■1月3日(土)(晴れ時々雪)
松本駅(7:50)==路線バス==中ノ湯(9:05)
中ノ湯バス停(9:10頃発)・・・・釜トンネル出(9:35)・・・・大正池ホテル(10:10頃/休憩)
大正池ホテル(10:45頃)・・・・河童橋(11:40頃)・・・・明神分岐(12:30頃/昼食)・・・・嘉門次小屋/穂高神社参拝(13:05頃)
嘉門次小屋(13:15頃)・・・・散策路・・・・河童橋(15:15頃)・・・・大正池ホテル/泊(16:00頃)
尾瀬仲間さんや山のお知り合いが厳冬期の上高地を訪れて素敵な景色を見ていたのを前々から知って気になっていたので行ってみよう
ということで早々に情報を収集したり予約したりと準備してきた。そして年が明けていよいよ出発である。
前日までは天気は悪い予報だったけどなんとか回復の予報に変わってきていた。
土曜日早朝出発ではどんなに早くても上高地入りが午後になるので前夜のうちに松本まで入りビジネスホテルで宿泊して早朝の路線バス
で向かうこととなった。
|
松本駅バスターミナルを7時50分定刻に発車したバスは快調に走る。見る限り天気は晴天で北アルプスの白い山々が見えていた。この
調子なら上高地も晴れだろうと予感! 同じ日に上高地を散策するkazuさん夫妻は釜トンネル入り口に着いたと連絡が入った。現地は
粉雪が舞っているそうで、やはり山岳地帯は雪のようだ・・・。
バスも山岳地帯に入り進む。南岳に来たときに降り立った沢渡を通り過ぎ、さらに山奥に入ると雪が舞っていた。
坂巻温泉を過ぎると下車場所の中ノ湯温泉である。
バス停から少し歩いて釜トンネル入り口に到着。売店を覗くがkazuさんたちはいなくて出発したようだ。 すでに数人の登山者が
支度をして歩いてゆくところであった。我々も早速準備をする。事前情報でトンネル内は電灯が消されている。いつもはついている
そうだが今年は消しているそうだ。電灯はないけど案内板の灯りは点々と灯っている。
ヘッドライトをつけていよいよ出発だ!!
始めて歩く釜トンネル、前々から噂には聞いていたけど実際に歩くと意外と傾斜があるのが判る。でも古いトンネルよりはかなり
綺麗になっているそうなので歩きやすいのかもしれない。標識の灯りがないところはほんとうに暗くて1人だとちょっと怖いかも
しれないな〜 先行している人や後続の人の話し声や足音が響くので静けさはあまりなかった。
中間付近を過ぎてさらに歩く。ゆるやかにカーブしているトンネルがまっすぐになってくると遙か向こうに明かりが見えてきて
新鮮な空気が漂い始める。
歩き出しから約30分ほどで釜トンネルを抜けて上高地側に到達した。先行の人たちが休憩したりしている。青空も見えては
いるけど雪雲がかかり雪が舞っていた。雲間から焼岳が見えている。周りの山も道も雪で覆われて雪山って感じだ。積雪は大したこと
ないし、よく踏まれているのでスノーシューは不要のようなのでこのまま歩いてゆくことにした。
キュツキュツと新雪を踏みしめながら車道を歩く。ゆるやかに上り坂で一汗かいてしまう。先に入山しているkazuさん夫妻は
大正池ホテルでのんびりお茶していると連絡があった。なんとか合流出来そうである。
雪は降ったりやんだりだけどときおり日差しもあったりして悪くなる様子ではなかった。ピンポイント予報では明日は晴れの予報
なので霧氷も期待出来そうだ?
|
それにしても結構登山者が来ているのにはびっくりである。下山してくる人も多くて、ピッケルとか持ってる人は穂高あたりに
行っていた人たちだろう。凄いな〜
坂を登り切ると平坦になりゆるゆると下る。いくつかのカーブを越えてゆくと穂高に続く山が連なる。そして砂防ダムが見えて
きてほどなくすると大正池が眼前に現れた!!
