山歩きへろへろ日誌

2005年2月6日 冬の大菩薩峠

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登 山 日2005年2月6日(快晴〜晴れ)
ル ー ト三鷹駅〜塩山駅〜裂石登山口(8:00)−千石茶屋(8:40)−ロッジ長兵衛(10:30)−福ちゃん荘−
 −介山荘・大菩薩峠(12:10)【同コース往復】−裂石登山口(15:30着)−大菩薩の湯〜塩山駅〜帰宅
登 山 者てばまる、Meaさん

 1週間前にプチ冬山登山で体に渇を入れたので今度は本格的に登山をするかと冬の大菩薩峠に行ってみた。大菩薩峠は中里介山の 同名小説が発端で一躍人気になった山である。秋と夏に行ったことはあったが冬は初めて。雪はどんなものか? 事前に調査すると 8合目で約50p前後ということだ。結構今年は雪が多いそうである。アイゼンは必須だなと仕度をした。
 
 今回もMeaさんが同行する。彼女はなんと3週連続の山歩きとなった。三鷹駅を早朝経ち山梨県の塩山駅に到着。ここからバスで 登山口まで30分だ。バスはどこで下りても100円と格安! 登山口は裂石という場所で、昔は湯治場として有名であったが最近は かなり廃れている。それでもいくつか人気の温泉もあり、また最近大菩薩の湯という地元の温泉施設がオープンしている。帰りに一風呂 浴びていきたいところだ。
 

大菩薩登山口となる裂石を出発。振り返れば南アルプスを望む。千石茶屋からは本格的な雪道となった。
 裂石を8時丁度に出発。バスに乗っていた2名の登山者はまだ準備をしている。暫くは一般道路を歩く。山間とあって気温は低く氷点下3℃。 ヒンヤリとした空気があたりを支配していた。暫く登り振り返ると谷間の向こうに南アルプスの峰峰が雪を抱いているのが見えていた。 綺麗だ! 天気も快晴でまさしく山日よりという感じだ。所々凍った道路をうねうねと登ると冬季道路閉鎖の看板とゲートが見えてきた。一般車は ここまでだ。ここから少し山道に入る。雪が程良く積雪している。こんな麓でもこれだけあるのだから上の方はもっと積雪しているだろうな と容易に想像できた。さきほどのゲートから10人ほどの登山者と一緒になる。流石に100名山は冬でも人が絶えない。暫く歩いて再び一般道に 飛び出ると千石茶屋に到着する。冬なので店は閉じている。ここらから本格的な雪道になるようなのでアイゼンを装着する。今回は6本爪アイゼンを 持参。しっかりと装着していざ出発!!
本格的な雪道を歩く。第一展望台からの展望。
 歩き出して直ぐに雪道となるがトレースはしっかりしていて踏み固められているので歩きやすい。ほどなく急な登山道を登ることになる。 夏なら緑の森林も今は枯れ木となり冬の木漏れ日が雪に反射してまぶしい。樹林越しに南アルプスが見え隠れしている。高度を上げるに従い 積雪も多くなってくる。急な斜面はどこまでも続き足の疲労も出てきたころ第一展望台に到着。展望台らしく南アルプスの大パノラマが見えて いた。美しい眺めだ〜!! 一番高いのは北岳かな? 端のは甲斐駒ヶ岳かな? 暫く展望を楽しんで歩き出す。
雪の上に小動物の足跡が沢山点在していた。
 数人の団体のグループはまだまだ登ってくる気配はないが、先行していた高年の夫妻を抜き去る。と思ったらまた抜かれた・・・ それにしても 天気が良く気温も上がってきたのかとにかく熱い! 寒波が来るということで厚着をしていたせいもあるのだが汗をかきすぎるので、途中でウェアを 脱いでしまった。最終的には上半身はアンダーウエアとTシャツだけになっていた(^^;  足が重く動きが鈍ってきたころやっと8合目のロッジ長兵衛に 到着だ。無積雪期だとここまで車で上がってこられるので楽チンなのだが今は数十pの雪に埋もれていた。ロッジはいちお通念営業だがこの日は 泊まり客もいないようで営業していなかった。少し休憩してから出発する。埋もれた道路沿いを登る。暖かさも手伝ってか野鳥が多く見られた。コガラが 木々を飛び回ってエサをついばんでいる。腰のあたりに白い班がある大きめの鳥がいたが名前が解らない。
ロッジ長兵衛。福ちゃん荘付近で軽食。
 暫く歩くと福ちゃん荘に到着。ふぇ〜と軒下のベンチに座る、小腹が減ったのでここで軽食をとることになった。陽のあるところに移動しようと 立ち上がったら、ガンッ!!! 激痛が頭に響き渡った、なんと軒先に張り出していた雪が氷になっていてそこに頭をぶつけたのだ! 刃物状になって いたので切れたかと思ったが幸い怪我はしてなかった。いや〜痛い痛い・・・ しかもすぐ横には氷柱があって万が一これにぶつけていたら穴があいて いたかもしれないと思うとゾッとした・・・。
 そんな苦難を乗り越えて雪に埋まったベンチに到着(^^; 野鳥が鳴き、ポカポカと暖かい日差しが体を暖めてくれる。実に心地の良い時間だ。ここからは 登山道が二手に分かれるが、時間の都合で一般的な峠へのルートをとことにした。
 
