ニョイスミレ類 地上茎あり

タチスミレ (立菫)

撮影地:栃木県南部 (2010.6.13)
 葦の林に寄り添うように咲いてました。
生育地 関東(栃木県、群馬県、茨城県)、九州(大分県、鹿児島県、宮崎県)の河川敷などの低湿地の葦原や草原に生育しているが河川改修などで激減している。
開花時期 5〜6月頃
草  丈 30p〜100pくらい
花の状態 花色白色〜淡紫色。花弁の裏は淡紫色を帯び希に表側も淡紫色になる個体もある
花形直径1p前後。
側弁側弁の基部には極短い毛が密生する。
距 白色で短い。
萼片緑色。毛はない。
葉の状態 葉形長さ4〜6p、長披針形。上部の葉は長いが根元の葉は短い。
葉表緑色。ふつう毛はない。
葉裏緑色。ふつう毛はない。
托葉長さ2〜4pと長く全縁または、まばらに鋸歯がある。
備   考  ニョイスミレの仲間ですがどちらかというとタデスミレに似た雰囲気があります。
 河川開発で絶滅の危機に瀕していますが、一部地域では葦原の野焼きなどの保護活動もあって個体数を増やしています、とはいえ絶滅危惧種には 変わりはない希少なスミレです。
 
 背丈は1mに達することもあります、これは葦の成長が大きく起因していて、葦があまり無いところでは30pくらいにしか伸びません。葦の成長に 合わせるようにタチスミレも伸びるようです。
 花期が比較的長いのも葦の成長に起因すると思われます。閉鎖花はあまりつけず開放花を断続的に咲かせます。時期的に受粉の媒介になる虫には不自由 しないので咲かせる方が効率がよいのかもしれません。  

花のアップ

花弁は白色ですが裏側は淡紫色。側弁には極微な毛があります。
距の部分

距は白くて短い。 花弁裏は淡い紫色を帯びる。
葉の部分

両面とも緑色で毛はありませんが、とても長いのが特徴です。
托葉と花の変異

花弁裏の淡紫色が染み出たかのように表側も淡紫色になる個体もあります。  托葉も長く全縁が基本形。
根元の状態

根元の葉は短くなってます。
株全体

まさしく立スミレという感じで背が高いです。 周辺には絶滅危惧種に指定されているハナムグラも同居しているのも面白いです。
生育の環境

写真のように人の背丈にも伸びる葦の中に寄り添うように生育しています。


花いろいろ

撮影:2015年6月6日 栃木県南部。 5年ぶりに自生地に行って来ました。以前見た場所は全滅していて別ポイントで観察出来ました。

撮影:2015年6月6日 栃木県南部。