おお〜 来たぜぇ〜!! でも見えるはずの穂高の峰峰は雲に覆われていた。辛うじて
岳沢と明神の岩肌が見える。
大正池は凍ってなかった。今年は気温が高いようだ。池を眺めながらどんどんと歩きゆくと今夜の宿泊先の大正池ホテルが見えてきた。
大正池ホテルは年末年始だけ臨時で営業しているのでこの時期に上高地に入る人たちに重宝がられている。昨年は別のホテルもやって
いたそうだけど今年はやめたようだ。
|
釜トンネル出口から約30分でホテルに到着した。本来の玄関口は閉ざされているので冬季用の出入り口から中に入るとロビーの
ところは宿泊者たちの荷物室になっていた。とりあずザックを置いて奥のレストランに入る。kazuさんはいるかな〜と探すと、いました!
どうもですぅ〜(^o^)/ 11月のオフ以来のご対面かな? あけましておめでとうございます〜 と挨拶した。
昼間の時間は軽食もとれるレストランなので食事をしている人も多かった。窓からは大正池が見渡せるし雲がなければ白い峰峰が
広がる素敵なロケーションなのだけど生憎の曇り空だ・・・。
とりあえずコーヒーを頼んで談笑しながらくつろぐ。積もる話もしながら楽しんだ。
kazuさんたちは今日は中ノ湯まで戻って宿泊して明朝再び入山して大正池ホテルに宿泊という贅沢な2泊なのだ。
受付をしようと思ったが12時半からということなのでやめて散策に出ることにした。
kazuさんたちは田代池方面に向かうとのこと、我々はとりあえず河童橋を目指すのでルートが別れることになるのでまた明日
会いましょうと約束してホテル前で別れた。又明日ね〜(^o^)/
ホテルからも時間短縮のために車道を歩くがここも積雪がなくてスノーシューは不要だったがいちおう持ってきたのではくことに
した。相棒はザックにとりつけて出発だ。
|
シーズン中はバスやタクシーの往来が激しいこの道も今は歩く人だけ。静寂の森の道である。鳥の声もあまりしないけど時々カンっ!
と音が響く。木が割れる音のようだ。そんなに気温は低くないとは思うけど凍っているのだろうな・・・。
ほどなく歩くと撮影しているカメラマンがいてちょっと寄り道して撮影。ゆっくり歩いていると言う相棒だがやはり徒歩の方が早い
ようでなかなか追いつけない。やっと追いついたところでスノーシューは脱いでザックにとりつけた。
すると前方から団体が歩いてくる、かなりの大人数だ。近くで見ると胸にはクラブツーリズムのワッペンが! 例の厳冬期ツアーの
団体のようだ。こんなに参加者があるんだ〜とびっくりだ。しかもみんな熟年の方々・・・凄いパワーです。
建物が見えてきて広い雪原がある、ここは上高地バスターミナルだ。あたりまえだけどバスもタクシーも駐まってない・・・。
そこからさらに歩いてゆくと再び建物が見えてくる。梓川沿いに歩いてゆくと河童橋が見えてきた。おお〜 冬の河童橋じゃ〜!!
定番だけど冬場は始めてなのでちょっと新鮮な感じがする。シーズン中はごった返しているけど今はポツポツといるだけである。
ちょっと橋を歩いたりして撮影したりする。相変わらず穂高は見えないので写真的にはよろしくないのが残念・・・。雪もまだ
舞っているので今日は見えないかもしれないな・・・
|
時間はまだ11時半なのでこのまま明神を目指すことにした。
歩き出して小梨平の入り口付近に沢山のテントがあった。これがクラブツーリズムの厳冬期テント村である。小さいテントは
宿泊者用で中央の巨大なテントは暖房が効いた食事兼談話室となっているそうだ。厳冬期用シュラフや食料はツアーが用意する
ので普通に山小屋に泊まる程度の装備で厳冬の上高地を散策出来るのだから楽々である。それでいてお値段29800円は格安?
