ミヤマスミレ類 | 地上茎なし |
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コワシミズスミレ (強清水菫) | ||
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![]() 撮影地:長野県の高原(2007.5.27) コワシミズスミレの花色としては一番多いタイプかなと思います。 この個体の他に2個体確認しています。 | ||
交雑親種 | サクラスミレ × シロスミレ | |
生育地 |
主に長野県で発見例が多い。 シロスミレとサクラスミレが混生する場所に突発的に発生。シロスミレの自生地が限られるので出会える場所は希です。 | |
開花時期 | 5月中旬〜6月頃 | |
草 丈 | 5〜10pくらい | |
花の状態 | 花色 | 準白〜紅紫色まで白と紫色が連続的に混じりあう感じで変異が多いが、白色にはっきりとした紫条が各弁に入る個体が多い。また上弁の裏は紫色が濃くなる傾向。花柄には毛がある。 |
花形 | 直径2〜2.5p位と大柄。 | |
側弁 | 側弁には白い毛が密生する。 | |
距 | 短く袋状。少し紅紫色を帯びる。 | |
萼片 | 緑色。 | |
葉の状態 | 葉形 | 長卵状披針形〜長三角状披針形と両者の中間の範囲内で変異がある。葉柄には毛がある。 |
葉表 | 緑色。短い荒毛がある。 | |
葉裏 | 緑色。短い荒毛がある。 | |
托葉 | − | |
備 考 |
最初に霧ヶ峰の強清水(こわしみず)で発見されたというのが名前の由来ですが、実はキリガミネスミレだったという曰くつき。なのに
コワシミズという名前はそのまま使われています。 サクラスミレとシロスミレが混生する場所に発生しますがシロスミレの産地は少ないので発見されにくい雑種です。 花はサクラスミレに似て中〜大型。変異はあるものの白色ベースに紫色がのる個体が多く、特に各弁に紫条が入ることが多いようです。 葉もシロスミレ状のヘラ型状のものからサクラスミレの三角形状のものまで変異があり同定に苦慮する個体も出るよです。 「信州のスミレ」によると花の形態は、 ・花色はシロスミレに近いが形態はサクラスミレ状。 ・濃紫色の紫条を多く残す白花型。 ・サクラスミレの色を残す中間型。 に別れると記載があり、見つけた個体は「白花型」になりそうです。 掲載した個体は道路の側溝沿いで見つけたもので、明らかに交雑種とわかる花色でした。葉も三角形でサクラスミレを疑います。 ただし、調査不足もありますが周辺でサクラスミレらしいものは確認しましたがシロスミレを見ていません(^^;) なのでずーと保留にしておいたのですが、両親は揃っているだろうと いうことで掲載に至りましたことを注釈させていただきます。 |
花のアップと距の部分 |
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![]() 花色は白地に紫条がのるという感じで、側弁の基部にはサクラスミレらしい密生した毛があります。上弁の裏は紫色が濃い。 |
葉の表裏 |
![]() 三角形状をした葉です。サクラスミレ寄りでしょうか。 表裏には短い荒毛があり、葉柄に長い毛があります。 |
つぼみと托葉 |
![]() 同じ場所の別の個体です。まだ蕾のコワシミズです。 右は根元を掘り出して撮影しました分かりづらいですが托葉が写っています。 |