数人の人がいるのが望遠レンズで見ることが出来る。奥穂小屋の付近にも人影が見えていた。みんな夜明けを眺めに出てきているのだ!! 稜線からなら既に朝陽が見えて いるかもしれないかな? 
横尾谷の向こうにオレンジ色に染まり常念岳?のシルエットが綺麗だ。次第に光が戻ってくる吊り尾根。夜明け前の穂高の稜線。
 すでに星は消えて三日月と金星だけになっていた。そして穂高の峰峰に明るさが下りてくる。山頂からゆっくりと山腹に光が入り様々な色が戻る・・・。日の出は5時12分となっていたが その時間になっても赤見が差してこない・・・ もしかしたら地平線に雲でもあるのかもしれない? 朝食が5時半くらなのでそろそろ帰らないといけない・・・ 少し待っても駄目そうなので 仕方なく戻ることに・・・ 歩いていると、稜線がうっすらとオレンジ色に!? 次第に色が濃くなってきたので、戻ろう! と慌ててテント場まで戻った。 カメラを向けている間にも どんどんと赤見が強くなり峰峰を染め上げてゆく! いや正に染め上げるという言葉はふさわしい! いきなり見てしまったのだ!! 穂高のモルゲンロートだっ!! 鳥肌がたつような感動的な 光景である!! 見たかった光景がそこにある!! 染まる、前穂、染まる奥穂、染まる涸沢槍、染まる北穂・・・。とにかく夢中でシャッターを切った。
穂高の稜線を染め上げるモルゲンロート!! 素晴らしい!! 涸沢岳と涸沢槍が燃える!!
 赤い色は次第にオレンジ色になり、やがて淡い黄色になり、朝のドラマは幕を閉じた・・・ ふぅ〜 凄いものを見てしまった・・・。 
涸沢小屋の朝食。
 
 余韻にひたりつつ急いで小屋に戻った。 食堂では既にみんな食べ始めていて我々だけの席がポツンと空いていた。ちょっとこっぱずかしい感じで着席して朝食を頂いた。昨晩も同席した 2組の夫妻と同じだった。そのうちの1組は今日は奥穂に泊まり明日は前穂から岳沢に下ると言うことだ。定年退職後なので時間に余裕があるそうでのんびりな山歩きを楽しんでいられるようで 実に羨ましい。
 あの団体も食べていたが、あっという間に食べ終わりいそいそと部屋に戻っていった。この団体これから北穂に登りまたこの小屋で泊まるということだ。恐るべし定年組!!
 
 時間的に考えれば、早朝に北穂なり奥穂なりに登って山頂にハイタッチしてきて戻ってきてから上高地に下山というのもいけそうである! 次回の計画案になりそうだな。
 しかし、今回は偵察登山なので無理はせずに下山である。当初はパノラマコースの予定だが、人に聞くと危険な部分も多いのでお勧めしないとのことで、同じ道を下ることになった。 しかし、ただでは帰らない我々なので、槍沢方向に小一時間ほど歩くと槍が見える場所があると地図に記載されているのでそこに寄ってみることに決定した。
 
涸沢小屋テラスから奥穂高岳!!テント場付近から穂高の峰峰を見上げる!!北穂岳!!
 支度を整えて小屋を後にする。屏風の尾根から太陽が顔をだして涸沢に眩しい光が降り注いでいた。昨日とは違い青空とまだ緑を抱いた穂高の山々がすんばらしく美しい!! まさに 観光写真のような世界である。今日下山でなければもっとゆっくり眺めていたいところだが、帰りの行程も長いのでとにかく下山である。何度も何度も振り返り涸沢の光景を見る。こんな 素敵な場所が日本だなんて・・・ 尾瀬もそうだが、日本の自然もまだまだ捨てた物じゃないなと思った。
 
このあたり秋にはナナカマドが真っ赤に染まり美しいそうだ。今日は本谷の奥の方もよく見えている。
 どんどんと下るがやはり涸沢の光景が気になり足が止まる、もっと見ていたいな〜という欲求に駆られる。機会があれば2泊して丸一日涸沢に滞在するのも悪くは ないなと思った。
 眩しい太陽が屏風岩に隠れるようになると樹林の道に入る、昨日は見えてなかった本谷の上流部も見えている。北穂の東陵や横尾尾根、一番奥は南岳に続く天狗の尾根かな? 昨日とは 違う光景にまたまた足が止まってしまう。はぁ〜 いい眺めだな〜
 
