山歩きヘロヘロ日誌

2006年7月1日〜2日 南八ヶ岳デビュー

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登 山 日2006年7月1日(土)〜2日(日)
ル ー ト ■6月30日(金) 前夜に新宿から茅野駅へ移動し近くのビジネスホテルで宿泊
■7月1日(土)(曇り時々小雨、稜線は強風)
 茅野駅(6:05)==バス==美濃戸口(6:40頃)・・・・美濃戸(8:10頃)・・・北沢・・・赤岳鉱泉(10:25頃)・・・・
 行者小屋(11:15頃)【昼食】・・・地蔵尾根・・・・赤岳天望荘(13:10頃)風呂してから周辺散策・・・・
 散歩の勢いで赤岳登頂(16:40頃)・・・・天望荘(17:10頃)【泊】
■7月2日(日)(曇り時々雨、稜線は強風)
 天望荘(6:50頃発)・・・・横岳(7:50頃)折り返し・・・地蔵尾根・・・行者小屋(9:35頃)・・・・
 中山展望台往復・・・南沢・・・美濃戸(11:37頃)・・・・美濃戸口(12:30頃着)==茅野駅==新宿
登 山 者てばまる、meaさん
 
 

■7月1日(曇り時々小雨、稜線は強風)
 【茅野==美濃戸口・・・・美濃戸・・・北沢・・・赤岳鉱泉・・・・行者小屋・・・地蔵尾根・・・天望荘【泊】・・・・赤岳ピストン



 北八ヶ岳は何度か行っているが、南八ヶ岳はまだであった。前々から行きたいと思っていたが尾瀬にばかり気を取られてなかなか実行出来ずにいたが遂に 行くことに決定! かなり前から地図を眺めてルートを決める。宿泊は山仲間さんに人気のある赤岳天望荘に決定。当初はツクモグサ狙いで6月中頃だったが ヤツガタケキスミレを見ようということで7月上旬に変更した。あとは天気次第である。
 
前日は30品目駅弁で体の調子を整える? 
美濃戸口に建つ八ヶ岳山荘。電車、バス組の登山基地である。
 登山前日、特急あずさで茅野駅に移動し近くのビジネスホテルで宿泊。電車利用で早朝から歩き出すにはこの方法しかないないのだ。少し割高になるが仕方ない…  
 翌朝一番のバスに乗り込む。僕らのほかには学生グループと中年グループだけで8名ほどである。バスは美濃戸口まで直通なのでぐんぐん走る! 原村の別荘地を 抜けて40分ほどで到着した。
 
 バス停には八ヶ岳山荘があり登山基地になっている。学生グループは早速登山カードに記入して出発していった! 我々は買ってきたお弁当を食べてからと いうことで山荘前のベンチで食べようとしていると山荘のご主人が中で食べればと温かいお言葉を頂いた。遠慮がちに中に入りテーブルにお弁当を広げた。 気さくなご主人と話しているうちに今日は天望荘に泊まりますと言うとコーヒーを入れて頂きました。どうやら天望荘とは系列のようです。しかし宿泊予定 リストを見ると何故か名前が無く記入漏れが発覚! おいおい…と心の中で呟いた… ご主人が天望荘に連絡をして事なきを得ました。ふぅ〜(-.-) 今日は ガラガラだそうで予約しなくても大丈夫だそうだけど。しっかりやって欲しいな〜もう〜
 カウンターには天望荘にあるライブカメラからの映像が映っていて現在はガスガスで風が吹いているみたい! これ以上崩れないといいのにな。
 
 帰りは風呂にでも入って行きなさいと見送ってもらい、いよいよ出発である! 山荘脇の林道を歩き出す。道々にはマルバノイチヤクソウやジャコウソウ、 アヤメ、キンポウゲ、イブキジャコウソウなど花々があって早くも足が進まない(^_^;) 尾瀬の大清水〜一ノ瀬の砂利道を思い出す。この道は歩きづらいが花が あるのでそれほど苦でもなかった。
新緑の林道をジャリジャリと歩く。マルバノイチヤソウイブキジャコウソウ
 やがて建物が見えてくる、美濃戸に到着だ。数軒の山荘があるがどこもひっそりしていた。マイカーだけはここまで入れるのでルートの短縮が出来て 便利である。
 キョロキョロ歩いてると道脇にスミレが一輪! おや?これはもしや? 何とエゾノタチツボスミレではないかい!時期も過ぎてるのでこんな所で逢えるとは!  思わぬ出逢いにしばし夢中で撮影する。
エゾノタチツボスミレ美濃戸には数件の山荘が建つ。登山口に一番近い美濃戸山荘。近くにテン場もある。
 
