山歩きへろへろ日誌

2007年6月16日 雲取山

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登 山 日2007年6月16日(土)(快晴)
ル ー ト JR奥多摩駅===鴨沢登山口(7:30頃)・・・・堂所・・・・ブナ坂分岐(10:30頃)・・・・小雲取山・・・・
雲取山(11:55頃/昼食)・・・・七ツ石山(13:35頃)・・・・マムシ岩・・・・鴨沢登山口(16:40頃着)
===JR奥多摩駅
登 山 者てばまる

 
 夏のような暑さの土曜日、雲取山方面に行ってみた。
 奥多摩は何度か来たが、奥多摩湖バス停以遠は初めてだ。鴨沢バス停で下車する。午前4時に起きたが登山口には7時半着と奥多摩は かなり遠い・・・。
 雲取山方面に行くルートはいくつもあるが、一番バス便のアクセスがあり、短時間で登れそうなのがこの鴨沢ルートだ。同じように 登るハイカー数人がバス停で下車、トイレなどを済ませて早々に出立していった。僕もトイレを済ませて出発する。
 
 バス停裏の民家がある坂道を暫く上る、眼下には奥多摩湖が見える。急激に高度を稼ぐ感じである。暫く歩くと小袖乗越というところで、 ここにも駐車スペースがあり、何台か留まっていた。50mほど先に本来の登山口があり、ここからが山道だ。
鴨沢地区は奥多摩湖のかなり奥の方だ。登山道はさらに上にある。それに誘導する標識。小袖乗越から少し歩くと本来の登山道入り口。熊注意の看板にドキっとさせられる。
 ゆるゆるとした道で、かなりしっかりした山道である。新緑に包まれ、春ゼミの蝉時雨が五月蠅いくらいである。日差しは強く下界は 真夏日だったそうだ。
 
 途中、民家の跡が数県り、昔は集落があったようだ。すこし薄気味悪いがそこを通過してなおもダラダラと登ってゆく・・・。
 先に出発したハイカーを何人追い抜き、駐車場のハイカーたちと思われる人を抜く、今回は一眼カメラも三脚もないのでかなり 身が軽くてガンガンと登れる。
鬱蒼と茂る新緑の道。フタリシズカこのあたりはフイリヒナスミレが多い。
 
ハルゼミの抜け殻。蝉時雨は凄まじい!樹林越しに綺麗な富士山が見えてきた。 
薄暗い岩場や沢地に咲くヒメレンゲこんな橋もあります。
 2時間ほど歩いた頃、堂所と呼ばれる分岐に到着。しばし休憩してから再び歩き出すが、ここからやや傾斜が増し道も少し粗くなって きた。それほど暑さはないが、とにかく汗が流れてくる・・・こまめに水分を補給しながらどんどんと登った。
 
 相変わらずの蝉時雨だ。新緑の合間から見える奥多摩の山々が美しい。そしてマムシ岩とい呼ばれるところを過ぎた辺りから富士山が 見えるようになってくる! この時期には珍しいくらいの透明度でスッキリ、くっきりと富士山が見えている。綺麗だな〜!! まだ 少し残雪があり、それが青空とのコントラストで素晴らしいのだ。さらには、残雪抱く峰峰も見えてきた、南アルプスだ!! 一番右端は 甲斐駒ヶ岳かな? そして北岳、仙丈岳、赤岳、聖岳だろうか? とにかくスッキリと見えていた。この時期にこれほど綺麗に見えるのは珍しいのではないだろうか。
 
 やがて七ツ石分岐に到着する。当初、時間的にみて七つ石が目的地であったが、かなり早く分岐に到着出来たので、雲取山まで行って みようかと少し迷った。先に到着して休んでいたオヤジと少し会話すると、まだ10時だから十分往復してこれるさ! 陽も長いし 大丈夫さ、オレも行くぞ! とスタスタと歩いていってしまった(^^;) なんだか判らないけど、背中を押された感じで、ヨシッ行くか! という気になり、歩き出す。
七ツ石山、雲取山の分岐。マルバダケブキが生える尾根が続く。ヤマツツジのオレンジが鮮やかだ。
 ガンガン、ブナ坂を上ると大きな尾根道に飛び出た。石尾根の道だ!! 広い尾根道がどこまでも延びている。右に少し登れば七つ石山、 左に進めば雲取山だ。ここは迷わず雲取山に向かう。しかし、ずーと日影だったのが、いきなりサンサンと日差しの照る尾根道で、恐ろしく 暑かった(+_+) 風もあまりなく暑い暑い・・・ それでも、眺望は素晴らしい!! 富士山、南アルプス、奥多摩の山々! どこまでも続く 尾根道にはマルバダケブキが植えられたように群落を作っていた。
尾根沿いは草原状になり暑くなければ昼寝出来そうだ。終始、富士山がこんなにくっきり見えている。遠く南アルプスの山々も綺麗だ!
奥多摩小屋は素泊まりのみ。テント場もあるのでキャンプも面白そうだ。小屋の前にあるトトロ似の木像。 
キンポウゲの仲間。詳細不明。ミヤマキンポウゲではなさうだ・・・。次第に起伏がある尾根道になってきた。一番高いところが雲取山のようだ!?
 日差しの強い尾根道だが、少し日影もあるので出来るだけそこを歩くように進む。緩やかな部分もあるが急激に登る部分もあり結構 アップダウンがある。やがて、奥多摩小屋に到着。このあたりはキャンプ場になっているようだが、まだ張ってる人はいなかった。小屋は 素泊まりのみで、薪を燃やすニオイがしている。入り口にはトトロに似せた木像があって、微笑ましい(^^)
 