でも風呂もないしシュラフで寝るわけだから快適とは言い難いけどほぼ定員いっぱいだというから凄いことです。
小梨平には他にも個人のテントもポツポツとある。トイレも一部使えるので雪中テントするにはうってつけの場所だ。山好きな
おっちゃん達も毎年ここでテン泊して宴会するそうである。
河童橋までの車道とは違いこちらは踏み跡も少なくトレースを外れるとズボッと埋まる程度の積雪がある。穂高や明神岳からの
吹き下ろす風の影響か樹木への着雪もあり冬山〜て感じだ。このあたり猿も多い場所だけど姿はなさそうだ?
少し早足でサクサクと森の中を進む。すると先頭の相棒が声を出して立ち止まった、なんだろう?と前方を見るとチョロチョロと小さい
黒いものが歩いてくる。 なんとヒメネズミである!! こんな雪の中を餌探しに歩き回っているようだ。我々の方に近づいて
くるけど逃げようともしない。そういえば尾瀬でもヒメネズミを間近で見たけど逃げなかったな〜 物怖じしない性格のようだ。
足下に近づいても逃げなので暫く観察していると雪の上を早足で歩いて森の中に消えていった。かわええ〜
小さな野生動物に出会ってちょっと気を良くして再び歩き出す。出来れば白いオコジョでも出てくれると嬉しいな〜
|
明神岳の岩肌が大きく見えてきてそそり立つ!! 上部は雲に覆われているけど、岩肌に着く雪と岩の質感が荒々しい山の
雰囲気をかもしだしていた。氷壁って感じだ!! 穂高側は雲に覆われて雪が舞っているけど、表銀座の尾根の上空は青空が広がり
信州側と飛騨側の天気の境目になっているようだ。なんとか晴れの区域が押してくれると嬉しいのだけどな。
ちょっと広い沢地に出てから再び森の中をしばし歩くと建物が見えてきた! 明神分岐に到着である。分岐にある売店などは
閉まっているがベンチには数人のハイカーが休憩していた。吹き下ろす風が冷たいけど日差しもあるので日の当たるベンチを選んで
座り。遅めの昼食である。山屋で流行りの「山専ボトル」は優れもので保温力が高い朝入れてきたお湯もまだ熱くてカップ麺を作る
のに重宝した。温かい食べ物や飲み物はやはり体を温めてくれるし気力も湧いてくる。
ここから徳沢まではさらに1時間。さすがに時間的に無理なので、ここで折り返しだ。とりあえず穂高神社と明神池に寄って行こう
と歩き出す。
暫くあるくと明神橋が見えてくる。背後の明神岳もかっこいい!! 梓川の上流も晴れていて蝶が岳だろうか? 白い尾根が見えて
いた。
橋を渡りトレース沿いに歩いてゆくと嘉門次小屋前に到着。嘉門次小屋は営業はしてないが電灯がついているしトレースもある
ので誰かいるようである。
穂高神社奥の院の脇から池に向かう。シーズン中は参拝料とかとられるけど今は無料?ってことでみなさんけっこう入ってるようで
トレースがしっかりついていた(^^;) 桟橋のある一之池は氷結していなかった。凍れば上を歩けるそうである。
ついでに二之池も見にゆく。明神の岩肌が目の前まで迫ってそそり立ち迫力のある景色だ!!
神社に戻り参拝。そういえばこれが初詣になるのかな? 穂高神社に初詣なんて何だか素敵ですぅ(^-^)
参道を通って帰路に着くが梓川沿いの自然探勝路を歩いて帰ることにした。
|
探勝路の木道はほとんど踏み跡がなくてどこから入ってよいのかわからないのでしばらくは歩きやすい運搬用車道を進む。人気も
ほとんどなくて静かである。相変わらず雪は舞っているが信州側は青空だ。
ところどころ誰かのトレースが森の中に続いていて後を追うと木道になっていた。でも途中で引き返したようで途中までのトレース
で微妙に乗った雪が不安定である。それでも慎重に足場を固めながら歩いてゆくと再び車道に出てしまった。
しばらく進むと河原に向かうトレースを発見。歩いてゆくと雪原が広がり綺麗である。目の前には六百山が聳え雪が逆光でキラキラ
と光って舞っていて綺麗だ。焼岳方面は雪雲に覆われているようでどんよりしている。
またまた車道に戻り歩いてゆくとなにやら建物が見えてきたので新雪を踏みしめながらザクザクと歩くと工事用の資材置き場?