富士見山荘からの富士山の絶景〜
 更に深くなった雪道を歩くと富士山がど〜んと見える場所に出た! その場所は富士見山荘というところで名前に恥じない素晴らしい展望の場所だ!! この季節の営業はしていないがベンチがあり、そこから遮るものがなにもなく富士山を眺められる。暫く眺めてから歩き出す。
 このあたりまでくるとトレースの跡もあやふやな場所が出てくるが、道ははっきりしていた。小さな橋を渡ると道路を離れていよいよ峠への登山ルートだ。 しかし、足取りが非常に重い。重いのは僕だけかと思っていたら、Meaさんもバテていた。やはり雪道歩きは大変なのだが他に原因もあった朝食を しっかり食べていなかったのと早朝出発だったので寝不足というのもある。とにかく十数m進んでは止まって休憩・・・という感じでバテ気味だ。それでも なんとか歩きつつづけると、再び富士山が見えてきた。ここまでくれぱ峠まではあと少しだ!! と気分はいさんでいるが足がついてこなかった。。。
樹林の道を登る・・・青空と雪の対比が美しい。シュカプラもあるです。
 樹林帯を抜ける頃、先行者を一人抜き去る、すると、峠に建つ介山荘が見えてきた! そして尾根が!! おお〜 着いたか〜!! 俄然、力が沸いてきて 尾根までショートカットで一気に登った! そして振り返ると大パノラマが!!! ヒョ〜美しい〜ぞ〜〜!! 南アルプスから中央アルプスかな? 正しく 大パノラマであった!! しかし富士山が見えない、八ヶ岳も見えるはず。。。あの頂までいけば見えるだろうと、バテた足を引きづりながら登る。Mea さんはどんどん登っていた。まだまだ余力はあるようだ。
大菩薩峠に建つ介山荘。あの頂まで〜〜〜 
富士山の眺望も良い。八ヶ岳と中央アルプス方面。 
東側には雲取山や三頭山方面を展望。あの尾根の向こうに最高峰の大菩薩嶺があるのだが・・・。
 尾根の高台という感じのところで岩がゴツゴツしているが、峠よりさらに展望はひらける。南に 富士山、西に南アルプスの峰峰、北に金峰山と八ヶ岳、その間にうっすらと中央アルプスとさらにうっすらと北アルプスだろうか? 見えていた。絶景だ!! ただ午前中より薄雲や霞が出てきてすっきとした天気ではなきなっているのが残念だ。時間は12時半。飯だ〜ということで昼食となった。ときおり風はある が微風という感じでさほど寒くはない。日差しが心地よい、おしゃべりを止めるとあたりには何一つ人工的な音はしなかった。下界の喧噪もここには無縁の ものだ、ときおり峠の方からおばちゃんの甲高い笑い声が聞こえるのがなんともかんとも・・・ とにかくしばらくの間は二人占めの展望を楽しめた。
大菩薩峠は標高1897m。実はこの尾根の先に大菩薩嶺(2057m)という最高峰があるのだが今回は時間がないのでパスとなった。僕は2度最高峰まで 行っていので今回は是非Meaさんにも踏んで欲しかったがあまりにも時間がないので仕方なくこのまま下山となった。
 