霧がかかる森の林道を歩きます。八ヶ岳らしい苔むした樹林床です。 
何度も北沢を渡り返します。このルートは至る所にキバナノコマノツメが咲いていました。 
八ヶ岳には非常に多いオサバグサ。雨で増水しているようです。 
シロバナノヘビイチゴも沢山咲いてました。霧に包まれた赤岳鉱泉。
 さてここからは本格的に登山ルートであるので少し休憩だ! 赤岳鉱泉に向かう北沢ルートと行者小屋に向かう南沢ルートに別れているが、硫黄岳〜横岳の 予定なので北沢ルートに入ることにした。しばらく林道のような道を歩く… 八ヶ岳らしい苔むした樹林帯が続く。薄暗いこの道は一人だとちょっと不気味かも しれないな。そんな薄暗い場所だが所々に花が咲いている。クリンソウとかもありビックリだ。やがて小屋が見えてくると堰堤広場というところのようだ。ここから 道は沢沿いの山道となる。増水時の巻き道もあるが暗くて不気味なので明るい沢沿いの道を行く。沢を吹く風が心地よいが稜線はもっと吹いてるかもしれないなと 心配になる。
 何度か沢を渡り返しながら緩やかに登ってゆく。道々に咲く花が多く飽きることがない。情報通りキバナノコマノツメがかなり沢山咲いていて嬉しくなる。 稜線にあるヤツガタケキスミレと混同しがちだが様相がまるで違うので見分けは難しくないが間違って記載しているサイトが多いようだ。 さらに進むと樹林の 中にポツポツと白い花が咲いる。八ヶ岳にはかなり多いオサバグサだ! 花は良いとして、葉はシダのようで不思議な植物である。因みにこいつは日本特産種だ そうだ。
 足元にはシロバナノヘビイチゴの白い花があちこちで咲いていて可愛い。上流に向かうほどにガスが濃くなりとうとう雨まで降り出した… 風も強まる感じだ!  カッパを着てしばらく歩き続けるとガスに包まれた建物が見えてきた。どうやら赤岳鉱泉に到着のようだ! やっと着いたか〜 先行していた学生グループが 既にテントの設営を始めているが他に登山者は見えなくひっそりしていた。天気が悪いので少ないのかな? とりあえずザックを置き休憩する。 小雨が降り風もある。 この先の硫黄岳あたりは強風で有名な場所、その麓でこれだけ吹いてるとなると稜線は凄いことに… ヤツガタケキスミレの群生があるので悩んだが初めてだし 無理はせず行者小屋に行きそこから地蔵尾根を登ることを決断! せっかくなので記念バッチを購入して多少の未練も残しつつ歩き出す。
 
 暫く傾斜のある山道を登る。道々にはイワカガミやオサバグサ、ミツバオウレンなどが咲き乱れていてしばし足を止めて撮影する。やがて中山展望台の分岐に到着。そのまま下り坂となり、 どんどん下ってゆくと行者小屋に到着だ! 相変わらずガスガスで、ここから眼前にそびえる赤岳や阿弥陀岳がまったく見えない…(T_T) 小屋には沢山の登山者が 休憩していた。こちらの小屋の方が人気があるのか、それとも悪天候なので短縮ルートにしたのか?
イワカガミが沢山咲いていて可愛い。中山展望台の分岐。ここも霧に包まれる行者小屋に到着。
 ちょうどお昼なのでラーメンを注文した。麺は結構量もありチャーシューなどの具もしっかりで美味しかったです。でもここの名物はおでんなので次回来たときは 食べようと思った。 と学生が騒ぐ! 何だろと思ったら雲が少し切れて岩肌が見えていた! いままでまったく見えなかったのでちょっと感動〜。あ〜晴れないかな〜
行者小屋正面入り口。お昼にラーメンを注文。なかなか美味しいが、ちょっと塩辛い。一瞬雲の隙間から八の山肌が!!
 