のテントがあった。このあたりは探勝路でも有名なビューポイントである。木道は工事中のようである。暫く撮影してから元来た
トレースを戻り車道を進む。
ほどなく進んだころ岩肌が見えて上の方につららの塊が下がっていた。クライマーが好きそうな岩壁である。後で判ったがこのツララは
冬場だけ見られる氷結した滝の一部だった。かなり上部から連なっているそうだ。
|
足早に進んでゆくと森の中に大きな建物が見え始めて河童橋地区に到着である。梓川の袂のベンチでお茶休憩をした。相変わらず
穂高の尾根は見えないのが残念だけど雪はやんできているのでもしかしたら晴れてくるかもしれないなぁ。
陽も傾いて来たのでホテルに戻ることにして歩き出した。 河童橋までくるとまだまだハイカーの姿がありちょっと安心するけど
今は厳冬期なんだよね・・・ そんな時期にこれだけ人がいるのも不思議な感覚だ。
|
梓川沿いに暫くあるいてからバスターミナルの雪原を横切り車道に戻った。 帝国ホテルを過ぎて暫く歩くとコツコツコツと響く音が
するので見渡すと枯れ木の先でアカゲラがガヅガツ木を叩いていた。望遠レンズがあればちゃんと撮れるのだけど今回は持ってきて
ないのが惜しい・・・ 辛うじて存在がわかる程度にしか撮れなかったけど間近で見れてラッキーである。
さらに歩いて森の中、先の道路になにやら座っている黒いものが!?? 野生の猿だ!! 猿はゆっくりと道路を横切り森の中へ・・・
単独で行動するわけがないのでよく見るとあちこちで座り込んで笹を食べているではないか! 目を合わせないよう通り過ぎつつ
写真も撮った(^^;) 厳冬期でも移動せずにいるんだな〜とちょっと感心。
|
そこからほどなく歩いて六百山のよく見える見晴らしでおっさんが2人写真を撮っていた。西陽があたって輝いてちょっといい感じ
なので真似して撮っておく。。。 その場を離れようとふと後ろを振り返ると! なんと雲が晴れて穂高の峰が見えるではない!! しかも
西日を浴びて光っている!! 綺麗だ!! やっと見えてきたか〜 このままなら夕焼けが映って綺麗かも? と期待が膨らむ。
急ぎ足でホテルに向かいながらも何度も振り返り眺める。雲の晴れ間は落ち着いているようである。
|
やっとホテルに着くと湖畔で沢山集まっているのをみつけてちょっと見に行ってみた。まだ焼けてはないけど白い穂高が美しい。
集まっているのは100%カメラマン。このひとたち全員大正池ホテルだろうな〜 少なければ相部屋でも個室になる
可能性もあったけどこの具合では駄目かも??
