スミレサイシン類 地上茎なし

ナガバノシコクスミレ (長葉ノ四国菫)

撮影地:東京都奥多摩(2012.5.5)
 シコクスミレとナガバノスミレサイシンの交雑種。 見た目に大株で花も大きく雑種と疑える出で立ちでした。
交雑親種 シコクスミレ × ナガバノスミレサイシン
生育地 シコクスミレとナガバノスミレサイシンが生育する場所に突発的に発生。
開花時期 4月中旬〜5月中旬頃
草  丈 5〜10pくらい
花の状態 花色白色。唇弁や即弁に赤紫の条が入る。
花形直径2〜2.5p前後と大柄。花弁はやや肉厚。シコクスミレ同様に扁平になることが多い。
側弁側弁には毛がある。(無いものもあるかも)
距 ぽってりと太い。白っぽい。
萼片毛は無い。付属体は鮮明に出る。
葉の状態 葉形心型で先は尖る。シコクスミレより2倍程度長くなる。長さ5pくらい。幅3pくらい。
葉表淡緑色。
葉裏紫色を帯びた淡緑色。葉脈に細かい毛がある。
托葉細い三角形。
備   考 ★シコクスミレとナガバノスミレサイシンの交雑種です。
 周辺には両種が混じるように生育していました。
 
 両者ともに地下茎で増える性質もあり、見つけた当時は大株に見えました。シコクスミレの花付き悪さに比べて花は多く直径2〜2.5pと大柄で雑種強勢の感があります。
 ナガバノスミレサイシンの側弁に毛はありませんが、この花たちには毛があります。 シコクスミレは側弁に毛があるタイプと無いタイプがあり、この個体群の近くの  シコクスミレは「毛あり」のタイプでした。
 また、シコクスミレの花に似てつぶされたような扁平気味になる特徴が顕著に出ています。花弁が反り返るようになっているのは花弁が大きすぎるから??
 花柱の頭はカマキリ型。
   
 葉の基部はシコクスミレの丸っこいハート形に似ていますが、5p前後と長いです。葉脈沿いに細かい毛があります。
   葉裏はやや紫ががかる感じです。
 
 以上のような状況から本種を雑種とほぼ断定しました。
 

花の部分

花色はシコクスミレ似て白色ですがかなり大きな花です。側弁に毛があるのが決定的です。
距の部分

ぽってりして短いです。萼片の付属帯は明瞭に出ています。
葉の表を比較

付近にあったシコクスミレの葉【左】と本種の葉を並べて比較してみました。シコクスミレより長いです。
葉の裏を比較

裏側です。 どちらも同じような色合いです。 葉脈には細かい毛があり、これもシコクスミレの特徴を引き継いでいるようです。
托葉

托葉のあたりをアップ。 細長い三角形。 

花いろいろ 【産地B】

【撮影:2016.4.23 静岡県東部】 東京都以外では初めて見ました。やはり葉の長さや花の歪さが判別のポイントになります。