最初は風も静かな樹林帯を歩きます。ウスバスミレが咲いてました。 
次第に岩が露出してきて階段やクサリが出てきます。ガスが濃くて時折視界が数メートルまで低下。風も強くなってきました。 
かなりの傾斜の階段登場!緊張です!緊張してません・・・結構余裕で登ってしまいました(^^;
 先に来ていた登山者が続々と出発してゆく。学生たちは身軽な格好で阿弥陀岳方面に歩いていった。阿弥陀か赤岳狙いかな? 水を補給して我々も出発する。 天候が最悪の時は一気に地蔵尾根を登るつもりだったが本当にそうなるとは…トホホホ・・・
 登り出しは樹林帯を歩く。さほどキツクもないのでどんどん登る。するとmeaさんが何やら発見した模様! なんだなんだと近づくと、おお〜ウスバスミレやんけ〜!  薄々あるのではと期待していたが本当にあるとは! でかしたぞ我が弟子! 早速撮影〜! ちょっと薄暗いので撮影しづらいが念入りに撮影した。天候は悪いものの 初物スミレを2種も見られてちょっとご機嫌〜! さらにどんどん登ると樹林帯が終わり岩肌が出てくる! そこを急激に登ってゆく。かなり登っているとは 思うがガスガスで周りは見えず高度感0である。先行していた夫婦に追いついた。何やら撮影しているので近づいてみるとイワヒゲやツガザクラが咲いている! その近くには イワウメなど高山植物が! 初めて見るのばかりなのでしげしげと撮影するが風もあり揺れて思うように撮れなかった。
ツガザクラミヤマダイコンソウイワウメ
 
稜線への急峻な登りが続く!写真では伝わりにくいがかなり強い風が吹き上がっている!! 
地蔵の頭に鎮座しているお地蔵さん。イワヒゲ
 道はさらに傾斜が増し鎖や階段を頼りに登ってゆく。時折ゴウ〜と強い風が吹き上がり体が緊張するがちょっとたのぴい(^-^;) 登るに従って強風になり更に 緊張! こんなに吹いてる状況で山歩きしたことがないので新鮮さもあるがやはりちょっと恐怖感もでるな… やがてガスの中に標識が見えてきた! 一登りすると お地蔵さんが座っていた。ここが地蔵の頭というところだ! 今日は地蔵祭りの日で地蔵さんの頭巾も綺麗になっている。そのあたまをペシペシとして、来ましたよ〜とご挨拶。もしかしたらこの行為が悪天を長引かせたのかもしれない?
 それにしても強風である! 硫黄岳を経由しないで正解だったかもしれないな。 
 
天望荘のトレードマークの風力発電用プロペラが並ぶ。受付と食堂がある棟。
 地蔵さんを右に尾根道を進むと直ぐに天望荘に到着である。トレードマークとも言える風力発電のプロペラが並んで勢いよく回転していた。遂に来たね〜 サイトや 雑誌で見ていた山小屋がそこにある! 入ろうとした目の前のドアは開かない!? なんじゃこりゃ?と思ったら個室棟だった・・・(^_^;) 案内張り紙の通りに 進むと受け付けのある小屋に到着。滑りの悪いドアを開けて中に入った。ふぅ〜 着いた〜 受け付けには気さくそうな山小屋主人がいまして朝、下の山荘から 連絡しました池田ですと話すとお疲れさまでしたとにこやかに返事がかえってきた。チェックインにはまだ早いので先に部屋に入ってください。風呂も入れますのでどうぞ、 と言うことであった。とりあえず部屋に向かう。
我々が泊まった4名用個室。24号室でした。
 
 個室棟は沢山の小部屋があり談話室もあった。各部屋はかなり小さい、我々の部屋は4人部屋のようだがどうみても 3人が限界に感じる。ザックを下ろし暫しくつろいだ。外は相変わらず強風が吹き荒れている。時間が早いのか個室棟にはまだ数人しか来てなかった。これから くるのかな? 風呂にでも入るか〜と再び受け付け棟へ。まずは受け付けをしながら天気や花の状況を聞く。天気が悪いので赤岳や横岳方面は今日のところは お勧めしませんとアドバイスを受けた。ま、山小屋としての順当な答えでしょうか。
 
