ミヤマスミレ類 地上茎なし

スミレ (菫)

撮影地:東京都武蔵野市(2006.4.16)
 総称としてのスミレと呼ばれるのはこの「スミレ」です。路地やあぜ道などどこでも生育しています。
生育地 北海道、本州、四国、九州、とほぼ全国でみられます。日当たりのよい所を好み、街角の路地や民家の庭先、耕作地のあぜ道など生育範囲は広いです。
開花時期 3月下旬〜6月頃
草  丈 7〜15pくらい
花の状態 花色濃紫色。唇弁は白地で紫色の筋が入る。分布が広いので個体差も激しい。
花形直径2p前後で大きい。
側弁側弁の基部には毛が密生する。
距 細めで長めだが変化が多い。紫色や白色のものもある。毛は無い。
萼片
葉の状態 葉形花期の葉は長さ5〜8p。へら型。葉柄にははっきりとした翼がある。普通毛は無いが微毛があるものもある。
葉表緑色。
葉裏淡緑色。希に紫色を帯びるものもある。
托葉
備   考  スミレと言われれば大概このスミレを差し日本全国で普通に見られるスミレです。環境適応性が広くてアスファルトの隙間にも 平気で生育しています。非常に逞しいスミレです。但し山岳部では見られません。
 生育環境が広いこともあって個体差が激しくいろんな変異種が発見されているのも特徴です。
 
■側弁に毛がないものを「ワカシュウスミレ」と呼ぶが意味は不明・・・(^^;
■葉に黄や白、紫色の筋や斑がはいるものを「ニシキスミレ」といいます。
■白花だが紫色の筋があるものを「シロガネスミレ」と呼びます。東京の白金で発見されました。
■白花のものを「シロスミレ」と呼びますが、こちらは本州では標高が1000m以上の高地、北海道など低温の地域に限定されます。
■「コモロスミレ」は小諸市で発見されて花が八重咲きとなっている。同市の天然記念物。
■箱根の明神が岳で見つかった「ミョウジンスミレ」は唇弁が白地がなく濃紫色になっている。

花のアップ

濃紫の花が綺麗です。側弁奧には毛が密生しています。
距の部分

ふつう細めで長いですが、短いものもあります。毛はありません。
葉の形

左が表、右が裏です。ヘラ型で葉柄にははっきりとした翼(○で囲んだ部分)があります。
葉の変形種

葉にも個体差が多く、この個体はずんぐりとして葉先がかなり丸いヘラ型です。
花後の葉

花後は一回りくらい大きくなり基部が張って長い三角形状になります。
種の状態

果実は熟すと3つに割れてそれぞれに種がびっしりとついています。さらに乾燥すると収縮して押し出されるように種がはじき飛ばされる仕組みです。

花いろいろ

撮影:長野県・霧ヶ峰(2010.6.12) この地のスミレは全体的に微毛が多いタイプです。
花いろいろ

撮影:東京都・陣馬山(2010.5.16)花弁の外側が薄くなるタイプです。この山にはシロスミレなどは無いので交雑種ではないのは確認しています。
花いろいろ

撮影:東京都・景信山(2013.4.7)花弁がやや細いタイプです。