ミヤマスミレ類 地上茎なし

フイリシハイマキノスミレ 

撮影地:長野県中部(2013.5.5)
 マキノスミレとフイリシハイスミレの中間型のような葉が特徴。
交雑親種 フイリシハイスミレ × マキノスミレ
生育地 フイリシハイスミレとマキノスミレが混生する場所に突発的に発生。不完全稔性があるとされるため種子で増えることもある。
開花時期 4月上旬〜5月上旬頃
草  丈 5〜10pくらい
花の状態 花色交雑する両親の色によって変異があり準白色〜淡紅紫色〜紅紫色と幅広い。
花形中型1.5p前後。
側弁側弁には毛がない。
距 細めで長い。淡紅紫色を帯びる。
萼片暗淡紫色。付属体は全縁。
葉の状態 葉形両親の中間形態だがやや幅がある。狭卵状披針形で、マキノスミレより基部がやや広い。
葉表緑色。脈に沿って斑が入る。無毛。
葉裏淡紫色。シハイスミレのように濃くはないとされる。無毛。
托葉長三角形。鋸歯あり。
備   考  訪れた長野県の山はマキノスミレとフイリシハイスミレが混生しており、斑が入った細めの葉の個体もとても多く、交雑種の可能性がとても大きい。
 ただ、交雑種とさらに交雑したのではないかと思われる個体もあったりととても悩ましかったが、それらも含めてマキノとフイリシハイの交雑と同定しました。
 (使用した写真は出来るだけわかりやすい個体を採用しました。)
 
 花色も複雑に混じり合った感じで、シハイスミレと思われる白っぽい個体と典型的なマキノスミレも近くにあったため、これらが混じったことにより花色に 変化が出た物と推測できます。
 
 ひとつだけ問題点はこの細めの斑入り葉の個体が山域で場所を変えて隔離的に存在しています。各所で交雑して不完全稔性により増えたと考えられますが真相は?
 

花のアップと距の部分

花色は典型的ではないのでこの写真は基準に出来ません。側弁は無毛。
葉の裏

解説書ではシハイスミレより薄い淡紫色とされています。 
花色の変異 【1】

根元の托葉です。縁に細かい鋸歯が見えます。
花色の変異 【1】

周辺にあったマキノスミレとフイリシハイスミレです。フイリシハイスミレの花が白っぽいのが花色の変化をもたらしたと思われますが・・・。またここのマキノスミレの葉裏は比較的淡紫色がはっきりしているようです。

花のいろいろ

撮影:2013.5.5 長野県中部。 花色だけでなく斑の入り方にも変化があります。
花いろいろ

撮影:2013.5.5 長野県中部。 花色はマキノっぽいですが葉はマキノよりふっくらしてますのでこれも交雑種と思われます。