ミヤマスミレ類 地上茎なし

フギレミヤマスミレ

撮影地:山梨県 (2015.5.3)
 2014年に発見しましたが花は終わっていて、2015年に再訪。ミヤマスミレの色合いを反映した美しいハーフです。
交雑親種 エイザンスミレ × ミヤマスミレ
生育地 ミヤマスミレとエイザンが近距離に混成する場所に突発的に発生するが交雑しにくいようでなかなか見つからない。
開花時期 5月上旬〜5月中旬頃
草  丈 5〜8pくらい
花の状態 花色やや白濁した紫紅色〜紫紅色。各弁にうっすら紫条が入る唇弁は白色が目立つ。花柄に微毛がある。全体的にミヤマスミレに似ている。
花形中型。
側弁側弁は無毛。または少毛?
距 太い円筒形。毛は無い。
萼片微毛がある。
芳香僅かに香る気が?
葉の状態 葉形花期の葉は卵型〜卵状披針型でミヤマスミレに近い葉。不規則な浅裂〜中裂。葉柄に微毛。
葉表緑色。花期の頃は殆ど無毛か僅かに微毛があるが、夏期の葉は更に増える傾向。
葉裏淡緑色。葉脈沿いに微毛あり。
托葉長い三角形。
備   考  2015年に探していたフギレミヤマスミレを山梨県の某所で見つけましたが、すでに花は終わっていました。しかしそこには無数のギザギザの葉っぱがあり びっくりしました。
 2015年に再び訪れてついに開放花の綺麗なのを見ることが叶いました。少し時期が早かったようでしたが、数輪の花を見ることが出来て感激でした。
 ただ花付きがわるいようで無数にある株のほとんどは無花でした。
 
 花付きが悪いのにこれだけの株が存在するのは不思議ですが、「原色日本のスミレ」には根や茎で増えるとあります。としてもこれだけの数がここに 存在するのはかなり興味深いです。花咲は悪いが開放花は多く、種の発芽率も高い可能性もありそうです。
 
 付近にミヤマスミレは、典型的より葉がかなり丸く小さい感じがします。またエイザンスミレは少数でした。
 

花と距の部分

花は全体にミヤマスミレに似ています。唇弁の白い部分が広いです。即弁には毛がありません。
別個体の花

原色日本のスミレには即弁は無毛と記載されてますが、この個体は良ーく見ると毛のようなが数本見えます。
葉の状態

ミヤマスミレに似て全体に丸っこく卵形。切れ込みは深くないです。 花期の葉は表裏ともそれほど毛は無いですが、葉脈などには僅かに毛が見られます。
托葉

細長い形で、やや鋸歯あり。
閉鎖花

稔性があるのかどうかは不明。でも周辺の株の数は異常なので可能性はあるかもしれません?
根茎

少し掘り返して根茎を確認してみました。根は白いです。
付近の両親

付近にあったミヤマスミレとエイザンスミレですが、エイザンスミレは圧倒的に少ないです。
株は無数!!

写真が小さいですが、映ってる小さい葉は全てフギレミヤマスミレです。 とにかく株は無数にあります。根で増えるなら周辺部だけでしょうが、かなり離れたところにもありどこもコロニーを形成するように広がってました。根や茎だけではこの飛び地的な分布は 説明できません。やはり稔性ありかも? 

花いろいろ

別の個体です。いくつか開花株はありましたが大抵は1つでした。咲いていない株では2つのつぼみを見ましたが、花付きが 悪くて雑種=多花という訳ではないようです。
花いろいろ

この株は直ぐ隣に片親のミヤマスミレが咲いてました。花色は白が強いようです。 

花いろいろ

撮影:2016.5.5 撮影地は同じ。 2輪ついてる株でしたが、どちらも傷んでました。