山歩きヘロヘロ日誌

2009年2月21日〜22日 厳冬の蔵王・樹氷ツアー

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登 山 日2009年2月21日(土)〜22日(日)
ル ー ト ■2月21日(土)(曇り時々吹雪)
 東京駅==【JRツアー利用】==仙台駅(8:20)==路線バス==遠刈田温泉(10:00頃)
 遠刈田温泉==タクシー利用===すみかわスノーパーク(10:50頃着)
  ※第1、第2、第3リフト乗り継ぎ
 第3リフト降り場(12:25頃)・・・・観光ルート利用して下山・・・・ゲレンデハウス前(15:20頃着)
 スノーパーク(16:30発)===無料送迎バス===遠刈田温泉(17:20頃着/泊)
 
■2月22日(日)(晴れのち曇り)
 遠刈田温泉(9:00頃発)===タクシー利用===すみかわスノーパーク(9:40頃着)
  ※第1、第2、第3リフト乗り継ぎ
 第3リフト降り場(10:15頃発)・・・・・観光ルート・・・・大黒天バス停付近(10:45頃)・・・・
 刈田岳南陵尾根登攀開始(11:10頃)・・・・・・・・・刈田岳山頂・刈田神社(11:45頃)・・・・
 南陵尾根下山・・・・ツアースキールートを下山・・・・とおみレストハウス(12:40頃/休憩)・・・・
 ・・・・スキー場コース下山・・・・ゲレンデハウス前(13:10頃着)
 スノーパーク(13:50頃発)==タクシー利用==遠刈田温泉・さんさ亭(14:15頃/入浴)
 さんさ亭(15:10発)==【JRツアー利用】==仙台駅===大宮===東京
 
参 加 者てばまる、相棒さん
 
 

■2月21日(土)(曇り時々吹雪き)
 東京駅==【JRツアー利用】==仙台駅(8:20)==路線バス==遠刈田温泉(10:00頃)
 遠刈田温泉==タクシー利用===すみかわスノーパーク(10:50頃着)
  ※第1、第2、第3リフト乗り継ぎ
 第3リフト降り場(12:25頃)・・・・観光ルート利用して下山・・・・ゲレンデハウス前(15:20頃着)
 スノーパーク(16:30発)===無料送迎バス===遠刈田温泉(17:20頃着/泊)

 厳冬期の2月は毎年どこかの山に出かけている。さて、今年はどうしようかと考えた結果、尾瀬仲間のkazuさんが2年連続で宮城蔵王の 樹氷を見に行っているということで、興味が湧いてきて麓の遠刈田温泉に宿泊出来るJR東日本のフリーツアーを利用することにしていろいろと 情報を集めた。kazuさんからもいろいろ根掘り葉掘り聞いて行く算段が整った。
 しかし、当日の予報は大荒れで暴風雪の予報・・・ とても樹氷を見れる状態にはなりそうにないので泣く泣くキャンセルして延期。
 
福島あたりは雪景色。
 そして2週間後の2月21日がやってきた。しかしまたまた予報は荒れる予報・・・この時期の東北の山々は晴れることが難しいという 話がけどまさにその様相である。でも今回はとにかく行ってみようってことで東京を出発した。
 
 東北新幹線 MAXやまびこで北上〜 栃木あたりまでは天気も良かったが福島に入ると降雪である。
 北日本は荒れるという予報だがそんな感じの空模様だった。
 
 最寄りの仙台に到着するが晴れ間はあるけど小雪が舞う・・・
 
 
 路線バスで遠刈田温泉に到着。見えるはずの蔵王連峰は雲の中で何も見えなかった。うーん、これは厳しいかも・・・。
 タクシーで登山口のスキー場に向かうが、タクシー会社のおばちゃんが親切にスキー場に電話で問い合わせてくれるとリフトは動いている、 風速は1m程度だと聞かされ一安心だ。吹雪でなければ樹氷原までは行けるかな!? と落胆ムードから意気揚々でタクシーに乗り込み 出発。運ちゃんといろいろ話をしながら雪道を登る。
 途中、峩々温泉の送迎車が路肩につっこんで放置されていた。地元の車でも油断すると危険ということである。
 
団体ツアー様用の雪上車は運行していた。
 かなり標高も上がってきたけど蔵王連峰は全く見えない・・・さらに風も吹いているようだぞ・・・?
 約30分ほどですみかわスノーパークに到着!! いきなり雪冤混じりの強風が吹き荒れていた!! 何ですかこれは!? どこが風速1mなんですかこれわわわわ!!?? おばちゃんもしかして乗せたいばかりに計りおったかな???
 