 このあたりから急な登りが増えてくる。暑いし腹も減ってなんだか力が入らないが、黙々と登ってゆく。相変わらず富士山が美しく 見飽きることがない。やがて、標識があるところに到着する。右に下ると日原に降りれるらしい。雲取山はまっすぐだ。地図では 小雲取山のはずだが、それらしい看板はなかった。。。見逃したかな?
 
 さらに進むと、道ばたに黄色い花か見えている。さっきから咲いてるキジムシロかな?と思ったが、よくよく見るとなんとキバナノコマノツメ であった。図鑑には雲取山と書かれていたが、まさかこんな日当たりの良い場所にあるなんて! 思わぬ出会いに嬉しくなりどっと座り込んで 撮影した。
キジムシロ?キバナノコマノツメ日当たりが良いようで丈は低いです。
 岩がゴツゴツし始めると向こうに雲取山山頂が見えてくる。山頂には赤い建物があるようだ。地図には避難小屋と書かれている。もう少しだ! 頑張るべっ!! と夏の日差しの中、歩く、道々にはさきほどのスミレがず〜と咲いてる感じで、先を急ぐのだが、ふらふら〜と近寄って 撮影してしまうのでなかなか山頂が近づいて来なかった(^^;) 
 
 最後の急坂をジグザグに上り、遂に雲取山山頂に到着!! と、思ったら「山頂は右」と小さな看板が・・・(O_O) でも、山頂と標識が あるんだけどな〜 避難小屋脇を抜けて少し進むと再び山頂の看板があった! 何人かのハイカーが到着して記念撮影をしている。どうやら ここが本来の山頂(2017.1m)のようだ!! 雲取山は百名山で、これで一つクリアーしたことになる。やったぜ〜!! 
山頂直下。この急坂を上れば!!避難小屋の建つ偽山頂から歩いてきた石尾根を見下ろす。雲取山の山頂。2017m。
 山頂には三角点と、山頂の標識が2つ、埼玉県と東京都だ。一番綺麗なのは埼玉県。その標識の向こうに綺麗な富士山が見えている。
 雲取山は3県の境目にあるので、各県が独立して標識を構えているのだ。避難小屋のところのは山梨県である。1つにしてくれると ありがたいのだけど、行政も縄張り争いみたいなのがあるのかな〜?
 
 山頂で記念撮影をしてから、尾根の方に下ることにした。避難小屋のベンチはいっぱいなので日影は他にはなさそうなのだ。少し戻った 尾根沿いにある木陰で昼食となった。足下にはスミレが沢山咲いていて、こんなところでランチは至極の幸せだ!!
 
 昼食後は、またまたスミレ撮影〜(^^;) 一眼デジならしっかりピントを合わせられるがこのコンパクトデジカメはほんとにお馬鹿で なかなかピントが合わずにイライラしてしまう。因みに一眼デジは入院中・・・。
 
マウンテン自転車で来てる人も何人かいましたね〜 凄いです! でも流石に乗るのは下りと平坦な道だけです(^^;)なかなか素晴らしい尾根道です!! 奥は奥多摩や丹波の山々。
 午後12時半。そろそろ戻らないとバスに間に合わないかも〜 当初の目的であった七つ石山には寄っていくかと、そこをめざし歩き出す。 相変わらずに日差しでぐったり、しかも、午前中の登りの疲労も相当なものでふくらはぎはパンパンである。こりゃ〜明日は筋肉痛確実 だな〜と思いながら、早足で歩いた。人気の山であるが、この日は意外と少ないようだ。尾根を歩く人も疎らだが、今頃、歩いてくる人は 小屋泊まりだろうな〜 実際、雲取山は1泊コースが一般的で日帰りはかなりの強行軍である。
 どんどんと下り奥多摩小屋にくると布団が干してあった。気持ちよさそうだ!! 通り過ぎてガンガンと下り、やっとのことでブナ坂の 分岐に到達した。ふぅ〜 かなりバテバテである。時間は13時15分。随分飛ばして下ってきたものだ・・・。
 