ひとまずホテルに戻り受付をする。1人9000円は格安かな? 夏場の山小屋並の料金で泊まれるのはありがたい。しかも風呂も
入れるのは嬉しい。
荷物を置いて再び湖畔に出てみた。すると稜線付近だけがオレンジ色に染まりモルゲンロートになっていて美しい!! これは
撮らねばと思うけどさっきより大勢のカメラマンがいてよい場所は塞がっていたので手持ちで後方から撮影した。初日から
こんな素敵な景色が見れるとはラッキーである。 水面に映る姿も良いので急いで別のポイントに移動する。
ホテルから釜トンネル側に5分ほど戻った展望テラスにゆくと大正池に映る穂高がいい感じだ。急速にオレンジ色が褪せてしまい
満足な写真は撮れなかったけど、ポジションチェンジで2度美味しい光景を見ることが出来た。
薄暗くなる中、ホテルに戻った。 さてさて部屋は個室かな? 期待して向かう。302号室、他の部屋は廊下に荷物が出して
あるけど302号は出てない! もしかして、と部屋に入ると光が漏れてスリッパがあった・・・ あ〜駄目か・・・ お邪魔します〜
と入ると若いカップルがはやくも布団しいてくつろいでいた。 聞けば愛知から来たそうだが、ほとんど喋らない無口なカップル
でしてなんとなく気まずい感じが漂う・・・ 写真屋でもなく山屋でもないただの観光客ぽいので話題もありません・・・。う〜ん・・・。
なんとか時間をやり過ごして食事の時間だ。カップルが先に出ていったので我々も布団を敷いてから食堂に向かい席についた。
|
同席になった熟年の写真屋グループの方が喋りやすくて相棒もなにやら話して和やかである(^−^)
気になっていたメニューは、焼き魚とハンバーグなどボリュームあります!! でもこの程度なら尾瀬の小屋でも出るので「ホテル」
としてはちょっと平凡かも・・・ 完全個室の部屋ではステーキが出るとか出ないとかという噂もあるようだ。
食事も終えたのでお風呂である。 それなりのホテルのわりには風呂は小さかった。でも暖かい風呂に入れるのはありがたい。最初
数人入っていけどそのうち全員出て行ったので貸し切り状態になった。ふぅ〜極楽極楽・・・ これで部屋も個室なら良かったのに・・・。
たっぷり暖まって部屋に戻るとカップルは寝る体制にはいっていた! もう寝るんですか! まだ7時前なんですけど・・・と心の
中で呟く・・・ 相棒もまだ戻ってなくて気まずいので一旦外に出て相棒が風呂から出てくるのを待ってレストランにコーヒーでも
飲みに行くことに・・・ でも7時半までですと言われてもう時間無いな〜 と諦めて部屋に戻った。 何もすることがないので渋々
寝ることになった。 うーん・・・ 外は星空が広がっていて綺麗だろうな〜 写真もしたいけどガサガサ出て行くのも悪いし・・・。
と風呂上がりで暑いのもあって悶々としてなかなか寝付けなかった。ときおりウトウトと寝たり起きたりを繰り返し時計を見ると
まだ10時過ぎ・・・ 相棒はいつのまにやら頭を反対に寝ていた。あとで聞くとオイラのイビキがけたたましかったらしい(^^;) なんでも
アクアさんより凄かったらしいです(^^;) 風邪で鼻が詰まっていた影響かな?
そんな感じで悶々とした夜は過ぎてゆくのであった・・・。
■1月4日(晴れ)
※早朝撮影のため少し散策あり。
大正池ホテル(9:20頃発)・・・・池沿いに散策・・・・田代池(11:00頃/休憩/11:55頃)・・・・大正池ホテル(12:30頃着/昼食)
大正池ホテル(13:05頃発)・・・・・釜トンネル(13:40頃)・・・・・売店(14:00頃)・・・・・・・・・・坂巻温泉(14:25頃着/入浴)
坂巻温泉バス停(15:17頃)====松本駅(16:25頃)
松本駅===長野駅===高崎===東京
翌朝、5時ころに目を覚ます。カップルの兄ちゃんもゴソゴソしていた。 トイレに行くついでに外の様子を見るとよく晴れて
いるようで穂高の稜線も見えていた。よしよしモルゲンロートになりそうだ!!
部屋に戻り相棒を起こして準備を整える。カップルも起きたようだ。写真屋ではないけど日の出の景色は見たいようである。 廊下に
出ると他の部屋の写真屋さんもワラワラと出てきて準備中〜
防寒対策をしっかりして外に出てみた。以外と寒くない・・・ 多くの人は
ホテル下の湖畔に移動しているけど僕らは昨日に決めていた釜トンネル側のテラスに向かう。
ザリザリと半分凍った雪道を歩きテラスに到着! 一番ノリであったので最高の場所に三脚をセットした陣取った。
大正池は薄氷に覆われている。そして白い穂高の峰峰は静寂の中に青白く浮かび上がっていた。とても美しい光景だ!!