本谷橋から見る北穂岳、見る角度が変わると違う山に見えてくる。本谷橋に到着〜!見上げると屏風岩が聳える!!
 横尾山荘に宿泊した人だろうか? 次々に登ってきていた。時間的に上高地からの登山者ではなさそうだ。 終始見え続ける北穂岳。いつかは登りたい!! 
 急坂をぐんぐんと下ると本谷橋に到着だ。背後には屏風岩がそそり立っていた!! あ〜凄い岩だな〜!! ここを登るクライマーもいるんだろうな〜 橋のたもとで暫し休憩して 景色を楽しんだ。
 
北穂から続く鞍部は、あの大キレットかな?屏風岩も歩き進むたびに形が変わってゆく。 
昨日は見れなかった横尾大橋からの雄大な眺め。梓川素意の景観も素晴らしい。水が綺麗です。
 ここからは緩い下り道。右手にずーと見える屏風岩は少しずつその景観を変えて見飽きることがない、そして振り返ると北穂、そしてキレットだろうか? 湾曲した鞍部が見えている。 あのキレットを歩くことはあるのだろうか? 山岳写真家ではないので怖いところは避けてきたが、一度は通りたいアルプスの尾根道であるな。
 
 見えていた北穂も隠れてしまい屏風岩の姿もすっかり変わってきて、ほとんど平坦な道を暫し歩くと横尾大橋が見えてきた! 着いたか〜 
 横尾山荘前はこれから登る人が沢山来ていた。時間は8時45分。 それほど時間が有るわけでもないので荷物をデポして槍沢方面に歩くことにした。
 
 
 この道もゆるゆるとした平坦な道が延々と続く。槍沢の流れる音が絶えず聞こえている沢道だ。そのおかげでほとんど展望もないが時々見える北穂の稜線?が見えると嬉しくなる。
 道々には花も多く結構楽しめる。下山してくる人も多く何も持たないで登ってゆく我々には妙に思ったに違いないな(^^;) 別に槍ヶ岳に登るわけではないですから・・・と心の中で 呟きながらすれ違った(^^;) 
槍沢沿いの道をゆるゆると歩く。やっと槍の全貌がみえました! 槍ですよっ!!
 時間的にはそろそろだろうというころに、ついにその場所に到着した、「槍見河原」である。しかし、あたりは樹木が生い茂りどこだろうと探していると川の奥の方に少し尖った山が 雲に見え隠れしていた。あれが槍ヶ岳のようだ!! 想像以上に姿が小さいので拍子抜けである・・・ しかも雲で半分見えない・・・ せっかくここまできたのだから全貌を見せて ほしな〜 お菓子を食べながら暫し待っていると、サーと雲がとれて槍の穂先が見えましたっ!! おお〜槍ヶ岳ですよ〜!! 小さいけど槍です! デジカメで撮って拡大してみると 槍の岩の感じがわかります。横の写真がその槍ヶ岳です。
 
 小さいけど見れたのでヨシとして元きた道をまたまた単調に歩いてゆく。。。 でも、来たときよりは足どりも軽かったので、意外とすんなり横尾に到着してしまった。
横尾山荘で山を眺めながらコーシーを頂いた。昨日は雲で山が見えなかったけど、天気がよいとこんな感じに見えます。 
天気が良いので遠くまで展望があり気持ちがいい!!日差しがあるので森の中も明るく気持ちがいいです。
 
 少し時間があるので横尾山荘でコーヒーを頂く。窓から見える屏風の尾根と明神岳あたりかな? まだまだこの付近の地理には疎いので方向が変わるとさっぱり 判らなくなる。。。 とにかく素敵な景色を眺めながらのコーヒーはおいひいです。
 