 受け付け後、風呂場に向かう。階段を降りトンネルをくぐり抜ける。個室棟もこの通路で行き来出来るようだ。良く作ったものだとちょっと感心。 風呂場に 入ると目の前に五右衛門風呂があった! これが噂の風呂か〜! 思ったより大きいな! 蓋を開けてさっそく入ると不思議な匂いが? 浮いている袋に匂いの 元があるようだ、後で聞くと薬草だそうである。嫌がるお客さんもいるそうだ。 風呂の底には小石が敷いてあり底板変わりのようだ。お世辞にも綺麗なお湯では ないが汗を流すだけだから仕方ないかな…
階段状に作られた建物を繋ぐトンネル。人気の?五右衛門風呂。薬草の匂いがちょっと・・・食堂の風景。
 風呂から出て受け付けのある棟に戻りmeaさんが出てくるのを待つ。宿泊客にはマイコップがあるそうで頂いた。珍しいシステムだな〜 また、コーヒーや お茶も飲み放題なのが嬉しい。 今夜の泊まり客は30名ほどだけど天気が悪いので何人来るかわからないそうだ。
 
 meaさんも風呂から上がり受け付け奥にある食堂でしばしくつろぐ。相変わらず外は強風で到着した頃よりも強くなっている感じだ。そんな中をポツポツと 泊まり客がやってくる。そのほとんどが高年から初老の方なのが凄いと思った! みんなパワフルである!!
 窓から見える砂礫地にコマクサが見える!ちょっと行ってみるかと小屋の南側、赤岳の方に回ってみた。緩い斜面に先程のコマクサがあった。まだ花は咲いて ないようだ。直ぐ近くにはキバナシャクナゲらしきものが咲いている。風も強いしサンダルなのですぐに引き返した。
ミヤマタネツケバナウルップソウたち。キバナシャクナゲ。
 
これがヤツガタケキスミレだ!! かわええええ〜〜
 部屋に戻るが暇である… 少し外が明るくなったので窓から覗くと野辺山側の平野が見え隠れしていた! 下界は日差しがあるようで明るい。このまま晴れて くれればいいのだが…と二人で窓から雲の動きを眺めてしまった(^^; そんな光景を見てしまうと気持ちが吹っ切れて何だか前向きになるので不思議だ。よしっ! 散歩に行こうっ! いそくさと靴を履き外へ飛び出す! とりあえず横岳の方へ行ってみるべと歩き出す。風がゴォォ〜と吹き付けてくる受付棟の直ぐ下の斜面には ウルップソウが見頃となっていたが少し遠い・・・。 小屋を少し過ぎたあたりの砂礫地に黄色い花が!? もももしかして!? と、よく見ると…ヤ、ヤツガタケキスミレだっ!!  前を歩くmeaさんを呼び止める! あったっっっ! 2人で手を取って喜んでしまった(^O^)/ ほとんど諦めていたし、こんな近くで見つかるなんて思いも しなかったから感動も大きい!!! さっそく這いつくばって撮影する。横を通る登山者も強風の中、撮影している我々を見て不思議に思ったに違いない。何ですか?  との問いかけに笑顔でヤツガタケキスミレです。と答える。 それにしてもこの風は忌々しい… 花が揺れて思うように撮れないのだ。何枚も写したがほとんど ブレていた(>_<)
ミヤマキンバイイワベンケイはこんもりと生育するようです。クモマナズナ
 感動を引きずったまま歩き出す。地蔵さんを過ぎると沢山の花が咲いている。イワウメ、ツガザクラ、イワヒゲ、クモマナズナ、ミヤマキンバイなどなど! そんな中に 再びヤツガタケキスミレを発見! しかも群落だ! しかしまだほとんど咲いてなかった。ここが満開に咲けば綺麗だろうな〜 あ〜また来たいな! そんな気持ちで いっぱいになってしまった。
 さて戻ろうかと小屋の方に歩く、そのまま小屋には入らずに赤岳の方に向かう。小屋の直ぐ脇から赤岳の稜線が延びているはずだが視界は30m程度で先が見えない。 そんな稜線にはお花畑が広がっている。チョウノスケソウやオヤマノエンドウがそこら中に咲いていた! チョウノスケソウはヤツガタケキスミレの次に楽しみにしていたので こんな群落を見ると嬉しくなる。これで晴れていたら阿弥陀岳を背景にして撮影できたのに残念である。とはいえ花だけでも文字通り華になる光景で夢中で撮りまくった!
白いのがチョウノスケソウ、紫色がオヤマノエンドウ チョウノスケソウの群落。
 