 とにかくゲレンデハウスに逃げ込んだ。 受付のおねえさんに伺うと、第1リフト以外は運転見合わせ。バックカントリー用雪上車も運休。 団体ツアー様用の観光用雪上車は運転してるけど山頂までは行けないくらい暴風雪と視界不良だそうだ!! やはり計られたのかも・・・。
 とはいえこのまま直ぐに帰ることも出来ないので午後の観光用雪上車に乗車しようかと尋ねるが既に満員とのことでどうにもならない状況である・・・ トホホホ・・・
 
 仕方なくレストランで早めの昼食である。外はすさまじい雪冤が舞うくらい風が強く、ときおり吹雪だ。周辺の散策も考えたけど ちょっと厳しい感じ・・・ はてさてどうするかと決めかねていた・・・ 暫くすると「第3リフトまで運転再開します。」との放送が流れた!  よし、天の助けだ? すぐにリフト券を購入してリフト乗り場へ・・・でもまだまだ風は強い。しかも寒い!! 
 
ちょっと吹雪の中、リフトはゆるゆると進む。標高が上がると着雪した樹木が凄くなってきた。
 リフトの乗るけど強風でゆらゆらと揺れてちょっと不安・・・ 第2、第3リフトを乗り継いで標高1380mのポイントに到着。 ときおり強風が吹いて吹雪状態になる。視界も悪いし寒い!! 気温は氷点下7℃。風があるので体感的にはもっと寒い!! とりあず 行けるところまで行こうと準備をする。すると、サイレンと共に雪上車が数台降りてきた。停車するとお客をおろして周りの着雪した 樹氷もどきを見せてなにやら説明していた。どうやら樹氷原は烈風で視界不良のためここで我慢してもらおうということらしい。 4700円も払ってこの景色だけではさすがに不満が出そうだなぁ・・・。
 
観光用雪上車が降りてきた。視界不良で引き返してきたそうだ・・・。ワラワラと観光客が降りてきた。 雪上車の走るルートを歩き出すが・・・。
 樹氷もどきを見て記念撮影したりしている観光客をよそに歩き出す。
 向かい風は予想以上に強くてなかなか先に進めない・・・ そのうちゴーグルが曇ったりしてそれが一気に凍り付いて前が見えない 状態になってしまった! メガネは曇るしで、いやはや大変である・・・
 暫く歩くと観光コースの分岐で、右に行けば樹氷原だけど、何ですか!この吹雪は!! 凄い向かい風が吹雪だか雪冤だかわからない けど襲ってきてとてもじゃないけど無理!! 雪上車が引き上げてくるくらいだから徒歩じゃ危険なので樹氷原は断念・・・。
山頂への分岐のあたり。かなりの吹雪が襲ってきます!!トドマツに着雪した姿が豪快です!! 危ないのでルートを下る・・・。
 風に押されながら観光コースをゆるゆると下る。風は強いけど向かい風でないだけかなり楽である。
 周りをみればどっちゃりと着雪したシラビソやらアオモリトドマツやらの針葉樹がクリスマスツリーのようになり綺麗だ。雪質も パフパフのパウダーで気持ちよい。
 樹氷も見れずに帰ることになりそうなのでとにかく手当たり次第に写真をしながら下るがコンパクトデジカメだけで一眼デジを出すことはなかった。
 
パフパフの斜面は気持ちいい〜!!雪上車が下ってゆく・・・。
 途中、素敵な斜面があるとちょっと登ったりしてコースを外れてパウダーを楽しむ。 緩やかなコースなのでボーダーもあまり こないけど時々初心者らしいのがスルスルと滑っていった。
 観光コースは森の中をうねうねと進み、けっこう長いようだ・・・。 相変わらず風は強いし雪冤が舞う。遠くの山はまったく見えない けど時々青空が見え隠れしている。青空と雪景色を撮りたかったのでワンチャンスを撮った。
 
 しばらく進むと先ほどの観光樹氷ツアーの雪上車が追いついてきた。雪冤を巻き上げて進む姿はけっこうカッコイイ!!
 
