山歩きへろへろ日誌

2006年3月4日 大岳山〜馬頭刈尾根縦走

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登 山 日2006年3月4日(土)
ル ー ト 三鷹駅−御獄駅−(バス)−滝本++(ケーブルカー)++御嶽山(9:40)−御獄神社−奥の院(10:50)−
鍋割山−芥場峠−大岳山(11:45)−つづら岩(13:35)−馬頭刈山(15:00)−光明山−軍道(16:10)
登 山 者てばまる

 
 足慣らし第三弾ということで選んだのは奥多摩である。20年近く東京に住んでいるが奥多摩はまだ一度も 行ったことがなかったのだ。とりあえず1度は行っておくかということで地図を購入し場所を選定する。やはり 有名な御嶽山は外せないな、でもここだけではつまらない・・・その先の大岳山まで行ってみるか、いやいや もっと足を伸ばしてみよう! 知人の薦めもあり馬頭刈尾根を縦断するというコースに決定した。概算で6時間くらい だから丁度いい感じかな? 
結構な急勾配のケーブルカー御獄神社の御嶽山の集落と奥の院のある尖った山。 
こんな藁葺き屋根もあちこちで見られた。霊験あらたかな御獄神社。

 前日には山沿いで雪が降ったようだ、どのくらい雪があるのか判らないがとりあえず軽アイゼンも準備する。 ホリデー快速奥多摩号で御獄駅で下車、すぐにバスに乗り込むが意外にも満員!! 乗り切れないハイカーは 小一時間を歩くハメになったようだ。なんとか乗れたのでケーブルカー駅のある滝本に移動。ここから徒歩の ルートもあるけど、使えるものは使いましょう〜てことでケーブルカーで御嶽山駅到着。なんの変哲もない 小高い展望台って感じ・・・ 舗装された参道をうねうねと歩く、結構な傾斜で一汗かいてしまった。狭い山腹 に寄り添うように宿坊のような宿や藁葺き屋根の民家など入り交じってなんとも風変わりな場所だ。
 道が良くわからないがハイカー達についてゆくと御獄神社に到着。いちおう見ておくかと階段を登り参拝〜
最初の岩場&クサリ場。雪で滑るのでちょっと緊張〜奥の院のある山の山頂。 
尾根道は雪の道〜〜滑落注意の看板があちこちに!! 
大岳神社の鳥居。ここをくぐる。更に傾斜が増す山道。雪で滑る・・・。

 神社から下って長尾平分岐からいよいよ山道に入る。分岐から真っ直ぐいくことも出来るが楽々ではつまらないので 奥の院を経由する尾根道を歩くことにした。ところどころに雪が積雪していてときどきズルルと滑る。杉林の山道を 喘ぎながら登ると岩場に飛び出た! 幅40pくらいの岩の道とクサリ場である。看板には滑落注意の文字が!(O_O) ちょっとビビリながらなんとか渡る、そこからも岩場の道で雪があるので滑りやすくて慎重に登った。
 やがて鳥居が見えると奥の院だ。といっても小さな社があり、そのさらに上に頂があった。ここから鍋割山に向けて尾根 道だ。またまた岩場の下り坂を降りてゆく、流石に北斜面で雪が多い、吹きだまりでは10pくらいはあるかな。 結構な雪道歩きでちょっとご機嫌〜(*^_^*) るんるん〜と雪道を歩いてゆく。木々の合間に見えるのは川苔山方面だろうか。  鍋割山は標識があるだけの小さな山頂なのでそのまま通過・・・再び尾根道をどんどん歩くと下から登ってくるルート が全て集まる芥場峠分岐だ。数人のハイカーと出くわしたが抜き去ってさっさと歩くが、ここから岩場や階段が現れ まさしく修験者の道という感じだ、「滑落多し」「滑落注意」などおっかない看板がいっぱい掛かっていた(*_*) 気を つけながら進むと大岳山荘が見えてきてほどなく大岳神社の鳥居に到着。山荘の前の展望台があるがまずは大岳山山頂を 目指そうと歩き出す。鳥居をくぐると急傾斜の山道だ、岩場とクサリ場の連続! しかも雪があり踏み固められているので 滑りやすい。木々に付着した雪景色も美しいので眺めながら進んだ。すぐに着くと思ったが15分くらいかかって ようやく山頂に到着。すでに10名くらいのハイカーが休んでいた。
 天気は良いが春霞であまりはっきりしない。富士山も雲にかくれていて少し見える程度だ。北面は樹木で見えないが南面 は展望がよく、高尾方面、丹沢方面、御前山、三頭山、遠く雲取山あたりまで見えていた。大岳山は奥多摩三山のひとつで 御前山、三頭山が3つに数えられている。また200名山のひとつでもある1267mの山だ。
大岳山山頂。エサに集まってくるコガラ。かなり人慣れしています。山頂からは三頭山や御前山が見えていた。
 丁度お昼ということで、昼食である。パンやおにぎりで空腹を満たす。もっと寒いかと思ったが陽光で暖かく持ってきた コンロも使わなかった。のんびり食べているとコガラがやってくる、ここのコガラは人の手からエサをもらうというくらい 慣れているそうだ。近くのおばちゃんが試していたがやはり警戒してかなかなか寄ってこない・・が、そのうち寄ってきてさっと エサをくわえて飛びさる。僕もやってみたが、駄目で、標識の上にビスケットのかけらをおいておいたらすぐにやってきて 持ち去っていった。
 