ミヤマシオガマは、タカネシオガマより葉の切れ込みが細かいです。ハクサンイチゲチシマアマナ
 少しずつ登りながら撮影しているといつの間にか結構上まできていた。よしっ登っちまうか! とmeaさんに声を掛けようとすると、既に登る気満々で歩いていた(^_^;)
所々に鎖があるがそれほど必要以上に掴まなくても登れます。ガスガスの山頂小屋 
山頂に建つ祠たち。これが一等三角点。ペシペシと叩いてきました(^^;
 その後を追うようにガンガン登る! もちろん風は強いがそれほど苦にもならずひたすら登った。やがて先行する年寄りグループに追いつく。さっきヤツガタケキスミレの所で 声を掛けてきた一団だ。その中のじいさんは70歳くらいか? かなりフラフラの様子で大丈夫かと心配になるが仲間もいるから大丈夫だろうと抜き去って更に進む。 何度かなんちゃって似せピークを超えて行くと建物が見えてきた! 山頂小屋だ! 強風吹き荒れる山頂? 何だか違うような気がすると言うmeaさん、鉄板で囲まれた 山頂小屋に入り聞いてみると直ぐとなりがピークだという! 視界が悪くて危うく踏み損ねるところであった。 次いでに記念バッチを買ってから本当のピークに 向かう。少し下ると見えた! 山頂の標識と祠たち!! ここが赤岳山頂2899mか〜! と叫びたくなるが何も見えないので山の上という実感が湧かない(^_^;)
 とりあえず記念写真をして早々にに下山した。先ほどのじいさんグループは無事に山頂小屋に入ったようだ。
 
 来た道をどんどん下って行くが視界不良・・・突然目の前に天望荘が現れてピストン完了〜 時間は午後5時過ぎ、いろんな意味で良い散歩であったな(^-^)
 
バイキング形式の食事は格別!!
 個室に戻ると客が増えて賑やかであった。それでも空室が多く今日はガラガラなのがわかる。 午後6時夕食の時間だ! マイコップを持って食堂へ入る。天望荘は バイキング形式をとる珍しい山小屋だ。バイキングと言っても種類は少ない。使い捨て?の容器に好きなおかずを取り、ご飯を入れる。味噌汁はなんと具だくさんの 豚汁だった! おかずはどれも美味しくて満足満足! 天望荘が人気なのはこのためだと実感! 因みにメニューは、ロールキャベツ、鶏肉のあっさり煮?、肉炒め?、 何かの天ぷら、酢の物、ブロッコリー、ポテトサラダ、杏仁豆腐などであった。7月第一週末は地蔵祭りとかでワインが飲み放題となっていた。あまり お酒は好みではないがせっかくなので少し頂いた。ご主人はワイン好きのようでワインカタログが沢山置いてあった。明日の朝は天気が良ければ餅つきがあるそうだが 天気予報は芳しくない。その予報を見たご主人は、「明日まで天気の話はしないでください、不機嫌になりますからー」と、みんなの笑いを誘っていた(^_^;) 何とか晴れて欲しいな〜
 
暮れなずむ天望荘。
 食事を終えてオリジナルグッズなどみながらご主人と少しお話ししてから外に出た。相変わらずの強風でガスガスも変わらない。これじゃ〜夕焼けは駄目だな〜と 焼ける方向をしばし眺めてから部屋に戻った。明日もこんな天気なんやろか… 暮れてゆくガスの海を恨めしく窓から何度も眺める…
 20時ころまで部屋で過ごしそのまま就寝となった。結構暑くてなかなか寝付けなかったが消灯後にはいつの間にか寝てしまったようだ…
が、22時ころに少し目を覚ました。外は静かでどうやら風はやんでいる感じだが、窓がときおりガタガタ揺れているのでやはりまだ吹いているようだ。 ガタガタという音が気になりつつもウトウトしてしまう。。。
 