 ゆっくりと下って、人の声が近づいてくる。リフトも見えてきて、第二リフト降り場の到着したようだ。体も冷えたしトイレもしたい ので「とおみレストハウス」に立ち寄った。部屋の中は暖房も効いてるし自販機もあるので休憩には便利だ。軽食も売ってるようだけど 本日は販売終了みたいだ。
 とりあえず温かい飲み物やおやつを食べてしばし休憩する。 外の風はさらに増しているようで絶え間なく雪冤があがっていた。東北の 山は冬はほとんど晴れないというけれどその洗礼をおもいっきり受けた感じだ。
 
 休憩もほどほどにして下山開始。ここからは観光コースとスキールートが一緒になっていてまっすぐ下れば到着できるようだ。
 ボーダーもけっこう滑ってきて危ないので、コースに平行して伸びている電線?の下を歩くことにした。ここも新雪でパフパフして いるのでなかなか楽しい。 振り返っても蔵王の山はまったく見えない状態は続いている。
ゲレンデは危ないので少し外れた電線下を歩いた。時々青空は見えるけど・・・。 降りしきる雪の中を登ってくる雪上車。
こういう斜面を下るのは楽しい〜!! でも登り返すのは辛い・・・。
 左の谷の向こうには蔵王のエコーラインが見えていた。冬季閉鎖中だけど道沿いには歩けるようだ。
 しばらくすると雪上車がまた上がってきた。5台くらい連なっていてほぼ満員の様子。上までいけないけどツアー客なのでとりあえず 運行という形なのかもしれない。 
 
 どんどんと下ってゆくと広いゲレンデが見えてきた。そしてホテルも見えてきてもうすぐ到着である。時間もまだ余裕があるので大きく ルートを外れてパウダー斜面ゾーンで遊ぶ!! かなりの急斜面だけどパフパフなので落ちるように下るのが楽しい〜(^−^) 何度も 上り下りしたのでけっこう疲れた・・・ぜぇぜぇ・・・
 
名物の肉まん?で温まる。雪見大福みたいな「樹氷」アイス。
 広いゲレンデゾーンを横切ってサクサクと下り、3時半ころにゲレンデハウス前に到着。 風はさらに強まった感じで雪冤が巻き上がって とてもゲレンデとは思えない状態だ! 
 明日は登る予定はしてないけど、もしかしたら樹氷ツアーが空いてるかも? と受付に聞くが午前便も午後便も満員だそうだ。予報では 明日は回復のようなので何とか行きたいところだけど無理そうだ・・・ 徒歩ではかなり時間的に厳しいのでやはり諦めかな?
 
 送迎バスの時間までレストランで休憩する。 夕方になると風が強まるとは言うがまさにそんな感じで猛吹雪状態であった。
 4時半の送迎バスに乗り込みスキー場を後にする・・・。
 
 ルーズな運転手のおかげで20分ほど後れてホテルに到着。今夜の宿はホテルさんさ亭。 温泉にでも浸かってのんびりですぅ。
 
あんかけ豆腐。海老やホタテのバター焼き。 お刺身はカマクラの中に。豚肉のしゃぶしゃぶ。
窓からは冬の星座が綺麗でした。
 豪華な夕食も食べて部屋でくつろぐ、外はやっと風がおさまって冬の星立ちが輝いていた。みやぎ蔵王えぼしスキー場のライトが綺麗に 見えているが山の稜線は見えない・・・。明日はどの程度の回復なのだろう?? 
 
 
 
 
 
 
 
 
■2月22日(晴れのちくもり)
 遠刈田温泉(9:00頃発)===タクシー利用===すみかわスノーパーク(9:40頃着)
  ※第1、第2、第3リフト乗り継ぎ
 第3リフト降り場(10:15頃発)・・・・・観光ルート・・・・大黒天バス停付近(10:45頃)・・・・
 刈田岳南陵尾根登攀開始(11:10頃)・・・・・・・・・刈田岳山頂・刈田神社(11:45頃)・・・・
 南陵尾根下山・・・・ツアースキールートを下山・・・・とおみレストハウス(12:40頃/休憩)・・・・
 ・・・・スキー場コース下山・・・・ゲレンデハウス前(13:10頃着)
 スノーパーク(13:50頃発)==タクシー利用==遠刈田温泉・さんさ亭(14:15頃/入浴)
 さんさ亭(15:10発)==【JRツアー利用】==仙台駅===大宮===東京