 さてさて、上高地に向けて帰りますか〜! 天気は上々で展望の悪かった昨日とは違いどこまでも山々が見えていた。梓川の上流に見える色の違う尾根は東鎌尾根だろうか?  そこに続く高い山は西岳かな? 穂高スキさんが居れば簡単に答えてしまうだろうな〜 
 天気が良いので梓川も深いところでは青緑色に輝き美しく、そんな様子を樹林越に見ながらどんどんと歩いた。やがて山が大きく迫るようになると新村橋に到着。 パノラマコースに続く道だが、何人かの登山者が渡ってくるのが見える。パノラマを下ってきたのかな〜? 
 そこから、さらに歩くと徳沢園に到着である。休憩して売店でお土産を物色する。徳沢園あたりまではけっこう観光客とおぼしき人が来ていて賑わっていた。 茶店でコーヒーも考えたがやめて先を急ぐことにして出発だ。
 
遠くに見える色の違う尾根はなんでしょう???大活躍のブーちゃんと下山です(^-^)明神橋と明神岳前峰。この頃から急速に曇ってきました・・・
 更に単調な道をガスガスと歩いて、明神館に到着、ここまでくると観光客だらけ! 同じ帽子の人や同じバッジのの団体、どこかのツアーの人たちでひしめいていた、静かな 涸沢から下りてきた僕たち山歩き組にはとても絶えられる状態ではない・・・が、明神池も見ていこうということで明神橋を渡る。普通のカップルやら五月蠅いガキが走り回って いたりしてほんとに落ち着かない・・・(+_+)
 それにしても、あれだけ晴れていたのがこのころから急速に雲が広がってきていた・・・。
この先に明神池がある。拝観料300円ナリ・・・。
 
 明神橋から少し行ったところに有名な嘉門次小屋がある。前に来たときはもう少しこじんまりしていた気がするが、今はとても繁盛しているようであった。さらに奥に社があり その奥に明神池がある。近くで見るには拝観料が必要だが、ありがたい池だそうだが別にお金払ってまで見るような池でもないので引き返した。
 
 河沿いの道まで戻って自然散策コースを歩くが、くねくねとした道が延々と続き、観光客は多いし次第に疲れてきてしまった。樹間から見える空は更にどんよりと曇り今にも降り出しそうな気配さえあった。 午後から下り坂と予報があったがやはりその通りになってきたようだ。降り出す前に バスターミナルにたどり着きたいと腹ぺこを我慢して歩き続けた。以前、散策した道だが、気持ちに余裕があまりないせいか面白みはなかった。でも、綺麗な水と森には ちょっとゆっくり見てみたいという感じはある。
 
 やっと岳沢を越えて暫し歩くと漸く建物が見えてきて河童橋に到着である。ふぅ〜 お腹も空いたので適当に店に入ってお蕎麦を頂いた。出来ればご飯物が良かったのだが、 シャリ切れだそうで食べれなかった。他にレストランはあったのだが、動くの面倒なのでお蕎麦である。
岳沢から奥穂や前穂が見えるが雲に覆われてしまった。 
バスの車窓から大正池越に穂高の山を見送った。またね〜(^o^)/
 
 食べ終わり、河童橋を渡る。川の向こうに見える筈の奥穂高や前穂高は雲がかかり見えなかった。残念・・・ そういえば知り合いの穂高スキさんが西穂から入山して 奥穂に向かっている筈だが・・・天候悪いし大丈夫だろうか? (後に聞いた話では中止したそうだ。)
 
 バスターミナルに着いたのは13時50分。14時丁度のバスに乗りたかったので急いでチケットを購入。幸い2台目が続いて出るそうで乗ることが出来るようだ。 14時5分、臨時のバスに乗り込み上高地を後に帰路についた。。。
 んだけど、次々に入ってくる観光バスの列に阻まれてなかなか進むことが出来なかった。こんな時期なのにこれだけ混むんだな〜と改めて上高地人気を実感してしまった。
 15分くらい待たされてやっと走り出す。青空を反映した大正池が綺麗だ! 焼岳は雲で見えない、次第に遠ざかってゆく山々に別れを告げる。また来るからね! 
 
 こうして、初めての穂高、涸沢の山旅は終わったのでした。
 
 
 初めてなのに満天の星空とモルゲンロートを見ることが出来、涸沢からの素晴らしい光景を目にしてすっかりお気に入りになってしまいました。次回は是非とも 稜線まで上がってみたいです。そしてご来光もみてみたい! 槍が見える山頂から星空の撮影もしてみたい! 欲望は膨らむばかりです。
 
 
おしまい・・・

次はここだ!!!