 ヒュゥゥゥゥ〜〜 ゴゴゴゴ・・・・
 風はいつまでも吹いている・・・・
 
 
■7月2日(曇り時々雨、稜線は強風)
 【天望荘・・・・横岳往復・・・地蔵尾根・・・行者小屋・・・中山展望台往復・・・南沢・・・美濃戸・・・・美濃戸口==茅野==新宿】

 
 0時近くに再び目が覚める、すると凄い風が吹いているようで、ときおり小屋全体が微妙に揺れるのだ! おまけに雨が降っているようだ。しかし こんな強風の状態でよく建物が飛ばないな〜と関心してしまった。しかし恐怖心はあまりなかった眠いせいかもしれないが、目を瞑り再び寝入る・・・。
 朝3時ころ、目が覚めると、うっすらと外が明るくなってきていた。が、風は相変わらず強く吹いているし雲もかかり展望はないようだ。あ〜駄目か〜 と布団に入った。
 時々ウトウトして意識がなくなるが熟睡できないまま時間が過ぎて4時過ぎ。他の客も起きだしてザワつく。外もすっかり明るい。トイレに行き少し外に 出てみると風がビュゥビュウ吹いていて、昨日より強い感じになっていた。しかも展望無しも変わらず・・・う〜ん(>_<)
朝食もバイキング形式だ。
 部屋に戻り、布団の中でウダウダするそのうちmeaさんも起床〜! 雨も少しまだ降っているのでも地蔵祭りの餅つきは中止だなこれは・・・。
やがて館内放送で朝食の用意が出来たと放送された。6時からの筈だが、少し早めなのかな? 恐らく早めに下山を促しているのかもしれない。食堂に 入り夕食と同じようにバイキング形式で好きな物を好きなだけ取ってゆく。席に座るとテレビがついている! ちょうどブラジル×フランス戦が中継されて いて全員で見入っていたが、なんとブラジルが負けているではないかっ!!! 優勝候補bPのブラジルが・・・残り時間もあまりない、このまま終わるのか? ロスタイムの怒濤の攻撃もかわされて遂に試合終了〜 なんと王者ブラジルが決勝に行けないなんて・・・ 聞けばイングランドもポルトガルに負けたという ではないかい! 恐るべしワールドカップである。
 
 食事を終え早々と部屋に戻り出立準備をするが果てさてどう動くか悩んでしまう。強風は昨日より強い、このまま地蔵尾根を下山するのが一番だが、時間が 余りすぎる、とはいえ阿弥陀や硫黄岳は厳しいか? 迷うので小屋主さんに相談。「こんな時は短時間で樹林帯に入れる地蔵尾根がベストだよ」とアドバイス を頂いた。やはり地蔵尾根か・・・ 下山するのが寂しそうなmeaさんの為に少し冒険してから下山にしようと決めた。ルートは横岳往復で地蔵尾根下山して 行者小屋から南沢を下るである。
 受付にマイカップを返して小屋主さんたちに挨拶をしてから強風の中を歩き出した。同じ方向に行く泊まり客も数人いるが赤岳の方に行く人もいるようだ。 ガスガスに包まれた尾根をどんどん歩く。あのヤツガタケキスミレも強風に耐えていた。健気だな〜 昨日折り返した場所からさらに先に向かう。
目の前に岩峰が立ちはだかる! ここを登るようだ!登り切ると今度は下る!! 
タカネシオガマもありました。オヤマノエンドウ 
こんな所も通ります。下から吹き上がる風に恐怖すら感じます。鳥岩? 
横岳と思われる頂から硫黄岳方面の岩。ヤツガタケキスミレもポツポツと咲いている。
 