すっきりと晴れた蔵王連峰にほんのりと朝陽があたる。
 明け方近くに起き出して外の様子を見ると白み始めた空と蔵王連峰の稜線がほんのりと見えていた! おお〜! 今日はいい天気になり そうだな・・・。 何とか樹氷ツアーでもキャンセル出てないだろう?? 
 徒歩でいったらどのくらいかかるだろう、せめて樹氷原までなんとかいけないだろうか?? などと再び布団に入り悶々と考えていた。
 
 明るくなり再び外を見ると白い峰が青空に映える!! こんな良い天気はこの季節では希なのでこれを逃す手は無いなと思いつつ フロントにお願いしてスキー場に聞いてもらうことにした。しかし、空きはまったくないとの返事・・・。駄目か・・・
 
 でも無理してでも行かないと後悔しそうなので考えたあげく最終手段としてタクシーで向かい、第3リフト降り場からのバックカントリーの 雪上車で山頂まで行ければなんとか帰りのバスの時間までに間に合うかもしれない!!? とにかく行ってみるべ〜!! と朝食後に 準備をしつつフロントにタクシーを呼んでもらう。
 
 9時過ぎ昨日と同じタクシー会社のタクシーで出発!! 風も穏やかで素晴らしい青空が広がる。蔵王連峰や周辺の山々が見えていて 昨日とはエライ違いの好天気だ!!
 運ちゃんと話をしながらぐんぐんと標高を上げてゆくと下界の遠刈田はもちろん彼方の山々まで見えていて視界も良好だ。これなら 太平洋や日本海も見えそうだぞ!! 
 
 9時40分くらいにスキー場に到着。さっそくゲレンデハウスに行きバックカントリー用雪上車のチケットを買おうと訪ねるとなんと!!  定期点検で午前便は運休だとっ!! こんな好天にわざわざ点検する必要があるのかと思ったけど、仕方ないのでリフト券だけ買い 徒歩でいけるところまで歩こうということになった。山頂は無理でも樹氷原までは行けるだろう!? 
 
 早速準備を整えて第一リフトに乗り込む。風は少しあるけど爽やかな青空が広がる。
 第二リフトから第三リフトに乗る。このあたりからたっぷり着雪した針葉樹が出てきて青空に映えて素晴らしい!! やっぱりこうで なきゃ冬山はつまらないよね・・・(^-^)。 ボーダーもあちこちの斜面を気持ちよさそうに滑っていた。
素晴らしい青空に向かってリフトは上昇してゆく。標高が上がると着雪がキラキラと美しい!! 視界も良好で遠くの山まで見えていた。
 
 第三リフトを降りてスノーシューをつけて準備を整える。昨日は吹雪で何も見えなかったのに周囲の白い森ばかりか遠くの山の稜線まで はっきりと見えていた。西側の山は烏帽子岳の稜線だろうか!?
 
 サクサクとシューを引きずって出発!! サングラスをしないと眩しいくらいに森も山も輝く!! はぅ〜ステキ!!
 観光コース分岐に到着。昨日は猛吹雪で断念したけど今日はこのまま進む。 早朝便の樹氷ツアーの除雪車が走ったようで真新しい ワダチが伸びていた。
昨日吹雪で断念したルートを気持ちよく歩く。視界が広がると目の前に蔵王の白い山が見えてきた!! 刈田岳も見えてくる!!
 アオモリトドマツの森に囲まれた道をどんどん進むと、次第に視界が広がってくる。目の前に真っ白い山が見えてきて、どうやらあれが 蔵王連峰のようだ!! 
 山頂になにやら建物があるのが見えるがあれが刈田岳だな。 なんとかそこまで行きたいけど時間的に厳しいかもしれない・・・。
 
 森を抜けると風がちょっと強くなってきた。雪冤も上がったりするのでサングラスからゴーグルに替える。
 広大な緩斜面、上部には樹氷原が広がっている。一度樹氷の雪が崩れてしまったのがよくわかる。この時期にここまで崩れるのは相当に気温が 高かったからだろうな。でも、また復活してきているので3月上旬にはモンスターになるかもしれない。
 遠刈田方面もよく見えて白い山が遠くにある、あれは栗駒山か早池峰山あたりだろうか? 
どこの山だろう? トドマツの森と雪景色が綺麗だ!!このあたりから樹氷のはずだけど数日前に溶けてしまったので寂しい限りだ。 こんな状態から成長してモンスターになるのだろうな〜。
 
