姫神伝説

大島内湾に男性のアレそっくりの奇岩がそそりたっています。この奇岩には 悲恋の伝説があり、「姫神さん」と地元の人に親しまれています。また、毎年夏に 「姫神祭り」が行われ勇壮だけどちょっと赤面しそうな海上バレードも行われてい ます。
その姫神さんにまつわる伝説を掲載しましたので読んで見て下さい。

写真は姫神祭りの時の奉納の様子です。
姫神さん

 昔、土佐の国のある豪族に美しい娘がおりました。年頃の娘には将来を約束した男がおり、2人は仲睦まじく、郷中の評判でした。 しかし、男は非常に才能豊かで当時のミカドに召されて京にのぼることになったのです。2人は再開を堅く誓い合って別れました。

 月日は流れ、男の任期である2年を終えてもどうしたことか帰ってきません。待ちこがれていた姫は不安で居ても立ってもいられなくなり、遂に 京に行く決心をしました。浪速に向かう民船の中で恋人への思いを馳せる姫でした・・・。しかし、穏やかな航海だったのがやがて時化模様 となり、辛うじて大島の港に避難して天候の回復を待ちました。

 しかし、どうしたことか時化はいっこうに回復する気配がありません。その時、一人の男が「コリャ、女を船に乗せとるさかい、海神さまが 怒っておられるんじゃ!」と言うと船頭たちも頷きました。海神さまは船玉姫といって女の神様なので船に女を乗せるとやきもちをやいて 海が荒れるのだという言い伝えを思い出したのです。帰路には必ず帰るからといって泣き崩れる姫を一人島に残し出航してしまいました。

 そうすると不思議なことに時化は収まりましたが、遠のいてゆく船に助けを求める狂乱の姫の姿に船頭たちは後ろ髪を引かれる思いでした。

 一人残された姫は悲しみに打ちひしがれ恋人の名を呼びつつ港の奥の入り江に身を投げてしまいました。するとそこの海中からニョキニョキと 巨大な岩が立ち上がってきたではないですか! その岩は男性の性器にソックリだったのです。

 浪速からの帰路、大島に立ち寄った船頭たちはこの奇岩を見てビックリ仰天! 早速男達は姫の魂を慰めるため祠を作りました。以来、ここを通るたびに男性のシンボルに似せた模型を作っては祠に 奉納して航海の安全を祈ったということです。これが、後に姫神祭りとして地元に根付いたと言われています。