 ガスでよく見えないが岩場の連続だ! クサリあり梯子ありで険しさが増す! ふと岩陰に入れば風がウソのように弱まるがそこを抜けると突風のように 風が強くなる。ガスが猛烈な勢いで行者小屋のある谷から吹き上げてきて佐久側に流されてゆく。そんな環境の中でもチョウノスケソウやチシマアマナなど 植物が咲き誇っているのが不思議である。いくつの岩のピークを越えたのだろう? どこまで進んでいるのだろう? 地図で確認してもよく判らない・・。 眼前に巨大な岩陰が見える。どうやら鉾岳のようだ、その西側を進むようだが、恐ろしく強風が吹き付けている! 大丈夫だろうか? と一瞬悩むが、風以外は それほど難しくない岩場だ、新調に進む、降り立ったら今度はよじ登る!! 出たところは三又峰か? 岩場をどんどん登り着くと、どうやらあれが横岳の 山頂のようだぞ! その岩を登りきるとやや広々とした尾根に到達した。少し先に進むとグンッっと落ち込んでいる。その向こうにさらに険しい岩が2つ突き出ている がガスでよく判らないが、とにかく険しそうだ! おそらくあの右下がカニの横ばいであろう。ここまでだね。引き返そう〜と決断する。いちおう横岳まで きたからこれはこれで目的達成である。
 来た道を忠実に歩くが来たときより風が一段と強まっている気がする。途中、抜いてきた同宿の登山者とすれ違う。どんどんどんどん歩いて意外と早く 地蔵さんに到着した。少し休むかと思ったが止まると寒いというのでとにかく樹林帯まで降りることにした。
 
地蔵尾根途中のお地蔵さんに無事に下山出来ますようにと願う。このあたりまで降りれば風も劇的に弱まる。 
急速に雲が消えてゆく!!遂に南八ヶ岳の姿が! あれは大同心と小同心!! 
 下から吹き上げてくる風に押されバランスを崩さないように新調に且つ確実に下る。途中登ってくる登山者とすれ違うと道が狭いのでちょっと緊張する。
 高度感がまったくないので高度による恐怖心もない、あるのは時折の突風気味の風だけ。一度歩いた道なのですんなりと樹林帯まで降りきってしまった。
ちょうどそのころ、青空が見え隠れして、大同心や小同心が見えてきた!! おおおおお〜!! 遂に姿を現した!! どんどんガスが晴れてゆく、尾根近くまで ガスが消えて南八ヶ岳の姿があらわになった! 正しくそそり立つ岩の山である。しかし、肝心の赤岳や阿弥陀岳は見えない・・・。下界は新緑のすそ野が 広がり行者小屋や遙か茅野の街並みまで見えていた。このまま晴れるのかな? もう少し下山を遅らせても良かったかもしれないとちょっと後悔するがこの手の 天気は読みにくいので仕方ない・・・ やっと垣間見えた南八ヶ岳の素顔にしばし見とれながらゆっくりと下山する。
 
 樹林を抜けて行者小屋に着く頃には稜線が見えて天望荘もくっきりと見えていた。地蔵尾根ってあんなに垂直なの?? と下から見上げてびっくりであった(+_+)
 赤岳も少し見えていて、一瞬だけその頂を見ることが出来たがその後はガスに隠れてしまった。阿弥陀岳も半分しか見えない、今回は登る 事が出来なかったが、次回は必ずや制覇してやる!! 
行者小屋から見る大同心、横岳方面。奇岩の山肌が素晴らしい!地蔵尾根方向。天望荘が見えている。そして阿弥陀岳。雲が取れません。意外と緑が多い山なのね。
 南八の全容を見ようかと中山展望台に向かう、行者小屋からは20分足らずで着くことが出来る小高い場所だ。あまり乗り気でないか、下山が寂しいのか 元気のない相棒を連れて登ってみたが、いつのまにやら雲がたれ込めてきていた。さらには雨が降り出す!! なんという激変ぶりだろう〜 高山の気象予報の 難しさを改めて思い知った感じだ。行者小屋に引き返し、トイレを澄ませるとそのまま下山となった。小屋には多くの登山者が恨めしそうに山を眺めている・・・。
 
南沢ルートの最初の頃は緩やかな傾斜の樹林帯。このルートもキバナノコマノツメが群生していました。 
白河原という場所かな??苔の山。ちょっとカッコイイ〜 
途中から渓谷の道になり岩がゴロゴロで歩きにくい(+_+)こんな大岩があったりする。 
学生たちで賑わう美濃戸山荘。腹減った〜タカネグンナイフウロ
 下山は南沢ルートを取った、最初は緩やかな樹林を歩く、薄暗い充ち満ちにはオサバグサが多い。さらにキバナノコマノツメもあちこちに咲いている。北沢も そうだがこのあたりはキバナノコマノツメの大群生地という感じだ。
 