 観光ルートを横切るようにスキーのルートが延びていた。ちゃんと旗が立っているので迷うことはなさそうだけど、歩きやすさから このまま観光ルートを上ることにした。するとサイレンとともに雪上車が下ってくるのが見える!! 爆音とともに近づいてきて我々の 目の前を通過していった。昨日は5台だったはずだけど、なんと6台も連なっている! もしかしたらバックカントリー用のやつも使って いるのかも?? 個人客よりは団体客優先なんだろうな〜!
雪上車が下ってきた。山頂まで行ったのかな?このあたりでエコーラインと合流する。 蔵王の峰峰と雪原。谷の奥に蔵王のお釜がある。
 雪上車が通ったのでさらに圧雪されて歩きやすくてサクサクと進める。けっこうクネクネとした道でちょっと飽きてくるけどこの雄大な 景色を見れるだけでも楽しい。ここまで快晴になるとは予想外だけど、この季節の東北の山で快晴になるのは月に1.2度あるかないか のことらしいから今日はかなりラッキーなことなのだ!!
 
 登るにつれて風が強まってきているようだ。午後から天気が崩れると言うことなのでその前兆かもしれない。上空を飛び交う飛行機も 飛行機雲を長く伸ばしている。いやいやいや、それにしてもこの青空はエエな〜(^−^) そして見渡すばかりの白い山。そしてミニモンスターの 樹氷たち!! 素晴らしい!!
 刈田岳が近づいてくると尾根を登る人たちが見えてくる。けっこう登っているようだな〜 スキーコースを歩くボーダーたちも多い。
ミニモンスターが現れてきた!!このあたりは風が強くて時折雪冤が舞う!! 大黒天のバス停付近。あの奥にお釜がある!!
 雪に埋まる大黒天のバス停にやってくる。険しい崖が奥の方に続いていてその先にお釜があるようだ。なんとかお釜が見える山頂まで 行きたいけど、時間は11時過ぎ・・・難しいか? でもここまできたらせめて見えるところまで登りたいな・・・。
 
刈田岳に向かって登る。風はかなり強い!!振り返ると烏帽子岳!! 強風で雪が舞う!! 
遙か遠くの山々も見えている大展望だ!!モンスターらしい樹氷も現れる!!
 やがてスキールートと合流するカーブに到着。沢山のボーダーやスノーシューの登山者が集結していた。見上げればポツポツと連なって 歩く登山者が尾根を登っている。どうやら刈田岳に直登する尾根のようだ。 当初はこの先の料金所で折り返そうかとも思っていたけど 樹氷もあまり良くないし、ここを登ればお釜が見える!? ということで登ることにした。というか相棒はもう登りだしていた(^^;)
 
 けっこう雪も締まっていてスノーシューのアイゼンがよく利くので登りやすい。そんなに急勾配でもない。しかし、強風がふきつけて いるのでかなり大変! 目出し帽にゴーグルをつけて完全武装だ!! ガシガシと風に飛ばされないようにゆっくりと登る。
 振り返れば樹氷原が広がり、烏帽子岳や杉ケ岳がよく見えていた。さらに、刈田峠の料金所のあたりから山形側の樹氷原、さらに遠く、 飯豊連峰の白い峰まで見渡せる。この時期にこんなに視界が良好なのも珍しいだろうな。
 
烈風の中を黙々と登る!!!蔵王の外輪が見えてきた!! 
風に削られる雪原の風紋が凄い。モンスターも烈風に削られてゆく・・・!!
 登れば登るほどに風が強まり雪冤が吹きつけてきて時々体が持っていかれそうになるので耐風姿勢をとる。
 中腹あたりまでくるとミニモンスターがあちこちに出来ていて面白い。しかし足下は氷のようにガリガリ雪になっていて風紋やエビのしっぽが 増えて荒々しい様相になってきていた。 このあたりからは相当厳しい環境のようだ。
 
 スキーで登る人は板にシールを貼ってゆっくりゆっくりと登る、スノーボーダーはスノーシューを使って登っている。我々もスノーシューだが クランポンのしっかりした山岳向けなのでかなりグリップ力がありガシガシと登ることが出来た。雪が氷のようになっているのでハイク向けの スノーシューではかなり辛いところだろうけど、そういうタイプのハイカーもけっこういるようだ。
 ゆっくり登るスキーヤーやボーダーをどんどんと抜き去り登ってゆくけど、いやはやこれは烈風に近いこの風には閉口してしまう。相棒と 喋ることも大変である。
 