これからゆく馬頭刈尾根を遠望〜 

 30分近く休憩してから下山する。下りはさらに慎重に降りたがあっというまに大岳山荘に到着。通年営業山小屋だが 素泊まりだけだそうだ。この手の山小屋は奥多摩の山には多くて北アルプス並に充実している、キャンプ場も多く人気の 山域だということがよくわかる。山荘前の展望台からはこれから歩く馬頭刈尾根が見えていた。かなりゴツゴツした山並みで 疲れそう〜というのが見た目の感想だ(^^; しかも、すでにいつもの膝痛が出ているのでどうなるのか不安でもあるが、 とにかく行ってみるべと歩き出す。
 暫く、大岳山の巻き道をゆるゆると下る南面の尾根なので雪も少なく歩きやすい。陽光が差し込み気持ちのいい尾根道だ。 とおもうのも長くはつづかず、さっそく登りになった。どんどん登るとベンチがある展望台だ。霞んでいて展望はいまいち 地図によると富士山がよく見えるそうだがまったく見えなかった。しばらく休憩してから歩き出すと今度は下り坂だ。と思うと 今度はまた上り坂、下っては登り、登っては下るという起伏の大きい尾根道をただただひたすら歩いた。途中岩場や階段も あったりと膝の休めるところがないって感じ、時々痛み出す膝をかばいつつも歩いた。
富士見台から大岳山。岩場を下ったり。階段もあったりする。
 更に長いか長い尾根道を歩く、途中3名のハイカーと出くわすが人気はかなり少なく静かな山旅が続いた。やがて広い頂に 到着。東屋があり、ベンチもある。富士見台という場所だ。ここからも富士山が見えるのだが今日は見えない。大岳山や奥の院 が見えていた。暫く休憩して出発する。再び急激に下りまた急激に登る、相変わらずアップダウンが激しい・・・。
 
高さ30mほどのつづら岩!!

 そうこうしているうちに、大きな岩が立ちはだかった!! 岩の縁を巻くように小径が続いている、これが「つづら岩」と 呼ばれる岩らしい。しばらく進むと、声がする!? と見上げると絶壁に人が登っていた。この岩はロッククライミングの練習 に最適だそうで、結構有名な岩らしい。しかも、フリークライミングではなくアルパインクライミングの練習場としても人気のある 岩場だそうだ。
 そんな岩場を男性が先にルートを造りながらロープを張ってゆく、そのあとに女性が挑む!! 若い人ではなくて中高年って感じ のようだった。凄いな〜と口をあんぐりとあけて暫く見とれていたが、時間もあまりないので歩き出す。 と、前方からきたグループが 岩の近くで足を止めてクライマーを 見ている。およよ、あんな近くまでいけるのか?と僕も近づいてみる。絶壁がそそり立つ姿に圧倒されてしまう。  ふと、岩の横を見ると登れそうな感じになっていた。おそらく クライマーが岩から降りてくるときの道だろうか。登れるかもしれない?と思い、ザックを下ろしてよじ登った。とても道には 見えない岩場だけど、なんだか面白くて手がかりを探してヨイショッよいしょと登ってゆく。およそ5分ほどで尾根のようなところに出て 傾斜も緩やかになった。踏み跡をたどると・・・おおお〜!! つづら岩のてっぺんだ!! 凄い!! 決して足元は良くは ないが岩からの眺めは絶景であった。遙か彼方に大岳山も見えるしこれから行く馬頭刈山も見えている。そして、恐る恐る岩の 下を覗く・・・ひえ〜〜(>_<) 一気に奈落の底に落ちているような絶壁! そこをクライマーがよじ登ってくるのが見えた! とても人間業とは思えない・・・ 岩の上には打ち込まれた鉄杭にいくつものロープが絡まっている。沢山の人たちがココを 制覇しようと挑んだに違いない。よくみるといろんなところにリングが打ち込まれていて。ルートはいろいろあるようだ。
岩を登るクライマー。岩上部から馬頭刈尾根を遠望する。立つと怖いので座って撮影(^^;上部には枯れた1本の松の木がシンボル的に立っていた。
 暫く、てっぺんで遊んで下山する。すると丁度クライマーの男性が到着。盛んに下の女性とかけ声を掛け合っていたので邪魔 だろうと声はかけなかったけど、いや〜あんたは凄いよ!!と心の中で叫んだ。 
 頂上を後に下るが、登ってきたルートが上からではよくわからない、どこにどう手をかけ足をかけたのか判らなくて難儀した が、なんとかずり落ちた(^^; 岩場は三点確保とは言うが、足をかける岩が見えないのではどうにもならない・・・。
 下に降りて先に進もうとすると、上の男性が「さっきまで人がいたよ〜写真撮ってた。今下にいるよ」と女性と話していて なんだか×が悪いのでその場を後にした(^^;
  