風もなく霧氷には最適だと思われたけど残念なことにまったく霧氷は無かった・・・。
じっとしているとけっこう寒いけど耐え難いほどではないからこれでも暖かめなのだろう。 釜トンネルの方からカメラマンが
続々とやってくるのが見える。テラスの上の道路上にもカメラを構える人も多いようだ。
待つこと30分あまり、午前7時ころ西穂のあたりがオレンジ色に染まり始めた!! それはゆっくりと稜線に広がってモルゲンロート
になってゆく!! 美しい光景だ!! 寒い中、シャカシャカとシャッターを切る!! 奥穂、明神と次々に色づき美しい!!
大正池が凍ってなければ映ってさらに良かっただろうな〜 昨日は凍って無くて映る姿を期待していたのでちょっと残念だけど
こんな素敵な景色を見られてラッキーである。
モルゲンロートはある程度まで下がったところで薄れ始めたので場所をホテル下の湖畔に移動した。
湖畔のポイントは沢山のカメラマンで埋め尽くされて場所がなかったけど隙間に入ったりしてとりあず撮影した。すっかりオレンジ色も
消えて白い峰峰に変わりつつあった。神々しいばかりの白い穂高もまた美しい!!
微妙にポイントを変えたりして撮影してからホテルに戻った・・・。 ちょうど朝食の時間なので機材などは玄関口に置いて
とりあずレストランへ・・・ 朝食券のトラブルもあったけど無事に席に着いた。 朝食メニューはいたってシンプルである。
すっかり明るくなった外の景色が窓越しに広がりこのレストランのロケーションは最高である。輝く焼岳、西穂、穂高、眼下には
大正池の景色が広がっていた。食事後はコーヒーをいただきながらしばらくのんびりとくつろいだ。
部屋に戻るとカップルはすでにいなかった。散策に出たようだ。我々も準備をする。今日はkazuさん夫妻と合流の予定なのだ。
すでに中ノ湯は出発したと連絡が入っていたけどどこで落ち合うかは決めてなかった。
チェックアウトをして不要なものはホテルに置かしてもらって外に出た。 釜トンネルの方に迎えに行こうかと思ったけど我々の
散策時間もなくなるのでとりあえず田代原に向かいますとkazuさんに連絡して湖畔ルートを歩き出した。
天気は上々で快晴の青空が気持ちよく広がっていた。まだ大正池まで光が差し込んでなくてちょっと寒い。池の河原では沢山の
カメラマンが思い思いに撮影をしていた。霧氷があればもっと綺麗なんだろうけどほんとに残念だ・・・。
我々も河原を歩いたり梓川沿いに歩いたりと散策を楽しむ。枯木が大正池ぽさを演出している。夏場は河原に下りられないのでこの
時期ならではの景色を
見ることが出来るのが楽しい。
kazuさんたちはどこまで来ているだろうかと気になるがとりあえず田代池まで向かうことにして樹林の中を歩くが、思いの外積雪が
あってスノーシュー歩きが気持ちよい。でも相棒はホテルに置いてきたのでやっぱり持ってくると取りに戻ってしまった・・・(^^;)
なかなか戻ってこないので森の中をウロウロして時間をつぶす、それでも戻ってこないのでどうしたのかと引き返そうとしたら河原に
見慣れた姿が!! おお何とkazuさん夫妻ではないか!! 手を振ると気づいてくれたようだ!! サクサクと近寄ってきて、どうもどうも
とご挨拶。ほどなくして相棒も帰ってきた。全員揃ったところで田代池を目指して歩き出す。
森の中の深雪をサクサクと歩いてルートをショートカット。広い場所に出ると目の前に穂高の白い峰峰が広がる!! 上空には
なにやら面白い雲が出ていた。ちょうど吊り尾根の上空あたりだ。たしかああいう雲が出ると天候は下り坂というけどまだ大丈夫
そうである。
ふたたび森の中に入り暫く進むと田代湿原に飛び出る。穂高の峰峰が見えるビューポイントだ。数人のカメラマンが撮影して
賑やかである。さきほどの雲は次第に薄れてきていた。
湿原から少し奥に入ると田代池のビュースポットである。 日だまりの場所でとても気持ちが良い。寝ている人もいるし(^^;)
とりあずここでティーブレイクだ。 kazuさんから有名店のだというメロンパンをいただいた。カリカリしていてとても美味しかった。
kazuさんご馳走様です。 高尾山で菊地さんにもらった山形のお土産をお返しに振る舞った。
kazuさんたちはこのまま河童橋に向かい出来れば明神まで行きたいとのことだ。僕らも河童橋経由したかったけど時間がないよう
なのでここでお別れである。短い時間だけど一緒に散策出来て楽しいひとときでした。来年は是非同宿になるといいな〜と思った。
雪原で記念写真を撮ってから、ではではまた! 今度は檜枝岐で会いましょうと手を振って別れた(^o^)/(^o^)/
来た道をホテルまで引き返えす。 ふと振り返ると西穂の方に雲が少し湧き上がってきていた。やっぱり下り坂かな??