 傾斜がちょっと急になるとお釜の底がよく見えてくる、夏場だと青緑色の水面があるそうだけど、今は白一色!? でもよく見ると僅かに 色が違うところがありどうやらあそこがお釜のようである。年中お湯が沸いているのかと想像していたけどそれほどでもないようでシャーベット のような感じに見えた。その周囲を囲む壁はセッピがせり出して厳冬の山って感じだ。本州の3000m級の冬山に匹敵するという東北の山、特に この蔵王は季節風をまともにうけるので大規模な樹氷が育つのだそうだ。晴れていても強風が吹くという場所だけど今日はその洗礼をうけている 気がする。空には筋上の雲も出てきて天候悪化の兆しが見えていた。
ついにお釜が見えてきた!! これが見たかったので感激である!!雪と氷に覆われた避難小屋。 エビのしっぽが風の強さを物語ります。
 どんどん登り、やがてエビノシッポに覆われた避難小屋? が見えてきた。何人かの人が風をよけて休んでいる。建物の形をした雪の彫像の ようになっている姿はこの場所の厳しい環境を物語っている。
 
山頂に建つ刈田神社。ここも雪と氷で覆われていた。地面もエビのしっぽで埋め尽くされている!! 
着氷した鳥居。環境のすさまじさに圧倒される。刈田岳山頂!! 背後は地蔵岳とお釜。
 このあたりで引き返すか考えたが、山頂の神社がもう見えているのでこのまま進むことにした。
 斜面を登りきると山頂は平でさらに烈風である!! 足下もエビノシッポで埋め尽くされていてどこか異世界、別の惑星じゃないかと思う ほどだ。 向かい風に立ち向かいながら進むと刈田神社に到着。鳥居も本殿も雪の彫像である。これでも一度溶けて崩れているというのだから 崩れる前の状態はどんなだったのだろうかと想像してしまう。
 神社のすぐ横に刈田岳の山頂標識がありちょっと記念撮影をした。崖近くに行くとお釜が大きくよく見えている。そして白い蔵王連峰が 連なる。もう少し時間があれば最高峰の地蔵岳にもいけそうだけど今回は時間がないしこの風では厳しいのでこのまま引き返すことにした。
 
 山頂滞在僅か5分たらずだけど烈風の中では何も出来ないので仕方有るまい・・・。
 
 来た道を戻り稜線を下る。今度は風が後ろや横から吹いてくる追い風なので耐風姿勢がとりにくいので慎重に下るが、風に押される形で どんどん下れてしまう。 途中、樹氷や景色を撮影しながらサクサクと下りあっというまに観光ルートに降りてしまった(^^;)
来た道を下ります・・・!これくらいでもモンスターにはほど遠い!! 帰りは烈風が背後から吹き付ける!!
 
 帰りは時間短縮のため、バックカントリーのスキールートを下る。 圧雪されてないのでフワフワサクサクの雪を歩くので気持ちがいい。 晴れているししっかり目印があるので迷うことはなさそうだ。ほとんど直線的に伸びるルートは途中の観光ルートをもう一度横切り樹林と雪原の 中を歩くようになる。振り返ればさっきまで登っていた刈田岳が遙かに見えてあの山頂に登ったていたのかと不思議な感覚になった。それにしても 下山は早いな〜 山頂からここまでまだ30分経ってないのだ。かなりのハイペースである。 最盛期のモンスターがあったとしたら撮影になって こんな短時間では降りてこないだろうなきっと(^^;) 
短縮のためバックカントリーのルートを進む。サクサクですぅ〜観光ルートを横断して更に進む。 振り返ると刈田岳が遠くになっていた。下りは早いな〜
 
 登っていったスキーヤーボーダーはまだ滑っているのか下ってくる気配はないのでほとんど二人締めのスキールートである。登ってくるときは このあたりはあまり風がなかったのに今は強風が吹いていた。やはり天候が急変する気配が濃厚のようだ。
 
 サクサクと下るとやがてスキーやボードをする人が見えてきた。通常のスキールートに出たようだ。コース端に立つと眼下にとおみレストハウスが 見えていた。ここからは一気に下ればいいだけなので、お腹も空いたしちょっとティータイムである。
 朝食バイキング時にしっけいしてきたほうじ茶はほどよい熱さで冷えた体に暖かさが染み渡った。ほぇ〜 やっぱり日本人はお茶だね〜 と二人で 話しながら、これまた部屋からしっけいしてきたお茶菓子で空きっ腹をなだめた。
 
