タチツボスミレ類 地上茎あり

タチツボスミレ (立坪菫)

撮影地:東京都八王子市・裏高尾(2004.4)
  日本の代表的なスミレのひとつで環境適応性が強く大群落を作ることがしばしばある。
生育地 北海道、本州、四国、九州のほとんどの地域に分布。北海道の北部と沖縄では少ないです。
適応範囲が広く、日当たりの良い草地や落葉樹林下、杉林の縁や沢沿い。また、海岸沿いから亜高山まで見ることが出来ます。
開花時期 2月〜5月頃
草  丈 5〜15pくらい
花の状態 花色淡紫色だが濃淡に差があり変化が多い。
花形直径1.5〜2p前後。花びらの変化も多く判別しにくいものもある。
側弁側弁には毛が無い。
距 やや細長い。通常、紫色を帯びるが希に白い個体もある。
萼片毛は無い。
葉の状態 葉形心型。長さ2〜4p。花後は長三角形になることが多い。
葉表淡緑色。
葉裏淡緑色。
托葉櫛形で切れ目が深いのがこの種の特徴だ。
備   考  日本中どこにでもあると言っても過言ではなく日当たりの良い草地から、半日陰の樹林帯と適応範囲が広い。このため変異も多く見分けが難しい種の一つです。
■花柄には普通は無いですが、毛のあるものもあります。
■花期はあまり茎が伸びてませんが花後はグングン伸びます。
■「シロバナタチツボスミレ」花も距も白いもの。
■「オトメスミレ」は花が白く距に紫が残っているもの呼びます。
■「シチトウスミレ」は葉に光沢があり大型。伊豆七島や伊豆半島南部で見つかっている。
■「アカフタチツボスミレ」は葉の脈に沿って紅紫色になっているもの。
■「ツヤスミレ」は葉に光沢があるもの。沖縄や西日本の海岸沿いに見られる。
■「ケタチツボスミレ」は、花柄や葉柄に毛があるもの。
■「サクラタチツボスミレ」は、花の色が紅紫色になる。DNAレベルで固定されないようでかなり稀少。

花の部分

側弁には毛がありません。すっきりした淡紫色です。
距の部分

やや細くて長い距です。紫色を帯びるのが普通です。
托葉の状態

托葉は、櫛型で深く切れ込んでいます。
花後の状態

撮影地:東京都八王子市・裏高尾(2005.6) 茎が立ち上がるのが特徴です。

花いろいろ

撮影地:東京都八王子市・裏高尾(2004.4) すっきりとした色合いで中心部が白くなっていて花弁はやや細身です。
花いろいろ

撮影地:東京都八王子市・裏高尾(2004.4) 花弁がかなり細いタイプです。
花いろいろ

撮影地:東京都奥高尾(2013.4.7) ほんのりとピンク色をしています。「サクラタチツボスミレ」とは違う色合いです。
花いろいろ

撮影地:山梨県野辺山・飯盛山(2011.5.14) この個体は距が白いですね。オオタチツボスミレでなくても白くなる個体はあちこちで見かけます。