 ここからも登ったり下ったりの繰り返しで、ほとほと疲れてしまった。足も疲労困憊って感じだ。追い打ちをかけるように 岩場もあるし・・・。膝痛はときおり強烈になったりとストックで庇いながら歩いた。途中いくつものエスケープルートがあった が、大丈夫だろうとそのまま尾根道を歩いた。
馬頭刈キレット??(^^;馬頭刈山山頂は結構広い。 
馬頭刈山山頂から大岳山と歩いてきた尾根。つづら岩も見えていた。ここからの下りも急傾斜〜(+_+) 
薄暗い山道途中にある光明神社跡。屋社は麓の軍道に移築。山道の最後の標識。ここから林道と普通の道を延々と下る。

 やがて鶴脚山に到着。何もない頂だ。ここからはすぐのところに馬頭刈山があるのだが、こからも長かった・・・ 脚が吊るんじゃ ないかと思う頃、漸く馬頭刈山(884m)に到着。ふ〜 ベンチに腰し掛けて暫く休憩する。人はだれもいない、尾根道で出会った人は わずかに8人ほど。静かな尾根歩きだ。しかし時間はもう15時過ぎか・・・ ここからバス停まで1時間10分と地図ではある。しかし膝の 状態があまりよくないので、どうなるか? なんとか16時のバスに間に合いたいな。
 馬頭刈山からはどんどんと下ってゆく・・・しかも急傾斜、そうするとまた登る登る、光明山というピークを越えると薄暗い杉と桧の 道だ。すっかり陽も傾いて影が長く伸びていた。とても気持ちのいい山道でもなく、急傾斜をひたすら下ってゆく感じだ。薄気味悪いと 言っては失礼だが神社の跡やなにやら祭りものの石碑があったりとやっぱり薄気味悪い・・・。
 
 もうやめて〜という頃、林道に飛び出す! おお〜やっと終わりか〜と思ったら、林道を跨いで再び山道に・・・(O_O)・・・でも そんなに長くは歩かずに再びさきほどの林道に接続した。単なるショートカットだったのね(*_*) 丁度、林業のトラックが降りてきたので 乗せて貰おうかと思ったけど、膝の痛みも和らいでいたのでやめた。林道をどんどん下ると集落が見えてくる、かなりの傾斜地にひらけた 集落である。ここが軍道という集落らしい。結構立派な家が多いのが目立った。日当たりも意外と良さそうで交通が不便でなければ 住んでみたいな〜と思わせる場所だ。
 急傾斜の小径をどんどんと下ると小学校が見えてきた。地図にものっているので漸く終着だということがわかり安堵する。更に暫く 下るとバス停のある広い道に飛び出した。バス停だっ!!(*^o^*)/ 終わった〜〜
 時間をみると意外にも早くて1時間かかってなかった。お陰でバスの時間まで30分も待つことになってしまったが、バス停に長イスも あったし自動販売機で暖かいコーヒーを飲みながらバスを待った。
 16時48分のバスに乗り込み武蔵五日市駅へ、予定通りのホリデー快速奥多摩号に乗り込み三鷹に帰着したのでありました。
 
 概算で13q、掛かった時間は約6.5時間。かなりのアップダウンあり、岩場もありで歩いた〜〜て感じであります。久しぶりに太股の 筋肉痛など出てまして足慣らしというよりは疲労させただけという感じもあります(^^; しかし、奥多摩はいままでなめてましたけど なかなか歩き堪えのある山域だということがわかりました。それでいて登山道も充実して整備され山小屋も沢山あるし各ルートもバス停 にしっかり接続しているので交通の便も良くてハイキングには最適だなと思いました。また機会があれば別のルートで訪れてみたいです。
 
おしまい・・・ 
 

つづら岩上部の岩の峰。