 ゆっくり何か食べたいところだけど時間もないのでさっそく下山開始。
電線の下は表面が凍っていてザクッと踏み抜くので歩きにくい。
 滑ってくるスキーヤー、ボーダーに気をつけながらどんどんと下る。滑る人には急斜面で恐怖感のあるコースもスノーシューだとサクサクと下れて しまうのが面白い。レストハウスには寄らずに緩斜面のコースをゆく。 昨日の下山時に電線沿いに歩いたところなので今回もそこを歩いた。 昨日の我々の踏み跡が少し残っていたが、表面が薄く氷化していてちょっと歩きにくかった。
 
 振り返ると、山頂付近は雪冤が多く舞ってる、さらに風が強まっている感じだ。 烏帽子岳側の上空にはレンズ雲が出ていて下り坂のサインが 出ていた。我々はとってもラッキーな晴れ間に遭遇して登ることが出来たようだ。風は強かったけどこれはこの時期としてはごく普通なのかも しれない。
 
ガシガシと下るとホテルが見えてきて、まもなくゴールだ!
 緩斜面をどんどんと下ると午前の定期便の樹氷ツアーの雪上車が下ってきた!? ということはまだ13時? 2時くらいになるだろうと予想していた けど予想以上に早いペースで下ってきたようだ! 
 
 やがてホテルが大きく見えてきてほどなくしてゲレンデハウスに到着だ。時間は13時10分。 先ほどの雪上車は新しい団体客を乗せて出発する ところであった。 下山届けをして外に出てくると13時10分の送迎バスがまだ止まっていたので乗れるかも? と運転手に尋ねたが満員であった。 やっぱり駄目か・・・ 仕方ないのでホテルの方に移動してタクシーを呼ぶことにした。
 わりと大きなホテルだけど受付はビジネスホテル並。トイレもあまり綺麗ではなかったけど宿泊客は多いようだった。でも内装もかなり古い感じ でネットの口コミ情報の悪さは本当のようだ。相棒が買ったチョコレートの値段が判らずに右往左往するスタッフを見るとサービス面も悪そうだ。
 
 麓のタクシー会社に電話すると25分くらいかかるとのことでそれまでロビーで休憩させてもらった。
 外は晴れてはいるが、雲が俄に広がり始めて蔵王の稜線は見えにくくなっていた。このあたりの山は快晴でも急変するとはいうけど、まさにその 通りのようだ。
 
 電話とおりに約25分後にタクシーが到着。なんと朝乗ってきたタクシーのおじさんであった(^^;) 
 さっそく乗り込んでスノーパークを出発。遠ざかる蔵王の山々を何度も振り返り山を下ったのであります。道中、素晴らしい景色や強風のことを 運ちゃんと話しながら「ホテルさんさ亭」に戻ってきた。実はここから仙台駅に送迎バスが出ているのである。
 すっかり話し込んでしまった運チャンと別れてホテル内へ、バスまでまだ時間があるので日帰り入浴である。 絶対に間に合わないと思って登山した のだけどなんと当初の予定とおりの時間に戻って来たのはかなり奇跡に近いと思う。まさかこんな短時間で刈田岳に登って戻ってこられるとはね〜
 
駅弁を頬張りながら帰路につきました。こちらは「宮城まるごと弁当」。
 ゆっくり風呂に浸かり、15時10分の無料送迎バスで仙台駅に向かった。遠望する山々はすっかり薄黒い雲に覆われてしまっていた。ほんとに Goodタイミングで一瞬の晴れ間に巡り会い登ることが出来たのはホントにラッキーだったようだ。チャンスをくれた山の神様に感謝しながら帰路に つくのでありました。
 
 
 
 土曜日の吹雪には樹氷も蔵王の山も見ないまま帰ることになるかもしれないと思ったけど、日曜日の快晴で思い切って登って大正解だった。
 本来のモンスターは見れなかったものの、樹氷原と白い山々、蔵王連峰、お釜、行けるとは思わなかった刈田岳の山頂まで行けて満足満腹の初蔵王 でありました。 願わくば最盛期のモンスターを見たいものだな〜と帰宅してから思い始めたのであります。
 
 蔵王に行くにあたり、いろいろ情報をくれたkazuさんに感謝ですぅ〜(^-^)
 
 
 おしまい・・・。

次回は最盛期のモンスターに会いたいな〜!!