ホテルに置いてあった荷物をザックに詰めて準備完了。 ちょうどお昼時なのでレストランで食べてゆくことにした。
オイラはピラフ、相棒はカレーライスを注文。 はっきりいってカレーライスの方が美味しかった(^^;) ピラフはチンしたやつで
なんだかペタペタしていた。。。
窓越しに見える白く眩しいばかりの穂高の峰峰がほんとに素晴らしい!! でもさっきより雲が広がってきて稜線を覆いそうな勢いである。
食事後はコーヒーをまったりといただく。こんに素敵な景色をみながらのコーヒーはとても贅沢だなぁ〜 こんなの見てしまうと
癖になりそうである。やっぱりまた来年も来たいな〜!!
さてさて、そろそろ出発である。ザックを背負い外に出てポツポツと歩き出す。
朝の撮影場所から見る景色は朝とはまた違う感じである。薄氷に穂高の峰峰が映る姿もなかなかいい感じだ。 でも雲は西穂の稜線を覆い、穂高の方は
辛うじて見える状態になっていた。やはり下り坂なのだろうか? kazuさんたちはどこまで行ったかな? もう1泊出来るのがとても羨ましい。
遠ざかる大正池もやがて見えなくなり、穂高の峰峰もどんどん遠ざかってゆく・・・ 逆に焼岳が大きく見えて水蒸気がよく
見えている。
砂防対策事務所のカーブを曲がるといよいよ穂高とお別れである。また来るでな〜(^o^)/
同じように下山する人たちとともにサクサクと車道を下る。釜トンネルまではずっと下りなので楽ちんだ。これから入山してくる
人も多くて中には重装備の登山者もいた。穂高に向かうのかな?
光眩しい雪景色の中をどんどんと歩いて釜トンネルが見えてきた。するとトンネルの中から続々と人が出てくるではないか!!
何かのツアーかな?とよくよく見るとクラブツーリズムだ!! 30名くらいの団体でどうやら例のテント村の住人らしい。テントと
シュラフなのにこんなに集まるのだから凄いことだ。しかもほとんど熟年者というからパワフルである。 恐るべし定年退職組!!
団体はトンネルの出口で休憩のようだけど我々は休憩せずにトンネルに突入である。
来たときは感じなかったけど冷たい風が吹き上がってくる!! 人の歩く音や声、風の音も混じって静かさはなかった。それでも
ずっと下り坂なので軽快に歩いてゆく。
あっというまに半分が過ぎて、さらにあっという間に出口の光が見えてきて釜トンネル終了〜 お疲れ様〜
バスの時間までまだ時間があるので坂巻温泉で温泉してゆくことにして車道を歩く。考えていたより長くて25分ほどでやっと
辿り着いた。しかも路肩は凍結の部分もあってちょっと大変でった・・・。
道路歩きで冷えてしまった体も温泉で温まってホコホコである。なかなか素敵な温泉でこれぞ温泉!!という感じでいい湯であった。
一度はここに泊まるのも良いかな〜と思った次第だ。
温泉の目の前のバス停からバスに乗り帰路についたのであります。。。
初めての厳冬期の上高地、予想以上に素晴らしい光景を目にすることが出来て来た甲斐がありました。見たかった霧氷は駄目でした
けど神々しいばかりの穂高の峰峰を見れただけでも満足かな〜!! 来年も是非計画してこんどこそ霧氷に囲まれた大正池を見て
見たいものです。
おしまい・・・。