七ツ石山への急登! 疲れた足にはキツイです!!振り返ると雲取山への尾根道が見える。 
七ツ石山山頂(1757.3m)。やや霞始めたがまだ綺麗に見えていた。
 さてさて、七つ石山には目の前の坂を上らないといけない、トボトボと歩き出すが、かなり限界点にきてるようで足が重い・・・。 休み休み登るが山頂は遠い・・・(+_+) 山頂直下の山肌にはダケブキが所狭しと葉を広げている。そして強烈な日差し!日影のない道を ダクダクと登った。そして、やっと山頂に到着!!
 下の分岐から20分もかかっている。地図では15分だ。七つ石の由来となっている 大岩がいくつか見えているが、それ以外はないにもない広々とした山頂だ。振り返れば歩いてきた雲取山から続く尾根道が見えている。 富士山も相変わらず綺麗だ。
 
 長居は無用とばかりに鷹巣山方向に歩き出した。地図にある千本ツツジというのが気になったのでそこを見ようという訳だ。
 
 新緑に囲まれたゆるゆるとした道を歩く。こちらは人気も無くほんとに静かで蝉時雨だけが響いている。時間があればほんとにゆっくりと 歩きたい道だ。そこを暫く歩くと、再び日差しが強くなり、千本ツツジに到着である。確かに赤い山ツツジが沢山植わっている。少し見頃を 過ぎたようだが、なかなか見事だ! ツツジの向こうには富士山も見え、午前中の光ならいい写真が撮れただろうな〜と思った。このツツジ は天然物だそうで、道沿いに生育している。最盛期は凄いかもしれない・・・。
千本つつじの尾根道。道の脇に沢山生えている。鮮やかです!!富士山とツツジ。午前の光ならかなり綺麗でしょう〜!
 午後の日差しは焼けるようなので、さっさと退散することにした。時間は2時か・・・。このまま下れば鴨沢のバス停発17時前のに ギリギリ間に合うかもしれない? 間に合わないとかなり遅くなる・・・ 予定では鷹巣経由だったが、そんな余裕はとおにないので このまま鴨沢に下ることに決定した!! よし、急ぐぞ!!とばかりにスタスタと下る。さっきの道とほぼ並行に走っている道をどんどん 行けば朝、雲取山に行くかどうか迷っていた分岐に繋がる筈だ! 人気のない寂しい道をガンガン歩く。下りとばかり思ってたが、なんと 僅かに登り道なのだ! ええ〜? 登りですか〜!!? 重い足に渇を入れながら歩くと水場があり、水筒を補給する。尾瀬みたいに冷たく ないけど、命の水である。
マムシ岩。よくマムシが住み着くらしい・・・。こんな坂道を駆け足で下る!!
 そこからは下り道になり、やがて、分岐に飛び出た。よしよし。休憩もとらずに、さらに下る。マムシ岩のあたりで時間を見ると、んんん、 間に合わないかも・・・と、走ることにした。山道で走るのは危険だが、仕方ない・・・。 道が綺麗なのをいいことに駆け足で下った。 すぐにくたびれるかと思ったけど、意外と走れるものだ! 調子扱いてどんどんと走り下る。堂所を通過してさらに下る。途中、歩きもしたが かなり駆け足で下り、時間を短縮出来た。
 
 ちょっと疲れたのでゆるゆる坂道をトボトボと歩いていると、親子づれが歩いてきた。挨拶を交わす。んん? もう4時だぞ? これから登れるのかな? 尾根に出る頃には真っ暗ではなかろうか? 大丈夫だろうかと心配になる・・。 はっ! まさか幽霊では・・・(+_+) まさかね・・・(-_-)
 
 再び時間を見ると、4時15分! バスは50分頃の筈。間に合わないかも!! と再び走り出した!! 
奥多摩湖がみえてホッとした。
 やっとのことで小袖乗越についたのは4時30分。まだ道は続くが、ここまでくればと、普通に歩いて下った。奥多摩湖が見えると民家も 見えてくる。大きく傾いた夕方の日差しが眩しい! 
 山道は舗装道路になり、16時40分ころバス停に到着した。やれやれ、間に合ったか・・・。既に数名のハイカーが待機していた。
 16時48分の奥多摩駅行きバスに乗り込み帰路についたのである。
 
 初めての雲取山は日帰りの強行軍、かなりヘロヘロにはなったが、大きなことを成し遂げたような達成感が湧いてくる。往復9時間ちょっと の山行であったが、充実した山旅であった。
 
 
 
おしまい・・・。
 
 

清楚なシロスミレ。