ここが大菩薩峠
 大菩薩峠まで下りると後から来た中高年のグループが食事をとっていた。介山荘は営業していないようだ。何か飲み物でもと思ったが残念・・・ トイレは 使えるようであった。13時20分下山を開始。歩きにくい雪道をだらだらと下山する。なんとか15時前のバスに間に合いたいと少々急いでの 下山だがどうにも足取りは重い・・・ やっとのことでロッジ長兵衛に到着、僅かに休んで直ぐに出発、間に合うのか?? かなり怪しいがとにかく歩く歩く。 峠にいたころより更に薄曇りがひろがりアルプスの視界も悪くなっていた。時間を見る・・・うむむむ、ちょっと無理だな〜と、間に合わないということが 判明したので急ぐのをやめゆっくり下りることになった。しかし、すでにバテもあり歩くスピードはかなり遅くなっていた。そこへきてこの長い雪道、展望も なくいい加減、飽きてくる。傾斜もあるのでドスドスと足を下ろすので余計に疲れが溜まるのだ・・・。
 もうやめて〜と思う頃、やっとやっと漸く登山道が終わって千石茶屋に到着した。いやいやいや、長かったな〜 しかしまだ終わりではないのだ・・・ とにかくここでアイゼンは外して普通に歩くことになった。道路を延々と下りる・・・ 雲も多くなり陽も傾いてた。やっとのことで裂石に到着したのは 予定より1時間半も遅い15時30分だった。やはり雪道は体力を消耗するな〜 
かぼちゃのホウトウ。沢庵もまいう〜 
南アルプスに陽が落ちる・・・。
 次のバスはなんと17時過ぎまでなく1時間半も待たなくてはならなかった。仕方なくバス停近くのお店に入る。小腹も減っていたのでMeaさんの提案で ホウトウを食べることになった。ホウトウは山梨の名物だが、作り方は様々、ここのはカボチャを煮詰めたスープであった。少し麺が多いな〜と思いながらも 全部食べきってしまった。なんだか今日一番まともに食べた感じだ。スープも少し味噌仕立でそこにカボチャが加わってとろりとした感じで美味しい。これで 900円だから格安といえるだろう。自家製の漬け物も添えられていてこれがまた旨かった! あと、お供え餅で作ったオカキを特別に頂いた、素朴な塩味 だがすこぶる美味しかった。昔、ばあちゃんがよく作ってくれたのを思い出してしまった・・・。
 お腹も膨れて、まだ時間もあるので温泉に入ろうと大菩薩の湯へ移動。バス停からは5分ほどだ。ここにはバス停もあるので便利だ。3時間で600円。 館内には休憩施設や土産物店がある。ただ温泉は循環でちょっと消毒臭い・・・それでも人気があるのか地元や近隣から沢山の人が訪れていた。
 身も心も温まり出てくるとすっかり夕暮れで遠く南アルプスに陽が沈むところであった。雲はあるがゆっくりと陽が落ちてゆく・・・。夕焼けがあたりを 包むころ、17時13分のバスに乗り込み帰路についた。
 
 
おしまい・・・。