 樹林で山は見えないが、更に雲は厚くなり、本降りになってきていた。やはり早めに下山して正解のようだ。稜線はまだ風が強いままであろう、その上、この本降り では大変である・・・。
 このまま楽々下山かと思われたが、白河原を過ぎたあたりから渓谷ルートとなり岩や大石を歩くような感じになってきた。おいおい、まるで奥多摩の渓谷コース のようではないか!! 沢が勢いよく流れ、小さな滝もある。ガクンガクンと下るので膝にきそうだ・・・。 同じくらいに出発した筈の学生グループはあっと いう間に見えなくなっていた。流石だな〜 あの荷物背負ってこの早さは若さだな・・・。 
 同じような道をどんどん下る。かなり膝がバテ気味になってきたが、休まないでどんどん下った。やがて緩やかになってくると、建物の姿が見えてきて美濃戸に 到着だ。いや〜 やっと終わったか・・・ もうほんとにヘトヘトである。下りも嫌だけど、この道は絶対に登には使いたくないと思った。
 
 美濃戸山荘には先行の学生グループが食事をしていた、もう11時半か。。。飯でもする? との問いかけにまだいいという相棒・・・ オイラは腹が減ってる んだけど、仕方なく美濃戸口まで一気に下山することにした。
 ここからは砂利砂利の林道歩きだ。下りなのでそんなに時間は掛からないだろうと、ガンガン歩く! すると雨足が強くなってきて、遠くで雷が鳴っている ようだ!! 山の雷は怖いからな〜近づいて欲しくないな〜 と思いつつ下る。二俣になっている道を来たときとは逆の道を選んで下った。とにかく今は早く 美濃戸口に着きたい気持ちが大きいので道々の花々にもあまり目がいかない。
 
 大きな橋を渡り緩やかに登り切ったところで、ガラガラガラ〜〜と大きいのが一発真上で鳴りやがッタ!! ひえ〜〜とばかりに早足になる(>_<) ほどなく 歩くとやっと美濃戸口に到着である。ふぃぇ〜〜〜〜 着いた〜〜 山荘の中は先先行の学生達でいっぱいだった。ザックを下ろし中に入るとあのご主人がいて 帰りました〜と挨拶。覚えているのかそうでないのか判らないが笑顔でお帰り〜と声を頂いた。風呂に入りにきました。と1人500円を払って奧の風呂場に。 結構広い風呂で、ざぷ〜んと浸かる。フェェェ〜〜と変な声を出してしまつた(^^; 五右衛門風呂もありがたいけど、やっぱり綺麗なお湯でまったり浸かるのが 一番であるな。ふぇぇ〜
 
絶品のカツカレー。カツもサクサクです! 1000円。
 さっぱりして店に戻り食事をとることにした。なにかこってりしたものが食べたいとうことでカツカレーに決定! 暫くして出てきたのはボリュームたっぷりの 本格的なカツカレーであった。カツはサクサクで美味しい!! カレーもこってりで旨い!! はっきりいって、これはお勧めである。 食べ終わる頃、別の客が 注文していたピザが暖炉から取り出された。う〜ん、こちらも本格的〜美味しそうだな〜 次回はピザを食べてみたいな。
 バスの時間も迫ってきたので、ワタワタと乗り込んだ。ほぼ満員のバスは午後13時16分定刻出発。茅野駅に向かった。その後、特急で帰京となる。
 美濃戸口から遠ざかるバスの車窓からは青空と夏雲が見え、その向こうに雲を抱いた南八ヶ岳が見え隠れてしていた。初めての南八ヶ岳は終日展望のほとんど なく終わってしまい、名物の強風の洗礼をうける形になってしまった。それでも、憧れていた山であり、なにより沢山の高山植物の花々を見ることが出来たことが 嬉しかった、そして、ヤツガタケキスミレにも会え、決して大満足ではないが、実りある山旅となってくれた。 尾瀬にはない岩山の魅力を感じ、これからも 何度か通いたいと決心したのであります。
 
 南八ヶ岳は、尾瀬に続くマイフィールドになりそうな予感です(^^)/
 
 
おしまい・・・